ウルトラマン

第12話

前話 ミイラの叫び 次話

太古の眠りから覚めたミイラ人間の咆哮が呼ぶものとは!?

脚本

藤川 桂介

監督

円谷 一

技術監督

円谷 一

放送日

昭和41年10月2日

視聴率

37.6%

ナレーター

石坂 浩二

ロケ地

神奈川県長沢浄水場

東京都世田谷区瀬田隧道

東京都奥多摩工業

登場怪獣

ドドンゴ

ミイラ人間

キャスト

ムラマツ隊長

小林 昭二

ハヤタ隊員

黒部 進

アラシ隊員

石井 伊吉

イデ隊員

二瓶 正也

フジ・アキコ隊員

桜井 浩子

岩本博士

平田 昭彦

警備員

稲吉 靖

奥村 公延

警官

平松 慎吾

刑事

永谷 悟一

制作№

12

ストーリー

鬼岩大丘陵の洞窟からおよそ7千年前のものと思われるミイラと巨大な壁画が発見された。 驚くほど保存状態が良いミイラは、岩本博士による調査のため、ひとまず科学センターに収容された。

ミイラの念力で電撃が…

ミイラの念力で電撃が…

その夜、ミイラが安置されていた人けのない実験室。 突如、実験用の機械が勝手に動き出し、電撃がミイラに直撃する。 ミイラが念力で動かしたのだ! 電撃を受けたミイラは蘇り、警備員2人を殺し、夜の闇の中へ消えていった…。

ミイラが逃げたと思われる下水道入り口で警官2名が殺されたという知らせが科学特捜隊に通報され、隊員たちは現地へ向かった。 すでに現地入りしていた岩本博士は、あのミイラは生きていたんだと言う。 驚く隊員たちに、一種の冬眠状態だったと博士は説明した。 下水処理場の出口は全て包囲され、ミイラは追い詰められた。 ミイラを発見した場所に向かう隊員たちに、岩本博士は次のように告げる。 「待ってくれ。出来るだけミイラを生け捕るように。君たちの持っている新兵器で攻撃をかけたら、たとえミイラといえどもひとたまりもない。生け捕れば7千年の生命を保ち続けた謎も解ける。それを忘れないでくれ」

警官らを襲うミイラ人間

警官らを襲うミイラ人間

完全に警官隊に囲まれたミイラは必至に抵抗する。警官隊をなぎ倒し、眼から怪光線を発射。 次々と倒される警官隊。 ついに人命優先を決断したムラマツキャップは、アラシにスパイダーの発射を命じた。。 スパイダー・ショットの攻撃を受けたミイラは空に向かって断末魔の叫び声を上げ、その場に倒れこんだ。 「お前を発掘さえしなかったら、まだまだ眠りについていられたのに」ムラマツは呟いた。 「こいつは、きっと住み家へ帰ろうとしていたんですよ」とハヤタ。

その頃、鬼岩大丘陵の発掘現場が突如崩れ始めた。 そして山中から巨大な怪獣がその姿を現したのだ…! 怪獣出現の報告がフジから入り、隊員たちは本部からビートルで出動する。

鬼岩大丘陵から怪獣出現

鬼岩大丘陵から怪獣出現

ビートルの機内、フジはミイラが怪獣にテレパシーで呼んだのではと推測した。 それを聞いたハヤタは「キャップ、怪獣はミイラを助けるために現れたとは言えませんか」 神妙な面持ちになる一行。

鬼岩大丘陵に到着すると、そこには中国の想像上の生き物である麒麟にそっくりな怪獣が暴れていた。 眼からミイラと同じ怪光線を発射するため、うかつに近づくことは出来ない。

怪光線を防がない限り攻撃が難しいと判断した科特隊は地上攻撃に切り替える事にした。 イデの新発明、バリヤーマシンを装着したアラシは、怪獣の眼をスパイダーで攻撃し始めた。 怪獣の攻撃を見事に防ぐバリヤーマシン。 遂にアラシは怪獣の右眼を潰す事に成功するが、岩の爆発に巻き込まれて気絶してしまった。 今度はイデがスパイダーを発射、怪獣の両目は完全に塞がれた。 両眼を潰された怪獣はさらに暴れだし、隊員たちは危険な状態に!! その時ハヤタはベータカプセルを点火した。

ドドンゴに乗るウルトラマン

ドドンゴvsウルトラマン

怪獣の背中に飛び乗るウルトラマン! 必死に抵抗する怪獣であるが、最後はウルトラマンのスペシューム光線で地面に横たわった。 悲しげな鳴き声を上げながら、やがて動きを止める。ウルトラマンの勝利だ。

岩本博士がようやく現場にたどりついた。 「ムラマツ君、ついに怪獣も死んでしまったね…」 「申し訳ないことをしました。しかし、生かしておくと被害が重なるばかりで」 「発掘なんかしないで、1万年でも2万年でも眠らせてあげればよかったのに…」 フジの一言は隊員たちに複雑な思いを募らせた。

「おかしいなぁ、あいつ、本当にウルトラマンじゃないのかなぁ…」遠くで手を振るハヤタを見たイデの疑念は深まるばかりであった。

解説

脚本は『ミロガンダの秘密』(5話)以来となる藤川桂介。 監督は円谷一。本作と次作で円谷は特技監督も担当している。

藤川らしい古代の謎を題材にした緻密なストーリーは怪奇ものの中でも出色の出来。 円谷の演出、特撮も冴えている。

最後にウルトラマンが怪獣を倒したものの、素直に喜べず独特の余韻を残している。 倒された怪獣の哀れさを強調してそこにスポットを当てるのは初めての試みであるが、このパターンは第2クールでさらに掘り下げられる事になる。

尚、最後にイデがウルトラマンとハヤタの関係に疑いを持つが、その描写は本編が最後になった。

怪獣データ

ドドンゴ

ドドンゴ

英名:DODONGO
別名:ミイラ怪獣
身長:30m
体重:2万5千t
出身地:鬼岩大丘陵
攻撃:目から発射する怪光線
アクター:荒垣 輝雄、清野幸弘
デザイン:成田 亨
造形:中国の伝説上の生物麒麟に似た4足歩行の馬型。

特徴: 洞窟で眠っていたが、ミイラ人間の断末魔の叫びを聞いて7000年の眠りから覚醒。
テレパシーによりミイラ人間の指令を受ける。

コメント: 4足歩行の怪獣は数多くいるが、“馬型”はウルトラ怪獣の中でも珍しい。着ぐるみには前と後ろ2人が入る。

ミイラ人間

ミイラ人間

英名:MUMMY MAN
別名:ミイラ怪人
身長:2m
体重:110k
出身地:鬼岩大丘陵
攻撃:目から発射する怪光線
アクター:満月 英世
デザイン:成田 亨
造形:直立2足歩行の人型。

特徴: 鬼岩大丘陵の洞窟で7000年間眠り続けていたが、岩本博士により東京へ運ばれた。
洞窟に戻るため、念力により自ら電撃を浴びて復活。

ドドンゴ vs ウルトラマン

ドドンゴ vs ウルトラマン
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