『リボルバー』スペシャル・エディション

revolver スペシャル・エディション

ビートルズ『リボルバー』スペシャル・エディションが遂に発売!



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[CD 2] リボルバー セッションズ1

66年4月6日から6月21日の3ヶ月半かけて行われた先行シングル2曲のレコーディングを含むリボルバー・セッション。
セッションズ1は4月20日までのセッション前半。「レイン」における通常のテープ・スピードのレコーディングは必聴!

尚、2CDのデラックス・エディションにも収録されているものは*表記している。



1. トゥモロー・ネバー・ノウズ(テイク1)   [3:32] *

リボルバー・セッションの初日、66年4月6日にレコーディングされたマークⅠと呼ばれていたファースト・テイク。 2小節のテープループ、レスリー・スピーカーを通したリンゴのドラム、ギター、ファズ・ギターを伴奏に、ジョンがレスリー・スピーカーを通してボーカルを録音してる。


2. トゥモロー・ネバー・ノウズ(モノ・ミックス RM11)   [3:05]

4月6日にリメイクされたトゥモロー・ネバー・ノウズのテイク2に、翌日メンバー4人が自宅で作ってきたテープ・ループをダビングし曲は完成している。 4月27日に11種類のモノ・ミックスを作成していたジョージ・マーティンは、最後のRM11をマスターに決めていた。 ところが土壇場でマーティンの気が変わり、RM8を最終マスターに変更する事になったのだが、このRM11がアルバム発売当初出回っており、マニアのコレクターアイテムになっている。
マスターのRM8よりも全体的にテープ・ループが若干大きめ。また、間奏の逆再生ギター・ソロがRM8はADTでダブルになっているが、こちらは通常のシングルまま。


3. ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(ファースト・ヴァージョン / テイク5)   [4:10] *

66年4月7日にレコーディングされたこの曲の最初のバージョン。 冒頭、歌いだしのタイミングについてジョンとポールの会話が聞こえる。
リンゴはドラム、ポールはオルガン、ジョージはアコースティックギター、ジョンはパーカッションを演奏している。 ポールのリード・ボーカルに、ジョンとジョージがハーモニーを歌う、とてもクールなバージョンである。


4. ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(セカンド・ヴァージョン / アンナンバード・ミックス)   [2:36]

翌日の4月8日にリンゴのドラム、ポールのベース、ジョンのリズム・ギター、ジョージのリード・ギターという編成でこの曲のリメイクを始めた。 その時のセッションにおけるナンバー無しの演奏がこのトラックで、完成版に近いテイストになっている。 ポールはリード・ボーカルを歌い、ジョンとジョージがコーラスをつけている。 後にホーンのパートになるジョージのファズ・ギターも聴こえる。
この日の最終テイク8がマスター・テイクとなった。


5. ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(セカンド・ヴァージョン / テイク8)   [2:42]

1ヶ月以上たった5月18日に3本のトランペットと2本のテナー・サックスをオーバ・ダビングしたテイク8の演奏。 生き生きとしたホーンが聴ける。 その後リダクションし、ポールのダブル・トラックのリード・ボーカルとジョージのタンバリンが録音されて完成している。


6. ラヴ・ユー・トゥー(テイク1)   [2:40]

66年4月11日のテイク1。
冒頭、「グラニー・スミス、テイク1」と言うエンジニアのジョフ・エメリックの声が聞こえるが、当初この曲のタイトルはジョフ・エメリックが好きなリンゴの品種名が付けられていた。 ジョージはアコースティックギターを弾きながらリード・ボーカルを歌い、ポールはサビの高音ハーモニーを担当している。


7. ラヴ・ユー・トゥー(アンナンバード・リハーサル)   [1:35]

最近発見された4月11日夜のリハーサル。 ジョージのシタールとポールのタンプーラだけの演奏シーン。メロディを確認するようなジョージの鼻歌がところどころ聴こえる。 キーはテイク1より1音低い完成版と同じCマイナーになっている。


8. ラヴ・ユー・トゥー(テイク7)   [2:55] *

4月13日にジョージのボーカル、ポールのコーラス、リンゴのタンバリンが追加されたテイク7。 「グラニー・スミス、テイク7」と声が聞こえるので、この時点でもジョージはまだタイトルを決めていなかったようだ。 このテイク7を元にマスターテイクが作られるが、ここでは最終ミックスで削除されたポールのハーモニーを聴くことができる。


9. ペイパー・バック・ライター(テイク1&2 / バッキング・トラック)   [3:38]

66年4月13日にレコーディングされたペイパー・バック・ライターのバッキング・トラック。 リンゴのドラム、ジョンのリズム・ギター、ポールのリード・ギター、ジョージのタンバリンという編成。
テイク1は途中で中断し、テイク2でベーシック・トラックは完成している。 その後、このテイク2にリード・ボーカルとコーラス、ベース、追加のリード・ギターをダビングしている。


10. レイン(テイク5 / アクチュアル・スピード)   [2:38]

66年4月14日にレコーディングされたテイク5。このセッション1における最大の聴きどころ。

最初から後でテープ速度を遅くする前提でレコーディングされたため、リリースされたものより随分スピードが速く、音程も1音半高いBフラットになっているテイク5。 リンゴ自身がベスト・プレイと絶賛しているように、このハイ・スピードのドラムは何かに憑りつかれたかのようで、驚異的としか言えない。

このテイク5は、リンゴのドラムとジョンとポールのギターがこの速度で録音され、その後に同じ速度でポールのベースもオーバー・ダビングしている。 なのでベースも凄まじい速さでプレイされた事が判る。


11. レイン(テイク5 / スローダウン・フォー・マスター・テープ)   [3:12]

テイク5のテープ速度を下げてリリースされたものと同じ速度にしたもの。 この速度でジョンのリード・ボーカルをダブルトラックでオーバ・ダビングしている。 テープ速度を遅くした理由についてジョージ・マーティンは「リンゴのタムは洞窟っぽい響きになった」と話していたという。
最終的にカットされたジョンの2つ目のリード・ボーカルが左から聴こえる。


12. ドクター・ロバート(テイク7)   [2:59] *

66年4月17日にレコーディングされたテイク7。 リンゴのドラム、ジョンのリズム・ギター、ジョージのリード・ギターとマラカス、ポールのベース、ジョンのハーモニウムという編成。 ジョンのリード・ボーカルにポールがハーモニーを歌う。 ミドルでは3人のコーラスが聴ける。
まだ編集前なのでミドルが3回演奏されいているが、最終的に最後の部分はカットされている。


13. アンド・ユア・バード・キャン・シング(ファースト・ヴァージョン / テイク2)   [2:29] *

66年4月20日にレコーディングされたファースト・バージョン。 キーはリリースされたバージョンより1音低いDメジャー。 リンゴのドラム、ジョンのリズム・ギター、ポールのベース、ジョージのリード・ギター・リフという編成で、リード・ギター・リフとタンバリンがオーバーダビングされている。 ジョンがリード・ボーカルを歌い、ポールがハーモニーをつけている。 サビのジョンのボーカルはダブル・トラック。


14. アンド・ユア・バード・キャン・シング(ファースト・ヴァージョン / テイク2 / ギグリング)   [2:57]

前曲の13の空きトラックにジョンとポールの追加ボーカルをオーバーダビングしたもの。今回のミックスでは13の最初のボーカルはカットされている。
2人はこらえながらも途中で噴き出しゲラゲラ笑っている。 最後は口笛を吹きながら「OK、OK」という声が聴こえる。 最初のボーカルとこの追加のボーカル両方がミックスされているのが『ビートルズ・アンソロジー2』に収録されている。


[CD 3] リボルバー セッションズ2

66年4月26日から6月21日までのリボルバー・セッションの後半。
今までの定説を覆す「イエロー・サブマリン」の初期テイク。 ずっとポールの単独作品だと思われていたが、初期のヴァースはジョンが書いた物悲しいフォーク・ソングだった!



1. アンド・ユア・バード・キャン・シング(セカンド・ヴァージョン / テイク5)   [2:20]

66年4月26日にリメイクされたテイク5。キーは完成版と同じEメジャーに上げられている。
ドライブ感たっぷりのリンゴのドラム、ポールのベース、ジョンのリズム・ギター、ジョージのリード・ギターという編成。 ジョンのリード・ボーカルと、ポールとジョージのハーモニーがオーバーダビングされている。 少しテンポが遅く、間奏とエンディングでは3人の「アー」というコーラスが入っている。


2. タックスマン(テイク11)   [2:37] *

66年4月21日にレコーディングされたテイク11。 アルバムのオープニングを飾る冒頭のカウントは既に入っている。
ジョージのリード・ボーカルとポールのハーモニーが左右からダブルトラックで聴こえる。 後にカットされた2回目のヴァースのギターカウンターと、ジョンとポールの「Anybody got a bit of money?(誰か金持ってない?)」のバックコーラスが入っている。 エンディングはジョージとポールの「タックスマーン!」の歌で自然終止する。

マスターテイクはこのテイク11をリダクションし、リンゴのカウベルが追加され、「Anybody got a bit of money?」のバックコーラスを「Ha Ha Mister Wilson(おやおや、ミスター・ウィルソン)」「Ha Ha Mister Heath(おやおや、ミスター・ヒース)」に差し替えている。 更にエンディングの「タックスマーン!」を止めて間奏のギターソロを追加編集して完成している。 そのため、ジョージは「And you're working for no one but me」の歌詞の最後の「me」を5月16日に追加レコーディングしている。


3. アイム・オンリー・スリーピング(リハーサル・フラグメント)   [0:48]

ジョンのアコースティックギター、リンゴのドラム、ポールのヴィブラフォンの演奏によるリハーサル。 ベース・ラインをなぞるヴィブラフォンの響きが印象的。
既に曲の気だるいイメージは掴んでいるようだ。


4. アイム・オンリー・スリーピング(テイク2)   [2:28] *

66年4月27日のレコーディング。ジョンがアコースティックギターを弾きながらリード・ボーカルを歌い、ポールがベースを弾きながらハーモニーをつけている。 ジョージはエレキ・ギター、リンゴはタンバリンを叩いている。 最後にジョージとジョンのギターについての会話が聞こえる。 この曲の最初のテイクは『ビートルズ・アンソロジー2』に収録されている。


5. アイム・オンリー・スリーピング(テイク5)   [2:43]

ジョンがアコースティックギター、リンゴがドラム、ポールがベースを演奏しているテイク5のバッキング・トラック。 最終的にテープ・スピードを落とす予定だったので、少しテンポが速い演奏だ。 その後4月29日にボーカル・コーラスをダビングしたテイク11がリダクションされ、最後にジョージの逆再生ギターを追加してマスターテイクが作られる。


6. アイム・オンリー・スリーピング(モノ・ミックス RM1)   [3:07]

66年5月12日、米国キャピタル・レコードの要請でアメリカ編集アルバム『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に収録するために作成されたモノ・ミックス。 ジョンのあくびの直前に従来のモノ・ミックスには無い逆再生リード・ギターが挿入されている。 エンディングではベース、アコースティックギター、ドラムの音が消え、逆再生リード・ギターのみがフェイドアウトしている。
リボルバー用のモノ・ミックスが作られたのは、1ヶ月後の6月6日だった。


7. エリナー・リグビー(スピーチ・ビフォー・テイク2)   [2:11]

66年4月28日、ストリングスの演奏についての会話。
ヴィブラートを付けない方が良いか、付けた方が良いかというやり取りが聴こえる。 試しにヴィブラートを付けない演奏とヴィブラートを付けた演奏を聴かせるが、ジョージ・マーティンに違いがわかるかと聞かれたポールは「いや、あんまり…」と素っ気なく答えている。
その後、ミュージシャンたちはヴィブラートを付けない方が良いという結論になり、マーティンはヴィブラートの幅は極力狭くするようにと指示している。


8. エリナー・リグビー(テイク2)   [2:20] *

話し合いの後に演奏されたテイク2。 冒頭、「ピッチが遅いと思ったらストップをかけてほしい」とマーティンがポールに話す声が聞こえる。
マスター・テイクではないが、4つのトラックに録音されたヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが綺麗に聴こえる。 ヒッチコック監督の映画『サイコ』のテーマに触発されたマーティンが書いたストリングスアレンジは、当時ジェーン・アッシャーの影響でヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲『四季』第4番「冬」の第1楽章に感銘を受けていたポールの意見も取り入れている。
この日、最終的にマスターになったテイク14の演奏は『ビートルズ・アンソロジー2』で聴く事が出来る。


9.フォー・ノー・ワン(テイク10 / バッキング・トラック)   [2:23] *

66年5月9日にレコーディングされたテイク10。まだボーカルを追加する前のポールとリンゴ2人による演奏。 リンゴのドラムとポールのピアノによる演奏に、ポールのクラヴィコードとリンゴのマラカス&シンバルをオーバーダビングしたクラシカルなバッキング・トラックである。


10. イエロー・サブマリン(ソングライティング・ワーク・テープ / パート1)   [1:04]

今回のスペシャル・エディション1番のサプライズ。
「僕の生まれた場所では、誰も気にしなかった、誰も気にしなかった」とジョンがアコースティックギターを弾きながら物悲しく歌っている。 このディランの「マイ・バック・ページズ」のようなフォークソング調のデモを聴くと「イエロー・サブマリン」のヴァースはジョンが書いたものだった事がわかる。


11. イエロー・サブマリン(ソングライティング・ワーク・テープ / パート2)   [4:42]

ジョンのヴァースにポールのサビを加え、2人で歌詞を仕上げていく様子がわかるリハーサル。
お馴染みのコーラスは聴けるものの、完成版とは程遠いアコースティックギターをバックにしたフォーク・ソング調である。 サビのハーモニーに“Look out(気をつけろ)”、“Get down(出ていけ)”と合いの手が入っている。
途中「さあみんな、おふざけはここまでだ」とジョージ・マーティンの物まねをするポールの声が聴こえる。


12. イエロー・サブマリン(テイク4・ビフォー・サウンド・エフェクツ)   [2:23] *

66年5月26日にレコーディングされた11テイク中のテイク4。 効果音が加えられる前のマスター・テイクで、リンゴのドラム、ポールのベース、ジョンのアコースティックギター、ジョージのタンバリンという編成。 リンゴのリード・ボーカルにジョン、ポール、ジョージによるバック・コーラスがダブル・トラックでオーバーダビングされている。
最終的にテープ速度を遅くしているので、ここでのリンゴのボーカルは少し甲高く聴こえる。


13. イエロー・サブマリン(ハイライテッド・サウンド・エフェクツ)   [3:03]

5月27日に追加録音されたハンド・ベルやモーター音などの様々な効果音を全て使ったサウンド・エフェクトをフィーチャーしたミックス。 冒頭のリンゴが語るパートはジョンが書いた詩で、イエロー・サブマリンを見るために行進する様子を描写している。
波の音は風呂桶に水を張って鎖でぐるぐる搔きまわして作られている。 間奏2小節のブラスバンドはEMIスタジオのライブラリテープが使われたそうだ。 後半にはロード・マネージャーのマル・エヴァンスが叩くバスドラが聴こえる。


14. アイ・ウォント・テル・ユー(スピーチ&テイク4)   [1:24] *

冒頭、ジョージ・マーティンが曲のタイトルを尋ねるとジョンが「グラニー・スミスのしょーもないパート2」と冷やかすと、ジョージが「テル・ユーだ!」と答えている。 リンゴのドラム、ジョージのリード・ギター、ポールのピアノ、ジョンのタンバリンによる編成。 演奏を中断したジョージが「ちょっと、テープを巻き戻す?」と聞くとマーティンは「いや、大丈夫だ」と言っている。


15. ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア(テイク6)   [2:29] *

66年6月14日、この曲のレコーディング初日、完奏された2テイクのうちの1つのテイク6。ポールがリズム・ギターを弾きながらリンゴのドラムをバックに歌っている。 後から追加されたポールのベースと、サビとエンディングに聴こえるジョージのリード・ギターも入っている。 その後、この日の最終テイク13がマスターテイクになっている。


16. シー・セッド・シー・セッド(ジョンズ・デモ)   [1:10]

ジョンのアコースティックギターの弾き語りホーム・デモ。 LSD体験中、俳優のピーター・フォンダの言葉を元に作ったため、「she said」ではなく「he said」と歌っている。そのため「おかげでズボンが破れた気分になる」という歌詞である。


17. シー・セッド・シー・セッド(テイク15 / バッキング・トラック・リハーサル)   [3:24] *

66年6月21日に行われたテイク15のバッキング・トラック。西ドイツから始まる世界ツアーの3日前、日本公演の1週間前である。 編成はリンゴのドラム、ポールのベース、ジョンのリズム・ギター、ジョージのリード・ギター。
「ここまで来たよー、ミスタ・スターキー!」と陽気なリンゴの声や「行こう!最後のトラック!このままで行こう!」というジョンの興奮した声も聴こえるメンバーたちの和やかな雰囲気の冒頭リハーサル部分はテイク3から。 このテイク15はマスター・テイクとなったバッキング・トラックであるが、ハモンド・オルガンや追加のリード・ギターはまだ入っていない。



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