基本データ
脚本
海堂 太郎
監督
樋口 祐三
技術監督
高野 宏一
放送日
昭和42年2月12日
視聴率
38.7%
ナレーター
浦野 光
ロケ地
東京都島根会館
東京都晴海埠頭
登場怪獣
ケロニア
キャスト
ムラマツ隊長
小林 昭二
ハヤタ隊員
黒部 進
アラシ隊員
石井 伊吉
イデ隊員
二瓶 正也
フジ・アキコ隊員
桜井 浩子
ゴトウ隊員
桐野 洋雄
二宮博士
中山 昭二
制作№
30
ストーリー
科学特捜隊南アメリカ支部の特派員だったゴトウ隊員が20年ぶりに日本支部に帰還した。
ゴトウが10歳の時、科特隊員である父と共に南米ボリビアに渡ったが、仕事中に亡くなった父に代わり隊員の見習から正規隊員に認められたのだった。
指令室で隊員たちにゴトウを紹介するムラマツ。
ムラマツがパイプに火をつけようとした時、ゴトウの顔がこわばった。
するとどういうわけかライターもマッチも点火する事が出来ない。
「キャップ、私疲れてます。早く休みたいのですが」ゴトウは科特隊のレストルームで休む事になった。
レストルームへ案内するフジにゴトウは科特隊本部の建物が何製か尋ねた。
ゴトウは鉄筋の中に特殊な合金が加えてあると指摘した。
フジに礼も言わずレストルームに入ったゴトウはカーテンを閉め黒いスーツケースから小さな瓶を取り出すと腕に押し当てた。 そして金属製の機械の蓋を開けると通信装置のように点灯・起動を始めたのだった。
宝市に出現した奇妙な植物
イデは本能的にゴトウが怪しい人物だと考えた。
急な来訪だったため光線による身体検査も受けていない。
ボリビア支部に確認しようとするが何故か通信不能であった。
原因を調べようとすると次のような通報が入った。
「宝市において奇妙な植物の発生を見る。青緑色のキノコに似た形態で発芽後12時間を経過し、その全長50数cm、24時間後2mになった」
現場に直行したハヤタ、アラシ、イデの3人は怪しく揺れ動く奇妙な植物を確認した。
植物学者の二宮博士は、あの植物にはキノコのような胞子がないと説明した。
博士によると、自由に移動し動物の血を吸って栄養源にしている植物が、今から約20年前に南米アマゾンで発見されたという。
こんど宝市に出現した怪奇植物は、そのアマゾンに住む吸血植物ケロニアによく似ていると、博士はケロニアの想像図を見せた。
ケロニアの発見者は二宮博士の恩師、ゴトウジロウ先生だという。
「ゴトウ!」名前を聞いて驚いた3人。
ケロニアの想像図
その頃、レストルームの様子を見に行ったフジ、誰もいない部屋には謎の機械が置いてある。
すると突如クローゼットから怪人が現れた!? 二宮博士が見せたケロニアの想像図とそっくりの怪人だ!!
怪人の眼から発射された怪光線を浴びたフジはその場に倒れ込んでしまった。
宝市から戻った3人はゴトウに事情聴取を試みる。 フジが襲われたのはゴトウが部屋を出てすぐの事だった。 アラシとイデがゴトウを連れて部屋を出た後、ハヤタは彼のスーツケースを調べ始めた。 そこには不気味にうごめく植物が!? ハヤタが採取した植物の一部は二宮博士に届けられた。
深夜の研究室。
「これは紛れもない、吸血植物ケロニアだ。ゴトウ先生が発見した当時から比べると驚くべき進歩を成し遂げている。もはや人間を凌ぐ高等生物に進化してしまっている」
二宮博士は驚愕した。
人間の血液の組織そっくりの液体を持つケロニアは、人間の血だけを吸って生きているのでは!?
街を破壊するケロニア
そこにゴトウが現れた。その姿はケロニアに変わり、目から怪光線が発射された。
ハヤタが駆けつけるとケロニアは研究室から逃げ出した。
アラシ、イデも合流するが、そこに巨大化したケロニアが姿を現した。
街を破壊するケロニア。
「おごれる人間共よ。もうお前たちの世界は終わりだ。我々植物人間がお前たちに取って代わるのだ。
海の向こうから我々の仲間が。我々は遂に高度な文明を持つようになった。お前たち人間どもを滅ぼし、植物人間の王国を打ち建てるのだ」
植物人間の作ったエアシップコンビナートが続々と各地に飛来する。
街を破壊するケロニアを迎え撃つ防衛隊。一斉攻撃を開始するが、ケロニアにダメージはないようだ。
その時、ハヤタはフラッシュビームを点火した。
ウルトラマンとケロニアの激闘。ケロニアの目から怪光線が発射されるとウルトラマンはスペシューム光線で応戦。
ウルトラマンとケロニア
一方、エアシップを迎え撃つビートル。倒しても倒しても木の葉のように現れるおびただしい数のエアシップ。
ケロニアとの互角の肉弾戦が続く中、ウルトラマンの右腕から螺旋状の光線が発射された。遂にケロニアは砕け散った。
そしてウルトラマンはビートルと共にエアシップを一掃した。
危機は去った。 それにしてもなぜ植物がこんな高度の文明を持つようになったのか謎である。
20年ぶりに帰国したゴトウ隊員