ウルトラマン

ウルトラマン

バルタン星人、レッドキング、ゴモラ…怪獣に夢中だったあの懐かしい日々。

子供の頃、東宝映画のゴジラは毎年夏のお楽しみだった。 テレビでは仮面ライダーやキカイダーなどの実写もの、マジンガーZやガッチャマンなどのアニメと、数々のヒーローに溢れていた。 その中でもウルトラマン・シリーズは別格だった。

昭和41年生まれの小生にとってリアルタイムで見ていたのは『帰ってきたウルトラマン』から。 幼少の頃から大のお気に入りだった『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は再放送を見ていたと思う。 特に好きだったのは『ウルトラマン』。 雑誌の付録や怪獣図鑑を見ながら空想を膨らましていた。

今回、このウルトラ・シリーズの原点である初代ウルトラマンについてまとめてみた。 HPを作成するにあたり、作品をあらためて見てみたが、とにかくバラエティに富んだストーリーが楽しい。 世代と時代を超越した普遍性、半世紀以上たった今なお大きなな魅力を放ち続けているのである。

PS. ウルトラセブンも思い入れが深い作品なので、また別の機会で取り上げたいです。

監修

円谷 英二

プロデューサー

三輪 俊道(TBS)

未安 昌美

市川 利明

スタッフ(本編)

撮影

内海 正治

福沢 康道

照明

山口 健治

高島 利雅

美術

岩崎 致躬

音楽

宮内 国郎

録音

キヌタ・ラボ

効果

西本 定正

編集

近藤 久

柳川 義博

助監督

大平 隆

東条 昭平

鈴木 俊継

制作担当

熊谷 健

斉藤 正明

高木 浩史

萩原 武

照明助手

大石 弘一

小田 勝之

大道具班長

水上 岩雄

伊藤 長三郎

大道具組付

中村 金雄

小道具

畠山 勝信

衣装

大塚 一郎

結髪

田口 世里子

編集助手

小倉 昭夫

泉 典彦

小林 昌

記録

武井 篤子

制作デスク

新野 悟

制作進行

太田 勝正

梅本 正明

スタッフ(特撮)

撮影

佐川 和夫

鈴木 清

照明

小林 哲也

美術

成田 亨

大瀬 真一

光学撮影

中野 稔

助監督

山本 正孝

大木 淳

制作担当

上村 宏

久東 晃

監督助手

円谷 粲

城 健友

撮影助手

稲垣 涌三

中堀 正夫

北岡 隆

笹原 美郎

照明助手

安藤 正則

幸村 寿郎

大平 由男

小池 一三

美術助手

深田 達郎

山崎 裕久

石川 弘

鈴木 圭介

機電

倉方 茂雄

操演

沼里 貞重

中島 徹郎

光学助手

野村 尚宏

石塚 昇

兵頭 文造

樋口 誠吾

作画

平田 佳子

川名 敏之

佐々木 圭子

記録

鈴木 徳子

浦島 邦江

制作進行

松尾 映郎

宇根本 工

ウルトラマン誕生まで

フジテレビは昭和37年頃から映画界の円谷英二をテレビ界に引っ張り出せないか、特撮番組を検討していた。 当時、円谷英二は特撮の神様と言われ、『ゴジラ』(昭和29年東宝)以来、海外にもその名は轟いていた。
昭和38年4月に発足した円谷プロは、フジと極秘で日本初のSFテレビ番組『Woo』を企画・検討していた。 宇宙からやってきた謎の生物が人間と協力して怪事件、怪獣、宇宙人などと戦う、というのが『Woo』の基本設定だった。
星新一らが所属するSF作家クラブと円谷プロが参加した『Woo』、シナリオは8話まで完成し撮影スタッフも決まっていたが、土壇場でフジとの契約がまとまらず昭和39年4月に制作中止となってしまう。

実は円谷プロは昭和38年の夏頃からTBSテレビからも特撮番組制作を打診されていた。 翌年の1月には『アンバランス』という題名まで決定し、再びSF作家クラブとともにシナリオ制作が進められる。 その年の8月、番組の制作が正式に決定、9月27日から撮影が開始された。記念すべき最初の撮影は金城哲夫が書いた『マンモスフラワー』。番組制作は順調に進んでいく。
平和な日常のバランスが崩れたアンバランス・ゾーンにおける奇怪な事件の数々を解決していくストーリーは、4作目の撮影からTBSの要望で怪獣を登場させるように方針転換され、タイトルも『ウルトラQ』に変更された。
(怪獣を登場させる事に円谷英二は躊躇していたそうで、出演者の櫻井浩子さんは当時そうとう悩んでいた円谷を近くで見ていたとの事)

『ウルトラQ』は1年3か月かけて28話が作られた。そして昭和41年1月2日より放送が開始され、日本中に怪獣ブームが巻き起こるのだった。

円谷プロとTBSは『ウルトラQ』の撮影が終了する頃、昭和40年の暮れから次の企画の検討を始める。 制作中止になった『Woo』を原案に改訂を重ね、新企画として『ベムラー』が考案された。 謎の宇宙生物ベムラーが50メートルの巨大なモンスターとなり、人類とともに平和を乱す外敵と戦う、という設定だった。 その後、主人公が怪獣からやや人間に近い『レッドマン』に変更され、遂に空想特撮シリーズ第2弾として制作が正式決定した。

タイトルは『ウルトラマン』 - 昭和41年3月22日の事だった。

円谷英二のこだわり

円谷英二は、まだTBSと特撮番組制作の検討中の昭和39年に、世界に2台しかなかったアメリカのオックスベリィ社のオプティカル・プリンターを注文してしまった。 当時の日本円で4千万円もする光学合成撮影機の購入資金が無かった円谷プロは慌てて注文のキャンセルを連絡するが、既に出荷済みであった。 買い取り手探しに奔走した結果、TBSの特殊撮影室に引き取られ、その後『ウルトラQ』『ウルトラマン』制作に使われる事になるのだ。

通常テレビの撮影は16mmフィルムが使われるが、「16mmでは特撮は撮れない」という円谷英二の主張により『ウルトラQ』は白黒ながら劇場映画用の35mmフィルムで撮影し、16mmに縮小された。 『ウルトラマン』は高価なカラーフィルムの費用を抑えるために本編や特撮シーンは16mm、合成シーンのみ35mmで撮られた。

しかし、不慣れなカラー番組制作に手間取り撮影は難航、いっさい妥協しない円谷英二は気に入らない特撮シーンは撮り直し、費用もかさんでいった。 すべての撮影が終わってから放送された『ウルトラQ』とは違い、撮影と放送が平行で進められた『ウルトラマン』は、撮影が間に合わない理由により3クール39話で終了する事になる。
第1クールは1話から13話、第2クールは14話から29話、第3クールは30話から39話である。ウルトラマンのスーツとマスクはクール毎に新調された。

ウルトラマンその作品世界

さて、出来上がった作品世界はどのようなものだったのか。
時代設定は近未来。怪事件を専門に扱う国際警察機構“科学特捜隊”日本支部の隊員たちと、偶然(そして劇的に)遭遇した謎の宇宙人の活躍を描いたSF活劇である。 舞台設定として怪獣や宇宙人の“存在”は認知されている(但し26話、27話の『怪獣殿下』は例外)。
科学特捜隊本部や研究室、商用施設などのシーンが多いせいか、今見てもあまり時代を感じさせない映像は見事。 フラッシュビームの閃光の中で40メートルの巨大な姿に変身し、怪獣や宇宙人と格闘する圧倒的な音と映像!!
故郷を失い新たな居住地を地球に決めたバルタン星人が街を破壊する『侵略者を撃て』、 オイリス島調査団員が次々と怪死していく『ミロガンダの秘密』、 ノアの神に守られているという伝説の街『バラージの青い石』、 恐竜の魅力に憑りつかれたモンスター博士の狂気『謎の恐竜基地』、 科特隊とウルトラマンの信頼失墜を目論むザラブ星人の巧みな罠『遊星から来た兄弟』、 地中から発見されたカプセルは3億年以上昔のものだという『悪魔はふたたび』、 巨大彗星の超接近で紛失した水爆に危機が迫る『怪彗星ツイフォン』、 サトル君の心を揺さぶるメフィラス星人の誘惑『禁じられた言葉』、 1話完結のストーリー、そのバラエティに富んだ多彩な内容は他の追随を許さない!!
単なる怪獣退治で終わらない『故郷は地球』、『まぼろしの雪山』、『怪獣墓場』、『小さな英雄』は不思議な余韻を残すもので、この4作品はシリーズの中でも重要な意味を持っている。
そして最大のメインテーマとも言える「宇宙人と人間の友情」は、第1話と最終回で見事に集約されている。
世界初の本格特撮SFテレビ番組、あなたにとってどのような存在だったのだろうか。

No タイトル 制作順 監督 脚本 技術監督 登場怪獣・宇宙人 放送日 視聴率
1 ウルトラ作戦第一号 5 円谷一 関沢新一,金城哲夫 高野宏一 ベムラー 1966/07/17 34.0%
2 侵略者を撃て 1 飯島敏宏 千束北男 的場徹 バルタン星人 1966/07/24 34.6%
3 科特隊出撃せよ 3 飯島敏宏 山田正弘 的場徹 ネロンガ 1966/07/31 33.6%
4 大爆発5秒前 7 野長瀬三摩地 南川竜 高野宏一 ラゴン 1966/08/07 29.5%
5 ミロガンダの秘密 2 飯島敏宏 藤川桂介 高野宏一 グリーンモンス 1966/08/14 29.6%
6 湾岸警備命令 8 野長瀬三摩地 山田正弘 高野宏一 ゲスラ 1966/08/21 34.9%
7 バラージの青い石 4 野長瀬三摩地 南川竜,金城哲夫 高野宏一 アントラー 1966/08/28 34.0%
8 怪獣無法地帯 6 円谷一 金城哲夫,上原正三 高野宏一 レッドキング 他 1966/09/04 36.6%
9 電光石火作戦 9 野長瀬三摩地 山田正弘 高野宏一 ガボラ 1966/09/11 39.5%
10 謎の恐竜基地 11 満田かずほ 金城哲夫 高野宏一 ジラース 1966/09/18 39.0%
11 宇宙から来た暴れん坊 10 満田かずほ 宮田達男 高野宏一 ギャンゴ 1966/09/25 30.1%
12 ミイラの叫び 12 円谷一 藤川桂介 円谷一 ドドンゴ 他 1966/10/02 37.6%
13 オイルSOS 13 円谷一 金城哲夫 円谷一 ぺスター 1966/10/09 38.3%
14 真珠貝防衛指令 15 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 ガマクジラ 1966/10/16 37.8%
15 恐怖の宇宙線 14 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 ガヴァドン 1966/10/23 37.4%
16 科特隊宇宙へ 17 飯島敏宏 千束北男 高野宏一 バルタン星人 1966/10/30 38.9%
17 無限へのパスポート 16 飯島敏宏 藤川桂介 高野宏一 ブルトン 1966/11/06 36.0%
18 遊星から来た兄弟 19 野長瀬三摩地 南川竜,金城哲夫 高野宏一 ザラブ星人 他 1966/11/13 39.8%
19 悪魔はふたたび 18 野長瀬三摩地 山田正弘 高野宏一 アボラス 他 1966/11/20 36.8%
20 恐怖のルート87 20 樋口祐三 金城哲夫 高野宏一 ヒドラ 1966/11/27 39.0%
21 噴煙突破せよ 21 樋口祐三 海堂太郎 高野宏一 ケムラー 1966/12/04 36.5%
22 地上破壊工作 23 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 テレスドン 1966/12/11 38.0%
23 故郷は地球 22 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 ジャミラ 1966/12/18 38.2%
24 海底科学基地 24 飯島敏宏 藤川桂介 高野宏一 グビラ 1966/12/25 35.8%
25 怪彗星ツイフォン 25 飯島敏宏 若槻文三 高野宏一 レッドキング 他 1967/01/01 35.7%
26 怪獣殿下(前篇) 26 円谷一 金城哲夫,若槻文三 高野宏一 ゴモラ 他 1967/01/08 37.5%
27 怪獣殿下(後篇) 27 円谷一 金城哲夫,若槻文三 高野宏一 ゴモラ 1967/01/15 37.0%
28 人間標本5・6 28 野長瀬三摩地 山田正弘 高野宏一 ダダ 1967/01/22 37.7%
29 地底への挑戦 29 野長瀬三摩地 南川竜,金城哲夫 高野宏一 ゴルドン 1967/01/29 36.1%
30 まぼろしの雪山 31 樋口祐三 金城哲夫 高野宏一 ウー 1967/02/05 39.9%
31 来たのは誰だ 30 樋口祐三 海堂太郎 高野宏一 ケロニア 1967/02/12 38.7%
32 果てしなき逆襲 32 鈴木俊継 藤川桂介 高野宏一 ザンボラー 1967/02/19 39.2%
33 禁じられた言葉 33 鈴木俊継 金城哲夫 高野宏一 メフィラス星人 他 1967/02/26 40.7%
34 空の贈り物 34 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 スカイドン 1967/03/05 33.9%
35 怪獣墓場 35 実相寺昭雄 佐々木守 高野宏一 シーボーズ 1967/03/12 37.2%
36 撃つな!アラシ 36 満田かずほ 山田正弘 高野宏一 ザラガス 1967/03/19 38.4%
37 小さな英雄 37 満田かずほ 金城哲夫 有川貞昌 ジェロニモン 他 1967/03/26 42.8%
38 宇宙船救助命令 38 円谷一 上原正三 有川貞昌 キーラ 他 1967/04/02 34.4%
39 さらばウルトラマン 39 円谷一 金城哲夫 高野宏一 ゼットン 他 1967/04/09 37.8%
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