『レット・イット・ビー』50周年記念

Let It Be 50周年記念

ビートルズ『レット・イット・ビー』50周年記念スペシャル・エディションが遂に発売!



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[CD 2]ゲット・バック - アップル・セッションズ

トゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサルを終え、急造したアップル・スタジオに居を移したビートルズ一行。 アップルでのレコーディングとビル屋上の“ルーフトップコンサート”における未発表テイクを中心に収録。
レコード作りを目指しながらも、ライブを念頭に置いたセッションだった事が感じられる。



1. モーニング・カメラ(スピーチ - モノ) / トゥ・オブ・アス (テイク4)   [3:42]

69年1月24日、アップル・スタジオにおけるこの曲の初レコーディングのうち、完奏された3テイクの中の2番目のテイク。 ジョンの「home」の鼻歌っぽい歌い方が面白い。 この日完奏された最初のテイクは、「アンソロジー3」で聴くことができる。この日の最後の完奏テイクはグリン・ジョンズの「ゲット・バック」(CD4-9)に使われた。 冒頭、「モーニング、モーニングみんな」というリンゴの陽気な声は1月22日の「ドント・レット・ミー・ダウン」セッション(CD4-3)の時のもの。


2. マギー・メイ / ファンシー・マイ・チャンシズ・ウィズ・ユー (モノ)   [0:58]

前曲の「トゥ・オブ・アス」セッション(1月24日)で即興的に歌われたもの。 「マギー・メイ」から彼らのデビュー前のオリジナル「ファンシー・マイ・チャンシズ・ウィズ・ユー」を演奏している。ジョンとポールの息のあったボーカルが聴ける。


3. キャン・ユー・ディグ・イット?   [2:02]

69年1月24日のアップル・スタジオにおける陽気なジャム・セッション。ジョンはラップ・スティール・ギターを弾いている。キーボードはビリー・プレストン。 本テイクは未発表に終わったが、演奏終了後の「ジョージ―・ウッドのキャン・ユー・ディグ・イットでした。次は『ほら天使が来た』をやります」というジョンのセリフ部分のみ、スペクター版とジョンズ版に収録されている。


4. アイ・ドント・ノウ・ホワイ・アイム・モーニング(スピーチ - モノ)   [1:22]

プリムローズ・ヒルでのライブが不可能になった事を受け、どうやってショーを実現するか話し合っている。 「今からどうショーをやるか?」「答えなんかわからないよ」

69年1月25日のアップル・スタジオにおける会話のやり取りで、「僕らが演奏できるならやるべきだ」とジョンは前向きだ。 この話し合いの直後、マイケルとジョンズからアップル・ビル屋上でのライブ案が出された。


5. フォー・ユー・ブルー(テイク4)   [2:52]

69年1月25日、アップル・スタジオにおけるテイク4。 ジョージはボーカルを楽しんでいる。 マスターテイクはホンキートンク風のタックピアノが聴けるが、このテイクではポールは普通のグランドピアノを弾いている。


6. レット・イット・ビー / プリーズ・プリーズ・ミー / レット・イット・ビー(テイク10)   [4:32]

冒頭は、69年1月25日のアップル・スタジオでの「レット・イット・ビー」のリハーサル中に演奏されたムーディーな「プリーズ・プリーズ・ミー」。 続く「レット・イット・ビー」のテイク10は翌日にアップル・スタジオでレコーディングされたこの日の最終テイク。 リンゴのドラムの入りやパターンはほぼ完成形だ。また、一部キーが違っているが、ジョンとジョージのコーラスも追加されている。 ビリー・プレストンのオルガンは好評だったようで、この時の演奏でオルガンを使用する事が決定したようだ。


7. アイヴ・ガッタ・フィーリング(テイク10)   [3:37]

69年1月27日のアップル・スタジオにおけるレコーディング。 それまでのテイクに比べ、少しテンポが速い。ジョージが苦労していた下降するリード・ギターなど、アレンジはほぼ完成しているようだ。


8. ディグ・ア・ポニー(テイク14)   [4:01]

“ルーフトップコンサート”を直前に控えた69年1月28日のアップル・スタジオにおけるレコーディング。 最終的にスペクターにカットされたが、冒頭とエンディングに歌われる「All I want is you」のフレーズを聴くことができる。 1月30日に“ルーフトップ”で演奏された完成形にかなり近づいている。ジョンがボーカルを楽しんでいて、演奏後に「もう1つのテイクほうがはるかに良かった~。では<ゲット・バック>を演ろう~」という上機嫌のおふざけが聴こえる。


9. ゲット・バック(テイク19)   [3:57]

69年1月28日、アップル・スタジオにおけるレコーディング。 ほぼ完成された歌と演奏であるが、後にマスターテイクになるのは前日にレコーディングされたテイク11である。 このテンション高めのテイク19は曲が終了後に再び演奏が始まるのだが、この再演奏の部分はグリン・ジョンズによる「ゲット・バック」(CD4-6)のエンディングと「ゲット・バック(リプリーズ)」(CD4-14)に使用されている。


10. ライク・メイキング・アン・アルバム?(スピーチ)   [0:42]

69年1月28日のアップル・スタジオにおける「テディ・ボーイ」のリハーサル後のメンバーの会話のやり取り。 屋上ライブを直前に控える中、「これでアルバムを作る? それとももっと練習してライブの曲を増やす?」とポールは準備不足を気にしている。

「ドント・レット・ミー・ダウンとアイヴ・ガッタ・フィーリングは十分練習した」とはジョンの発言。


11. ワン・アフター・909(テイク3)   [3:27]

69年1月28日、アップル・スタジオでレコーディングされたテイク3。 この日のビリー・プレストンはリトル・リチャードばりのグランドピアノを弾いていて、曲のアレンジがほぼ完成したといえる。 2日後の屋上ライブではビリーはフェンダー・ローズ・ピアノを弾いている。


12. ドント・レット・ミー・ダウン(ファースト・ルーフトップ・パフォーマンス)   [3:29]

69年1月30日の“ルーフトップコンサート”で2回演奏された最初のテイク。 ジョンは2番の冒頭の歌詞を忘れたようで、適当な言葉で歌っている。 この1回目と2回目のライブ演奏を1つに編集したものが『レット・イット・ビー...ネイキッド』に収録されている。


13. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(テイク19)   [3:47]

69年1月31日のアップル・スタジオにおけるセッション最終日、この曲の最終テイク。 映画でも使用されたテイクで、当初このテイク19がマスターテイクになると思われていたが、ジョンズもスペクターも1月26日のテイク8をマスターとして使用している。 この繊細な演奏は『レット・イット・ビー...ネイキッド』に収録された。間奏のフェンダー・ローズ・ピアノがはかなくも美しい。 演奏終了後、「ラヴリー!」と言うリンゴの声が聴こえる。


14. ウェイク・アップ・リトル・スージー / アイ・ミー・マイン(テイク11)   [2:15]

“ゲット・バック・セッション”から1年後の1970年1月3日、EMI1スタジオにおけるジョージ(アコギ)、ポール(ベース)、リンゴ(ドラム)の3人によるレコーディング。 冒頭、エヴァリー・ブラザースの57年のヒット曲「起きろよスージー」の後、メンバーの会話に続いて「 アイ・ミー・マイン」の初期テイクが演奏される。 ジョージのボーカルは冒頭ほんの僅かに聴こえるが、ほとんどインストルメンタルになっている。 演奏終了後、ジョンの不在をジョークにしたデイヴ・ディー・グループのリーダー脱退についての会話が聞かれる。


[CD 3]ゲット・バック - リハーサル・アンド・アップル・ジャムズ

前半部分に1969年1月2日からのトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサルセッションなどを収録。 後半部分には1月21日からアップル・スタジオに場所を移して行われたセッションから和やかなジャムの様子を中心に収録している。 これらのリハーサルを聴くと、今まで語られてきたイメージを覆す、メンバー間の友情が間違いなく存在していた事がわかる。



1. オン・ザ・デイ・シフト・ナウ(スピーチ - モノ)/オール・シングス・マスト・パス(リハーサル - モノ)   [4:22]

69年1月2日から始まったトゥイッケナム・フィルム・スタジオにおけるリハーサル。後にジョージのソロ・アルバムに収録される「オール・シングス・マスト・パス」。 冒頭にリンゴとジョージの新年の挨拶が聞こえる。


2. コンセントレイト・オン・ザ・サウンド (モノ)   [1:07]

69年1月6日のトゥイッケナム・スタジオにおける会話の抜粋。ここのスタジオのコントロールルームや天井について話している。 “ゲット・バック・セッション”中、映画の撮影隊が持ち込んだナグラの小型オープンリールデッキが常に音声を捉えていたのでスタジオの“その瞬間”を今聴くことができるのだ。


3. ギミ・サム・トゥルース(リハーサル - モノ)   [1:19]

冒頭に歌いだしだけの「アクロス・ザ・ユニヴァース」とメンバーの会話が聴こえるトゥイッケナム・スタジオにおける69年1月7日のリハーサル。 後にジョンのソロ『イマジン』に収録される「真実が欲しい」を演奏している。


4. アイ・ミー・マイン(リハーサル - モノ)   [1:35]

69年1月8日、トゥイッケナム・スタジオにおけるリハーサル。途中、フラメンコ風のフレーズが登場する。 この曲の演奏中、リズムに合わせてジョンとヨーコがワルツを踊っている。


5. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー(リハーサル)   [2:50]

69年1月21日、アップル・スタジオに移った初日のリハーサル。『アビー・ロード』収録版に比べかなりスロー・テンポ。 ポールは1節1節確かめるように演奏を続けている。後半の演奏ではジョンがエレクトリック・ピアノを弾いている。


6. ポリシーン・パン(リハーサル - モノ)   [1:19]

69年1月24日、「マギー・メイ / ファンシー・マイ・チャンシズ・ウィズ・ユー」(CD2-2)の演奏後のアップル・スタジオにおけるリハーサル。 ジョンは”ホワイトアルバム・セッション”からこの曲を手掛けていた。


7. オクトパス・ガーデン(リハーサル - モノ)   [1:50]

69年1月26日、アップル・スタジオにおけるリハーサル。前半はピアノの伴奏、後半はギターの伴奏。 ムードメーカーのリンゴだけあって、笑い声も絶えない終始和やかなムードである。映画でも一部このリハーサル・シーンを見る事ができる。


8. オー! ダーリン(ジャム)   [5:19]

69年1月27日、アップル・スタジオにおけるリハーサル。 この日、オノ・ヨーコの離婚手続きが完了した事を祝福するかのようにポールとジョンはハイテンションのボーカルを披露している。 曲が一旦終了するが、ノリノリの2人はその後再び演奏を続けている。


9. ゲット・バック(テイク8)   [3:52]

69年1月27日、アップル・スタジオで集中的に行われたレコーディング。 間奏のエレクトリック・ピアノのフレーズはこの日にほぼ決まったようだ。 最後にジョージ・マーティンが「ポール、ちょっと遅いと思う。勢いがなくなってる」と言っておりテンポについて試行錯誤した様子が分かる。 この後、「ゲット・バック」のマスターテイク(テイク11)は完成した。


10. ザ・ウォーク(ジャム)   [0:55]

69年1月27日、アップル・スタジオにおけるジャム・セッション。 1958年にヒットしたジミー・マクラクリンの曲をポールが歌っている。


11. ウィズアウト・ア・ソング(ジャム - ビリー・プレストン・ウィズ・ジョン・アンド・リンゴ)   [2:00]

ビンス・クロスビー、フランク・シナトラ、アル・ジョルソンらが取り上げたスタンダード・ナンバーをビリー・プレストンが歌っている。 ピアノはビリー、ドラムはリンゴ、ギターはジョン。69年1月28日のアップル・スタジオにて。 ビリーは71年に自身のソロ・アルバムでこの曲を取り上げている。


12. サムシング(リハーサル - モノ)   [1:24]

69年1月28日のアップル・スタジオにおけるリハーサル。 この曲は”ホワイトアルバム・セッション”の「ピッギーズ」をレコーディング中にジョージがハープシコードで演奏した事があるが、他のメンバーに披露したのはこの日が初めて。


13. レット・イット・ビー(テイク28)   [4:42]

“ゲット・バック・セッション”最終日の69年1月31日のレコーディング。 テイク27(CD4-12)がマスターテイクになったが、この演奏はその後の最終テイク。 映画『レット・イット・ビー』の演奏はこの最終テイクのシーンが使われている。 プレストンのオルガンがバック・コーラスの替わりに演奏されている。 因みに『レット・イット・ビー...ネイキッド』で聴けるリード・ギターはこのテイクを使用している。
1ヶ月続いた“ゲット・バック・セッション”はこの演奏で幕を閉じるのであった。



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