太陽系と12の星座
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太陽系の大きさをイメージしてみる
地球は直径12,742km、太陽との距離は平均149,600,000kmである。太陽は直径1,392,700kmの巨大な火の玉だ。
太陽の光が地球に到達するまでおよそ8分19秒かかる。
単位が大きすぎるので、地球が直径4cmのピンポン球だとしてざっくりと大きさを比較してみよう。
地球がピンポン球だと太陽は直径4.36mの大きさだ。だいたい相撲の土俵ほどの大きさなのでピンポン球の地球と比べるととてつもなく巨大である。 水星はラムネのビー玉位、金星はピンポン球より少し小さく、火星は1円玉、木星は直径45cmの少し小さめのバランスボール、土星は直径38cm位のクッション程、天王星と海王星は直径16cm位のハンドボールの玉程度だ。
では太陽との距離はどうだろう。 一番近い水星は181m、金星は400m。地球は470mなので徒歩6分位の距離だ。地球から見える太陽は470m先にある土俵の大きさという事になる。 太陽の光が地球に到達するまで8分ちょっとなので、このスケールだと470mの距離を8分で歩くかなりゆっくりした速度が光の速さという事になる。
火星は716m離れている。 太陽と木星までは2.5kmなので徒歩30分程度、1駅くらいの間隔。土星までは4.5km、一番遠い海王星までは14kmも離れている。 また、月はパチンコ玉の大きさで、ピンポン球の地球から1.2m離れて回っている。かなり近い。
太陽からの距離感
太陽系の大きさや地球と月の距離感など何となくイメージが出来ただろうか?
地球の運動
地球の動きをおさらいしてみる。
地球は1日1回自転している。北極を上にすると反時計回りだ。その結果、地球から見ると毎日太陽が東から登り西へ沈むように見える。
そして地球は自転しながら太陽の周りを廻っている。この公転周期は約365.24219日、つまり約365日で太陽を1周している。この公転も北極を上から見ると反時計回りである。
公転する軌道はやや楕円であるが、他の惑星の引力の影響でその時々微妙に違う。
2支点と2分点
地球が太陽の周りを廻る公転軌道面を黄道と言う。地球から見ると太陽の通り道が黄道である。
地球の地軸は黄道に対して垂直ではなく、僅かに傾いている。
この傾きを黄道傾斜と言い、角度は垂直を0度とすると
約23.4度
厳密には傾斜角は21.1度から24.5度まで41,000年周期で変化する。
だ。
この黄道傾斜があるために地球のほぼ全ての場所で1年を通じて春・夏・秋・冬の四季の変化をもたらしている。
地上から見ると太陽の通り道が夏は高く冬は低くなり、1年を通じて動いて見える。
地球が太陽を1周廻る1年のうち、黄道傾斜が特別なポイントが4ヶ所ある。
地軸の傾きが太陽の方向と一致する2つの支点と地軸の傾きが太陽と平行になる2つの分点である。
夏至点では北半球で昼間が1番長くなり(南半球では1番短くなる)、冬至点では北半球で昼間が1番短くなる(南半球では1番長くなる)。
そして春分点と秋分点では昼と夜の時間が同じで、この日は地球上どの場所でも太陽は真東から登り真西へ沈む。
黄道 12宮
星座占いでもお馴染みの黄道12宮。 牡羊座(白羊宮)、牡牛座(金牛宮)、ふたご座(双児宮)、かに座(巨蟹宮)、しし座(獅子宮)、おとめ座(処女宮)、天秤座(天秤宮)、さそり座(天蝎宮)、いて座(人馬宮)、やぎ座(磨羯宮)、水瓶座(宝瓶宮)、うお座(双魚宮)の12宮。 これは地球が太陽を廻る黄道の外側に均等に配置されている12の星座の事である。
黄道12宮
古代ギリシャ神話に基づく星座であるが、その歴史はメソポタミア文明まで遡る。
農耕民族のシュメール人は太陽の動き、星の動きを観測し、星座の原型を作ったと考えられている。
古くから交流のあったエジプトにも天文学の知識は伝わり、やがて航海民族のフェニキア人によってミノア文明や古代ギリシャ、古代ローマに持ち込まれたと思われる。
彼らは1年が365日である事を知っていたし、至点(夏至・冬至)と分点(春分・秋分)がいつかも正確に知っていた。
この12星座、地球から見ると日没から日の出までの夜間に太陽の通り道と同じ軌道で移動する。 そして季節毎に見える星座は変わっていき、1年たつと元の星座の配置に戻る。まるで12の星座が太陽を追い抜いていくように。 このような規則性は古代人にとって季節や時間、方角などを知る重要な情報だった。 例えば日の出前に見える星座で季節を知る事ができるので、昔から12星座は大事なカレンダーだったのだ。
古代エジプトでは独自の星座があったが、しし座、やぎ座、ふたご座、牡牛座等などはメソポタミアや古代ギリシャのそれと同じだったようだ。
地球のもう一つの動き歳差運動
地球の自転が黄道面に対し少し傾いている黄道傾斜。地軸の傾き23.4度は殆どその角度を変えずに廻っているが、地軸の方向はゆっくりだが回転している。 ちょうど回転する駒の勢いが衰えると、ゆっくりと首を振るあの動きだ。北極を上にすると時計回りに回転し約25,800年かけて1周する。
傾斜角度を保ちながら地軸の向きがゆっくりと回転する歳差運動
現在の北極星は小熊座のアルファ星ポラリスを指しているが、11,000年後にはこと座のアルファ星ベガを指す。 そしてこの歳差運動と呼ばれる地軸の首振りは、支点・分点の位置を約72年で1度反時計回りに動かすのだ。
さて、悠久の昔から人類にとって春分点が最も重要な日だった。農耕民族にとって“種まき”の季節であり、1年の始まりとしてとても大事な日であった事は想像に難くない。
この春分の日に真東から太陽が登る直前に見える星座は太陽を運ぶ星座として崇められてきた。
春分の日に太陽の反対側に位置する星座は太陽を運ぶ星座である
現在、春分の日の明け方、東の空にはうお座が見えるので占星術では今は“うお座の時代”と言われている。 そして、世界初のロック・ミュージカル『ヘアー』「アクエリアス(輝く星座)」で歌われている「みずがめ座の時代の夜明け」というフレーズの通り、これから“ 水瓶座の時代 厳密には2020年頃から水瓶座の時代に入ったと言われている。 ”が始まろうとしている。 また、星占いが牡羊座から始まるのは、占星術が出来た当時は“牡羊座の時代”だったからだ。
つまり歳差運動によって春分の日の太陽を運ぶ星座は約2,150年毎に変わっていくのだ。まるで椅子取りゲームのように。
面白い仮説がある。 古代人はこの歳差運動の仕組み、周期を知っていたというのだ。少なくとも自分たちの時代の星座を意識していたようだ。うお座の時代が始まった頃の初期キリスト教のシンボルはイクテュスという魚である。 紀元前2世紀頃の牡羊座の時代、旧約聖書には雄羊が度々登場する。またその頃の古代エジプトで興隆したアメン信仰のシンボルは雄羊だった。(羊の角に似た形のアンモナイトの語源は羊の角を持つ太陽神アメンからきている)
牡牛座の時代、古代エジプト古王国時代のメンフィスでは聖牛アピスが崇拝されていた。 同じ頃、ギリシャのクレタ島で栄えたミノア文明の象徴は半人半牛のミノタウロスだった。
エジプトのギザにある大スフィンクス像。元々ライオンの顔が彫られていたといわれる1枚岩の巨像だ。 紀元前2,500年ごろに作られたというのが定説だが、地質学、天文学から見てもっと古い時代に建造された可能性があるという。 雨による浸食はギザがまだ熱帯雨林だった事を裏付け、ピラミッドやナイル川の配置は紀元前10,500年ごろの春分の日のオリオン座と一致するという。 その時代、春分の日にスフィンクスの正面から太陽が昇る直前にはしし座が見えた。 つまりスフィンクスは“しし座の時代”を象徴しているというのだ。
もう一つ、歳差運動は世界各地に伝わる神話に暗示されているという仮説がある。
スウェーデンやデンマークに伝わる北欧神話。
女の巨人フェニヤとメニヤが何でも望むものを生み出す巨大な石臼を挽かされる話。最後は船に持ち込まれた石臼から大量の塩を出し船もろとも海に沈んでしまう。
裕福な兄と貧しい弟が登場する日本の昔話「塩ふきうす」。
右に回すと欲しいものが出て左に回すと止まる不思議な石臼を手にした弟は裕福になった。その事を知った欲深い兄は石臼を盗み出し船に乗って塩を出したが止め方がわからずに海に沈んでしまう。
ヨーロッパの民話にもまったく同じ話が多数存在し、すべての話は今でも石臼は海の底で塩を出し続けているため海の水は塩辛いというオチになっている。
この“石臼”、歳差運動を象徴しているというが果たして…!?
ところで、古事記の
海幸彦と山幸彦の神話
もともとはインドネシアから伝わった説話が原型だと言われている。
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海幸彦が満潮と干潮を操る
太陽系の惑星の大きさ比較