基本データ
脚本
千束 北男
監督
飯島 敏宏
技術監督
的場 徹
放送日
昭和41年7月24日
視聴率
34.6%
ナレーター
石坂 浩二
ロケ地
川崎市長沢浄水場
東京都丸の内
登場怪獣
バルタン星人
キャスト
ムラマツ隊長
小林 昭二
ハヤタ隊員
黒部 進
アラシ隊員
石井 伊吉
イデ隊員
二瓶 正也
フジ・アキコ隊員
桜井 浩子
ホシノ・イサム少年
津沢 彰秀
防衛隊幕僚長
藤田 進
防衛隊幕僚
飯田 覚三
幸田 宗丸
防衛隊長
緒方 燐作
制作№
1
ストーリー
東京上空に強力な電波を発する物体が飛来したと防衛基地から科学特捜隊へ連絡が入った。 パリ本部からの報告では現在人工衛星を打ち上げている国は1つも無いという。 電波が消えた場所が御殿山の科学センターだと判明しアラシが現地へ向う頃、羽田発のジェット機がマッハ5の火の玉を見たという情報も入った。
アラシが運転する車中には、ちゃっかりホシノ少年も同乗していた。
科学センターに着いたアラシはホシノ君を車に残し、館内に入った。
鳴りっぱなしの電話、体が石のように硬直化した警備員、アラシの胸のボタンが警報音を鳴らす。
「ホシノ君、科学センターに異変が起こっていると本部に伝えてくれたまえ」
すると突然奇怪な生物がアラシの前に現れた! 大きなハサミから放たれた赤い怪光線を浴びたアラシは固まってしまった!!
科学センターは謎の宇宙人に占拠されていたのだ。
連絡が途絶えたアラシを救出すべくハヤタが駆けつけた。 館内で石のように硬直したアラシを発見。するとハヤタの目の前にまたしても謎の生物が出現、スーパーガンを放つと不気味な笑い声を残して消えてしまった。 「奇怪な奴らだ。一体何者だろう。ここは一旦退却したほうがよさそうだ…」
翻弄されるイデ
防衛会議が召集され、防衛隊、科学者、科特隊のムラマツキャップらが対策を練る。 意見を求められたムラマツは彼らと話し合う事を提案するも一蹴される。 防衛隊長は宇宙船の場所さえ判れば核ミサイル“ハゲタカ”を射ち込むのだが…と主張する。 「“ハゲタカ”で破壊できるという確信がお有りですか? もし最新兵器の“ハゲタカ”が通用しなかったらどうするんです?」 ムラマツの問いに弱腰だと批判が集中するも、他に有効な手立てが無いため、ムラマツ案が一応採用された。
万が一のため最新兵器“ハゲタカ”の発射準備が進められる中、謎の宇宙生物と話し合う大役を担ったイデ。 ハヤタ護衛の中、宇宙生物と対峙するがまともに会話できず。何体にも分身する宇宙生物に翻弄されパニックになってしまう! 宇宙生物はとても宇宙語を話せる状態にないイデを屋上に連れ出した。すると目の前にアラシが現れたではないか!?
巨大化するバルタン星人
「君ノ宇宙語ハワカリズライ。コノ男ノ脳髄ヲツカイ、君タチノ言葉ヲ使ウ」無表情のアラシは語り始める。
彼らは、発狂した科学者の核爆発により故郷のバルタン星を失った種族で、たまたま宇宙旅行中で難を逃れた生き残りが棲む場所を探している途中に地球の近くに立ち寄ったという。
宇宙船の重力バランスが故障し、修理に必要なダイオードがあったため、科学センターに来たという。
「友人や警備員の人々の生命を奪ったのは?」「生命? ワカラナイ。“セイメイ”トハ何カ?」
「君たちはこれから何をするつもりだ」「我々ノ旅ハコレデ終ワッタ。地球ハ我々ニトッテ住ミヨイ所ニナルダロウ」
20億3千万の同胞がミクロ化状態で宇宙船に眠っているのだ。
火星では駄目なのかというハヤタの問いに対し「火星ニハ我々ノキライナ…。ソレハ言エナイ」
遂に街の破壊を開始する
「話ハ終ワリダ。我々ハ地球ヲモラウ」と言ってアラシは倒れこんだ。
次の瞬間、巨大化したバルタン星人が出現。
屋上のハヤタに巨大なハサミを振りかざす!!
「スペシウムだ。火星にある物質とはそれなんだ」本部で会話を聞いていたムラマツは言った。
「地球にはないんですか」フジの問いに「あるいは彼ならば…」ムラマツは呟く…。
防衛隊による核ミサイル“ハゲタカ”が発射されバルタン星人に直撃する。 しかし脱皮するかのように復活、バルタン星人は東京の街の破壊を始めた。
難を逃れたハヤタであったが、ベータカプセルがビルの窓脇に落下。
決死のダイブによりベータカプセルを点火! ウルトラマンに変身!!
ウルトラマンとバルタン星人の空中戦が始まった。
スペシウム光線!
バルタン星人の攻撃をかわし地上に降りたウルトラマン。十字にクロスした腕から放たれた光線がバルタン星人に直撃!!
燃え落ちるバルタン星人。
「スペシウム光線ですね、キャップ!」本部ではムラマツ、フジらが歓喜する。
東京上空に透視光線を放ちバルタン星人の円盤を捉えたウルトラマン。そのまま円盤と共に空の彼方へ消えていった。
数秒後、一瞬空が朝焼けのように輝き、爆音が轟いた。
東京は再び平和な夜を取り戻したのであった。
豆知識
人気キャラクターのバルタン星人。 デザインは彫刻家の成田亨であるが、原案は小さなハサミだったようだ。 大きなハサミを提案したのは監督と脚本を手掛けた飯島敏宏のアイディアらしい。 バルタン星人という名前も飯島がヨーロッパの火薬庫だったバルカン半島から命名したそうだ。 飯島のバルタン星人に対する思い入れは強く、自身が再び監督と脚本を手掛けた第16話『科特隊宇宙へ』でもバルタン星人を登場させている。 そんな理由もあり、飯島はバルタン星人の生みの親と言われている。
謎の怪光線を浴びるアラシ