ウルトラマン

第32話

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灼熱が山々を焼き尽くす!自然破壊への警鐘なのか?

脚本

鈴木 俊継

監督

藤川 桂介

技術監督

高野 宏一

放送日

昭和42年2月19日

視聴率

39.2%

ナレーター

浦野 光

ロケ地

神奈川県鎌倉大仏

神奈川県鶴岡八幡宮

神奈川県江ノ島大橋

登場怪獣

ザンボラー

キャスト

ムラマツ隊長

小林 昭二

ハヤタ隊員

黒部 進

アラシ隊員

石井 伊吉

イデ隊員

二瓶 正也

フジ・アキコ隊員

桜井 浩子

パティ隊員

真理 アンヌ

宮の森工事現場主任

伊藤 実

作業員

加藤 茂雄

桂 伸夫

制作№

32

ストーリー

インド支部から1週間の休暇を日本で過ごすパティ隊員のエスコート役を決めるため、科学特捜隊の作戦室ではハヤタたちがくじ引きを行っていた。 フジ、イデ、アラシが次々にハズレくじを引いたため、残ったハヤタは颯爽と出かけて行った。 最初から当たりくじが無かった事に3人が気づいたが後の祭りだった。

突然激しく燃える山

突然激しく燃える山

ハヤタとパティが鎌倉の大仏を訪れのんびり過ごしている頃、宮の森の開発現場で作業員たちが山の異変に気付いていた。 暫くして突然閃光が走ると一瞬のうちに辺りが火の海となった。 事件の知らせを受けた科学特捜隊は消火のため出動、そしてハヤタたちにも原因を調査するようムラマツから指示が出た。
「申し訳ないパティ」「こうなったら諦めが肝心よ」2人はパトロール車で宮の森に向かった。

休暇中の2人に調査の指示が

調査の指示

アラシとイデはジェットビートルで消火活動を開始、燃え盛る山はようやく鎮火したかに思われた。
一方、現地に到着したハヤタらは火山地帯ではないのに川がお湯のように熱くなっている事を不審に思った。 そして激しい地震が発生した。
近くの鬼山に灼熱怪獣ザンボラーが出現。山火事、地震の原因はこの怪獣だったのだ。 ザンボラーの角が発光すると、近くの発電所が燃え上がった!!

地上からはハヤタとパティがスーパーガンで攻撃する。
パティから連絡を受けたビートルは消火液で山火事を鎮火させたが、白煙の中、ザンボラーは姿を消してしまった。

ザンボラーの灼熱攻撃

ザンボラーの灼熱攻撃

建設の為に森林が失われていく中、住み家を追われた怪獣が復讐を始めたかのようだとフジは思った。 それは自然を破壊する人類に対する警鐘なのだろうか?

科特隊はザンボラーの東京侵入を阻止すべく、防衛軍に池之沢への出動を要請した。

防衛軍の戦車が待ち構える中、再びザンボラーが現れた。 防衛軍とビートルの一斉攻撃が始まったが、ザンボラーの灼熱攻撃で防衛軍の戦車は次々と破壊されていった!
イデが開発した冷凍弾も効き目が無く、増々暴れ回るザンボラーであった。

地上からはハヤタとパティが応戦するが、灼熱を受けたパティの体力が限界に近付いている。このままでは危険だ。 燃え盛る山の中、ハヤタはフラッシュビームを点火した。

ウルトラマンが立ち塞がる

ウルトラマン

ザンボラーの前にウルトラマンが立ちふさがる。 激闘の末、最後はスペシューム光線を受けたザンボラーが爆音とともに絶命した。

ハヤタとパティはムラマツらと合流し、全員ビートルで帰還した。
「今の東京は自然を失う事の代償で世界の都会になったんだ」 「あの怪獣も我々人間の犠牲者だよな」 そう話す隊員たち。

「私も犠牲者の一人よ。でも私、日本の名物を3つも見ましたから。地震、怪獣、ウルトラマン」 パティの休暇はまだ始まったばかりだ。

解説

脚本は24話『海底科学基地』以来4回目の起用となる藤川桂介、監督は52年に映画で俳優デビューした鈴木俊継。 鈴木は満田かずほの誘いにより円谷プロダクション作品に参加している。 次回作も鈴木が監督する。

特撮があまりにも素晴らしいため物語の印象がやや薄いが、テーマは自然を破壊する人類に対する警鐘である。 この第3クール、本作の他にも30話『まぼろしの雪山』、33話『禁じられた言葉』、35話『怪獣墓場』、37話『小さな英雄』と単なる怪獣退治で終わらない作品が続出する。

怪獣データ

ザンボラー

ザンボラー

英名:ZUMBOLAR
別名:灼熱怪獣
身長:40m
体重:2万t
出身地:鎌倉の地底
攻撃:口から吐く熱風
アクター:鈴木 邦夫
デザイン:成田 亨
造形:長い尾を持つ4足歩行の恐竜型。
頭部から背中全体に鋭い棘を持つ。

特徴: 背中に10万度の熱を持ち、周囲に山火事を起こす。

コメント: 着ぐるみは15話『恐怖の宇宙線』のガヴァドンBを改造したもの。

発電所に現れたザンボラー

発電所に現れたザンボラー

防衛軍とビートルの一斉攻撃を受けながら暴れるザンボラー

暴れるザンボラー
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