ウルトラマン

第1話

ウルトラ作戦第一号 次話

怪光放つ謎の球体に遭遇したハヤタの運命は!?

脚本

関沢 新一

金城 哲夫

監督

円谷 一

技術監督

高野 宏一

放送日

昭和41年7月17日

視聴率

34.0%

ナレーター

石坂 浩二

ロケ地

福島県猪苗代湖

山梨県河口湖

神奈川県三浦半島剣崎

登場怪獣

ベムラー

キャスト

ムラマツ隊長

小林 昭二

ハヤタ隊員

黒部 進

アラシ隊員

石井 伊吉

イデ隊員

二瓶 正也

フジ・アキコ隊員

桜井 浩子

ホシノ・イサム少年

津沢 彰秀

埼玉県警警邏巡査

久仁 博士

渡辺 晃三

制作№

5

ストーリー

青い球体

青い球体

パリを本部とする国際科学機構の日本支部に、科学特捜隊という5人の隊員たちがいた。 彼らは怪事件や異変を専門に捜査し、宇宙からのあらゆる侵略から地球を防衛する重大な任務を持っていた。

 深夜の竜ヶ森湖、怪光を発する青い球体と赤い球体がマッハ2のスピードで次々と飛来した。 小型ビートルでパトロール中の科学特捜隊員のハヤタは青い球体を発見する。

湖畔では多くのキャンパーたちがキャンプを楽しんでいた。 ハヤタが追っていた青い球体が閃光を発しながら湖に着水すると、そのまま水中へ沈んでいく。

湖に沈む球体を見届けたハヤタが機体を上空に向けたその瞬間、突如出現した赤い球体と正面から激突!
キャンパーたちが見つめる中、ビートルは赤い球体と共に墜落、大爆発を起こしてしまう!!

赤い球体内での宇宙人

赤い球体内での宇宙人

埼玉県警から飛行物体が墜落したとの通報を受けた科学特捜隊本部。 指令室から通信するフジの必死の呼びかけも虚しく、ハヤタからの応答は無い。 「彼でなければいいのだが…」 指令室は一気に緊迫し、ムラマツキャップ、アラシ、イデの3隊員は出動した。

一方、ビートルが炎上する事故現場。 墜落時に機外へ放り出されたハヤタの遺体は、宙に浮くと赤い球体に包まれた!?
そこでハヤタはM78星雲から来たという巨大な宇宙人と対峙していた。 宇宙人は凶悪な宇宙怪獣ベムラーを宇宙の墓場へ護送中に脱走され、それを追って地球にやって来たという。 そして自分の過失でハヤタを死なせてしまった代償に自分の命を与える事、一心同体となって地球の平和を守る事を誓った。 宇宙人はハヤタにベータカプセルを渡す。「困ッタ時ハコレヲ使ウンダ。ソウスルト…」「そうするとどうなる?」「ハハハ、心配スルコトハナイ…」 赤い球体は爆音と共に大爆発を起こした。

「今の爆発音は何だ!?」ムラマツらが竜ヶ森湖へ到着、炎上するビートルの機体を見た一同はハヤタの生存は絶望的だと悟った。 しかし遺体が無い事、キャンパーたちの目撃情報から一縷の望みを持ち捜索を続ける事に。

湖から姿を現したベムラー

姿を現したベムラー

翌朝。ハヤタの捜索が難航する中、本部のフジからハヤタを見つけてほしいと連絡が入った。 ハヤタを慕うホシノ・イサム君も心配しているという。
その時、湖の湖面が怪しく光った! 青い閃光を発しながら波立つ湖。宇宙怪獣ベムラーがその巨大な姿を現したのだ。 ムラマツたちがスーパーガンを撃ち込むとベムラーは再び湖の中へ姿を消してしまう。

「元気かね、アキコ隊員」「ハヤタ隊員!」突然ハヤタから指令室へ連絡が入り、安堵するフジとホシノ君。 「特殊潜航艇S-16を竜ヶ森湖のYマーク地点へ置いてほしい」 ハヤタの指示で急遽フジは竜ヶ森湖へ向かった。

ベムラーに捕まったS-16

ベムラーに捕まったS-16

フジが乗ったビートルは湖に着水すると特殊潜航艇S-16を切り離した。 フジの到着でハヤタ生存を知ったムラマツ。そこにボートに乗ってYマーク地点へ向かうハヤタの姿が現れた。 「今まで一体どこにいたんだ。どうやってビートルから助かったんだ」 「彼が助けてくれたんです。そんなことよりベムラーをやっつける事が先です」 ハヤタから湖底にいる怪獣がベムラーだという事、ベムラーを湖底と空中から両面攻撃する事を提案される。
「よし、わかった」 ハヤタは潜航艇S-16に、ムラマツらはフジのビートルに乗り込んだ。

「ウルトラ作成第一号!砲撃開始!」ムラマツの力強い掛け声を合図に総攻撃が始まった。
水空両面攻撃で湖底に潜むベムラーを追い込む。 作戦は成功したかに思えたが、ハヤタが乗ったS-16艇がベムラーに捕まってしまう! この危機にハヤタはベータカプセルに手をかけた。

ついにベムラーを撃退!

必殺のスペシウム光線

赤い閃光と共にハヤタの身体は銀色に輝く巨大宇宙人に変身した!!
科学特捜隊が見守る中、宇宙人とベムラーの戦いが繰り広げられる。 激しい闘いが続くと宇宙人の胸のランプが赤く点滅を始めた。 地面に叩きつけられたベムラーは青い球体に変わり逃亡を図るが、宇宙人はすかさず腕から光線を発射! 青い球が大爆発を起こすと宇宙人は空の彼方へ消えて行った。

合流したハヤタは宇宙人に命を助けられた事、宇宙人は再び現れる事を科学特捜隊の仲間達に語った。 宇宙人の名前を聞かれたハヤタは『ウルトラマン』と命名した。

解説

ベムラー

昭和41年、この年の1月から始まった日本初の特撮ドラマ『ウルトラQ』の後番組として、同年7月17日に放送されたウルトラマンのシリーズ第1話。 奇想天外な物語が幕を開けた。

脚本は東映映画『キングコング対ゴジラ』、『モスラ』などを手掛けた関沢新一と、関沢を師匠と仰ぐ金城哲夫の子弟コンビ。 後の『ウルトラセブン』の中心的脚本家になる金城は当時まだ27歳だった。

監督は円谷英二の長男、円谷一。彼はTBSのディレクターだった。技術監督に円谷英二の一番弟子、高野宏一という万全の布陣で臨んだ。

制作№は5作目。特撮番組の収録に慣れたためか、出演者たちの演技も自然で鉄壁のチームワークを見せている。

さて、ウルトラマンの企画段階ではカラス天狗のような姿の怪獣を主人公にした「科学特捜隊ベムラー」という企画書で検討されていた。 その後、よりウルトラマンのイメージに近い「レッドマン」へと企画内容が変わっていくが、この最初のキャラクター名を第1話登場の怪獣名にした経緯がある。

赤い球体の中でウルトラマンとハヤタが会話する場面、本編のみならず、シリーズの中でも最も重要なシーンである。

怪獣データ

ベムラー

ベムラー

英名:BEMULAR
別名:宇宙怪獣
身長:50m
体重:2万5千t
出身地:M35星
攻撃:口から吐く青色熱光線
アクター:荒垣 輝雄
デザイン:成田 亨
造形:小さな前肢と長い尾を持つ2足歩行の恐竜型。
顔は獅子前に酷似。

特徴: 宇宙の平和を乱す凶悪な無法者。
ウルトラマンが宇宙の墓場へ護送中に逃亡。
青い球体に変身し地球に飛来。竜ヶ森湖の湖底に潜伏する。

コメント: ウルトラシリーズ記念すべき初登場怪獣。
ベムラーという名前は、ウルトラマン企画段階での最初の主人公名だった。
この恐竜のような容姿、非常にかっこいい怪獣である。

ベムラー vs ウルトラマン

ベムラー vs ウルトラマン
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