ビートルズ・フォー・セール
Beatles For Sale

(アルバム)


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美しいメロディに激しいビート。これがビートルズの“ロックンロール・ミュージック”アルバム

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プロデュース:ジョージ・マーティン

Parlophone Revel 1964.12.4


ヒストリー

アメリカ制覇を果たしたビートルズは64年6月にヨーロッパやオセアニアなどの世界ツアーを行う。 映画『ハード・デイズ・ナイト』が大ヒットし、世界的にビートルズブームが巻き起こっていた時期である。

8月には24都市を回る2回目の全米ツアーを開催、本国イギリスでも大規模な公演を行っている。 11月には最新シングル「アイ・フィール・ファイン」を発表し、アメリカデビュー1年でアイドルとしての全盛期を向えるのであった。


アルバム解説

64年12月4日に発表された英国における4枚目のオリジナル・アルバム。 ジョージは再びグレッチのカントリー・ジェントルマンにギターを替えており、カントリー&ウェスタン調の曲が多く収録された。

オリジナル8曲、カバー6曲の編成は、当時の多忙さの影響であろうか。ビートルズ・フォー・セール(ビートルズ売ります)というタイトルもうなずける。 短いレコーディング時間であったが、なんとかクリスマス商戦に間に合わせることが出来たという印象。 アルバム全体が統一感ある仕上がりと言えるが、前作に比べると地味な印象は否めない。

ロバート・フリーマンによって撮影されたジャケット写真は、ロンドンのハイドパークでのショット。 4人が巻いている1本の長いマフラーは、デビュー前からの友人で女性写真家でもあるアストリッド・キルヒャーに編んでもらったもの。彼女はビートルズカットの発案者でもある。

ジョージ・マーティンのプロデュース。 当時、日本のアナログ盤の帯には“ビートルズ'65”という副題が付けられていた。

小生の好き度

★ ★ ★ ★ ★

リンゴのシンバル音が強調されたフォークロックっぽい1曲。 ジョンの作品でリードボーカルも彼。サビではポールと息の合ったハーモニーを聴かせる。 但し、前作のような明るさは無く、より内省的な方向に向っている。この世界観は後に「ヘルプ!」で結実する事になる。

『ビートルズ・アンソロジー1』では何故か笑いのつぼにはまったジョンが吹き出しながら歌っているデモを聴く事が出来る。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ジョンが作ったこのアルバムを象徴するカントリー調の作品。リードボーカルはジョン、サビはジョンとポールのハーモニー。 チェット・アトキンス風のジョージのギターにハーモニカがマッチしている。 心に潜む弱気の自分をあらわにした歌詞はこれまでの作品中最も自叙的であり、ジョン自信も気に入っているもの。

アメリカ公演中に交流を深めたボブ・ディランの影響を強く受けている。 ジョンは次回作でよりディランっぽい曲「悲しみはぶっとばせ」を作っている。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ジョンとポールの共作で、ボーカルも全編2人のハーモニー。 冒頭のぎこちないテンポのギター、へんにズレたコーラス、不機嫌さを表現したような曲調はこれまでに見られなかった作風である。

この曲は、元メンバーのスチュワート・サトクリフの恋人だったアストリッド・キルヒャーに捧げた挽歌である。黒い服を好む彼女は、スチュワートの死後、立ち直れずにいた。 彼女はジャケット写真に写る長いマフラーを編んだ人である。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John,Paul


ロックの創始者チャック・ベリーが57年9月に発表した伝説的なR&Rナンバー。 リードボーカルはロックンロールを愛するジョン、ピアノはジョージ・マーティンの演奏。 レコーディングでは見事に1テイクで終了させている。 66年の日本公演では1曲目に演奏された。

作者:C.Berry

リード:John


ポールが15歳の頃に作った美しいフォーク調のラヴソング。 デビュー前からライブで演奏されていた彼らの隠れた名曲である。 リードボーカルはポール、息の合ったコーラスはジョン。 この曲ではリンゴはドラムを叩かず、手で膝を叩いている。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


突然ジョンの強烈なシャウトから始まるラテン調の曲。 オリジナルはドクター・フィールグット&インターンズが62年1月に発表したもの。 ポールがハモンド・オルガン、ジョージがアフリカン・ドラムを演奏している。コーラスはポール。

ビートルズの来日公演を特集した番組でも印象的な使われ方をしていた。ロイ・リー・ジョンソンの作品。

作者:R.L.Johnson

リード:John


もともとはリトル・ウィリー・リトルフィールドが52年12月に発表した「K.C.ラヴィング」に、リトル・リチャードが自作「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」とメドレーにして59年3月にリリースしたもの。

リトル・リチャードを敬愛するポールが熱唱している。息の合ったコーラスはジョンとジョージ。 軽快なギターソロはジョージ、ピアノはジョージ・マーティン。

作者:J.Lieber - M.Stoller / R.W.Penniman

リード:Paul


ジョンとポールの共作で、このアルバムの中で最もビートルズらしいポップな作品。共作ではあるが、コード進行など明らかにポール色が強い曲といえる。 フェイドインで始まるイントロは彼らの新たな試みである。 全編ジョンとポールのダブルボーカルで歌われている。サビの2人のハーモニーとユニゾンは絶品。

元々は彼らの2作目の映画『エイト・アームズ・トゥ・ホールド・ユー』(後に『ヘルプ!』に改題)の主題歌として作られたそうである。 アメリカではシングル・カットされ2週連続1位を記録、100万枚以上を売り上げた。

『ビートルズ・アンソロジー1』ではフォーク・ソング風の初期バージョンを聴く事ができるがこちらの出来映えも秀逸である。 2015年にリミックス版として再発売されたベストアルバム『1』には、ジョンとポールのボーカルが中央と左右に広がった素晴らしいミックスを聴く事ができる。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John,Paul


オリジナルは白人ロックン・ローラーのバディ・ホリーが57年6月に発表した作品。 リードボーカルはバディ・ホリー・ファンのジョンとポールの2人。 手拍子の入った演奏は、オリジナルに忠実なアレンジである。

作者:B.Holly

リード:John,Paul


カール・パーキンスが56年1月に発表した「ブルー・スウェード・シューズ」のB面に収録されていたもの。 リンゴがリードボーカルを担当しているため、C&W風な曲に仕上がっている。ビートルズデビュー前には元メンバーのピート・ベストが歌っていた曲だった。

因みに『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』には、ジョンがリードボーカルを担当したロック調のこの曲を聴く事が出来る。

作者:C.Perkins

リード:Ringo


ポールが当時の恋人だったジェーン・アッシャーの家で作った隠れた名曲。 リードボーカルはジョン、ハーモニーもジョンによる多重録音。サビではジョンとポールの絶妙なハーモニーを聴かせる。

フォーク調のなんとも言えないペーソス感のあるラヴソングで、リンゴのティンパニーが曲に独特の表情を与えている。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ジョンが作ったポップなカントリーソング。ボーカルもジョンのダブルトラックのハーモニーだが、低音部が彼独特の節回しだ。 サビではポールのリードにジョンが低音のコーラスを付けている。 ジョンはこの曲でギブソンのアコースティックギターを弾いている。

アメリカではシングル「エイト・デイズ・ア・ウィーク」のB面にも収録され、39位のスマッシュ・ヒットを記録した。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ポールの作品。 リンゴのドラミングのイントロ、エンディングのポールのベースとのコンビネーションなど、それなりに凝ったアレンジである。 リードボーカルはポール、ジョンとジョージがバックコーラスを担当。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


オリジナルは「ハニー・ドント」のカール・パーキンスが58年8月に発表したアルバム収録曲。 リードボーカルはジョージ。 カール・パーキンス風のギターもジョージが担当。 ボーカルには深いエコーが施されている。

作者:C.Perkins

リード:George





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