ビーチ・ボーイズ・クリスマス・アルバム
The Beach Boys' Christmas Album
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64年11月にリリースされたビーチ・ボーイズ7枚目のアルバム。
クリスマス・ソング「リトル・セイント・ニック」収録。
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プロデュース:ブライアン・ウィルソン
Capitol Revel 1964.11.16
曲目リスト
ヒストリー
1964年のクリスマス・シーズン、キャピトルはビーチ・ボーイズの新譜にクリスマス・アルバムのリリースを求め、ブライアンもクリスマス・ソングのレコーディングを開始する。
ブライアンがクリスマス・アルバム制作を決めた大きな要因は、前年にフィル・スペクターが発表した有名なクリスマス・アルバム『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』の存在が大きかったと思われる。 スペクターの“ウォール・オブ・サウンド”を駆使した重厚なサウンド・プロダクションを持つ『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』は、従来のクリスマス・ソング集から脱却した革新的なものであった。 63年秋に行われたスペクター主催のレコーディング・セッションは、ロネッツ、クリスタルズ、ダーレン・ラヴなどのスペクター・チルドレンが一斉に会したゴージャスな顔ぶれの中、緊迫した雰囲気で行われたそうだ。
ブライアンはこの歴史的セッションにスペクターから直接招待されており、スタジオを全て仕切ったスペクターのプロデュース方法を目の当たりにし圧倒されたという。 スペクターもまたブライアン同様、完璧主義者であったのだ。
分厚いオーケストレーションを使用するスペクター・サウンドに直接影響を受けたブライアンのプロデュース方法の変遷は、その後発表される作品を考えると実に興味深い。
アルバム解説
1964年11月16日にリリースされた7枚目のアルバム。キャピトルの新譜要求に応えるため、クリスマス・ソングを集めた企画アルバムである。 ジャケットにはクリスマスの楽しげな雰囲気が伝わってくるような、5人のメンバーが大きなツリーを飾りつけするショットが使われている。
スペクターから刺激を受けたブライアンは、本作において冒頭5曲にオリジナル曲を、残り7曲にスタンダード曲を配した、素晴らしいクリスマス・アルバムを作り上げた。 1曲目の「リトル・セイント・ニック」は1年前のシングル曲であるが、残りの新曲も含め、オリジナル・ナンバーはいずれも秀作揃い。
注目は7曲のスタンダード・ナンバー。 フォー・フレッシュ・メンの編曲者として知られるディック・レイノルズ指揮によるオーケストラでアレンジされている。 ここでのビーチ・ボーイズのコーラスは貫禄すら感じさせる完璧なものだが、特筆すべきはこのオーケストラ・アレンジがブライアンの創造力を掻き立てた点であろう。
シンフォニックなアプローチは、後に『ペット・サウンズ』の礎の一つとして引き継がれていくことになるのであった。
アルバム発表1年前の63年12月2日にシングル曲としてリリースされたクリスマス・ソング。 アルバム収録にあたり新たにミキシングされたため、シングル・バージョンとは異なる。 シングル・バージョンにある鈴や鉄琴などの楽器が削除され、替わりにボーカルがフィーチャーされているようなミックスだ。
ブライアンとマイクの共作。リード・ボーカルはマイク。 内容はサンタクロースのそりをボブスレーに見立て「リトル・セイント・ニック号」のレースの様子を歌ったもの。
オープニングとコーダにアカペラを配したチャーミングなクリスマスソング。マイクとブライアンが交互にリードを取っている。 バックのメロディアスなギターが印象的。
11月にシングル・カットされ、クリスマス・チャートで3位になっている(当時クリスマスソングはクリスマス・チャートとして集計されていたそうだ)。 ブライアンのオリジナル作品。
ブライアンの作品。 複雑に重なり合う見事なコーラスを聴かせる佳曲。 リード・ボーカルはマイク。
サンタに会いたい弟をデパートのサンタに逢わせるが本物じゃないことがわかって傷ついた弟に、でも本物のサンタの“助手”なんだ、と励ます内容。 間奏のギターはジングル・ベルのメロディをなぞったユニークなもの。
手拍子の入った軽快なナンバー。前曲同様、絶妙なハーモニーを聴かせる。
失恋したけどクリスマスまでには仲直りしたいという歌詞の内容で、マイク・ラヴが歌っている。 ブライアンのオリジナル作品。
アコースティックギターをバックにアル・ジャーディンが初めてリード・ボーカルを担当したカントリータッチの曲。 間奏のオルガンがモダンな雰囲気を醸し出す。
1年に1度のクリスマスを待つときめきを歌ったブライアンの作品。 地味であまり目立たない感じであるが、5曲のオリジナル曲の中で小生が一番好きな曲である。
雪だるまのフロスティに命が宿る、といった内容の華やかなクリスマス定番ソング。 スティーブ・ネルソンとジャック・ロリンズ1950年の作品。
ディック・レイノルズ指揮によるオーケストラをバックに生き生きとしたコーラスを聴かせる。
これまでの曲と一転した暗く宗教的な抒情詩。 ブライアンとマイクが息の合ったデュエットを聴かせる。
ジョン・ヘンリー・ホプキンス牧師が1857年に作ったクリスマス・キャロルである。
ブライアンがリード・ボーカルのこの曲は、君がいないとブルーなクリスマスになる、と歌われるラヴ・ソング。
注目はディック・レイノルズのオーケストラ・アレンジで、まるでジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を再現したようなサウンドである。 間違いなくブライアンの嗜好に合ったもので、64年のラジオ番組でのインタビューで彼はこの曲について言及している。
ビリー・ヘイズ/ジャイ・W・ジョンソンの作品。エルビス・プレスリーはじめ、多くのアーティストに取り上げられているスタンダート曲である。
フレッド・クーツとヘヴン・ギレスピーが作った有名なクリスマス・ソング。 リード・ボーカルはブライアンとマイク。
テンポが変わり、ちょっとコミカルな感じがハリウッド映画音楽のようなアレンジだ。
クリスマスシーズンに必ず歌われる定番ソング。 アーヴィング・バーリンの作品でビング・クロスビーなど多くのカバーを生んでいる。
リード・ボーカルはブライアン。 この曲のオーケストラ・アレンジも「ラプソディ・イン・ブルー」を彷彿とするもので、ブライアンを大いに刺激したのではないか。
全篇コーラスで歌われるムーディーなクリスマス・ソング。
1943年にビング・クロスビーによってトップ10ヒットを記録。 キム・ギャノン、ウォルター・ケント、バック・ラムの共作曲で、クリスマスには家に帰る事を夢見る、という内容の作品。
日本では「蛍の光」として親しまれている曲。 元々はスコットランドのトラディショナル・ソング。 メンバーのコーラスで歌われている。
女性ファンから絶大な支持を得るデニス・ウィルソンのファンへの挨拶がナレーションとして収録されている。
ボーナストラック
63年12月2日にリリースされた「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」に続く7枚目のシングル曲。 クリスマス・チャートでは最高位3位。 B面は「ローズ・プレイヤー」。
アルバム・バージョンにはない鈴やグロッケンシュピール(鉄琴)、チェレスタを用いた華やかなクリスマス・サウンドに仕上がっている。
モノ・ミックスしか存在しなかったが、90年の再発の際、ボーナス・トラックとして新たにステレオ・ミックスが作られた。
シングル「リトル・セイント・ニック」のB面に収録されたアカペラによる賛美歌。
1935年にアルバート・ヘイ・マロッテにより書かれた教会音楽で、ドリス・デイやエルビス・プレスリーなどにも取り上げられたスタンダード・ナンバー。 厳格な雰囲気を持った祈りの歌で、フォー・フレッシュ・メンばりの非常に美しいハーモニーを聴かせる。
アルバム収録は83年の『リアリティーズ』が最初(オリジナル・モノ・ミックス)。91年の『クリスマス・アルバム』、01年の『ホーソーン,カリフォルニア』にはステレオ・ミックスが収録。
12のデニスのナレーションをカットしたミックス。
「リトル・セイント・ニック」の元々の初期バージョンであったが当時はボツとなり、後に歌詞を変え『オール・サマー・ロング』の「ドライブ・イン」に改作された。ここで聴けるのはそのボツ・バージョン。
デモ・レコーディングだったのか、ブライアンとマイクのボーカルはコミカルな歌い方で、どういう訳か曲の最後に爆笑している。
ザ・マン・ウィズ・オール・ザ・トイズ
作曲・作詞:ブライアン・ウィルソン/マイク・ラヴ
彼はどんなおもちゃも持っている
真夜中に灯りのついた家をみつけ
窓をくぐり抜けて覗き込む
椅子に座った大男
まわりを歩くかわいらしい妖精たち
彼はどんなおもちゃも持っている
彼を見た人はどんなに驚いたことか
中に入る誘惑があったけど
寒い外にとどまった
帰りに彼は言ったんだ
いろんなおもちゃを持つ男の事を
彼はどんなおもちゃも持っている
いろんなおもちゃを持つ男
彼はどんなおもちゃも持っている
対訳:管理人
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