ビーチ・ボーイズ・コンサート
The Beach Boys Concert


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64年10月にリリースされたビーチ・ボーイズ初のライブ・アルバム。
会場の雰囲気は当時の人気が窺い知れるもの。初の全米1位を獲得。



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プロデュース:ブライアン・ウィルソン

Capitol Revel 1964.10.19


ヒストリー

1964年7月13日に発表した前々作『オール・サマー・ロング』は大ヒット、8月17日にはシングル「ホエン・アイ・グロウ・アップ」(邦題「パンチで行こう」)をリリースし全米9位をマーク、このライブ・アルバム発表直後にはシングル「ダンス・ダンス・ダンス」がヒット・チャートを上昇中(最高8位)、と旋風を巻き起こしていた。

さて、この当時ブライアンは1つの転換期を向えることになる。

ガール・フレンドだったマリリン・ローヴェルと12月7日にラスベガスで挙式を挙げ、ビヴァリー・ヒルズのローレル・ウェイに新居を構える。 又、新しい親友ローレン・シュワルツと知り合うのもこの時期だった。 ローレンは音楽業界のエージェントをめざす若者で、そのハリウッド的で最先端のライフ・スタイルは、おくてのブライアンにとって実に魅力的な存在に映ったのであろう。 ローレンの薦めでブライアンが初めてマリファナを経験するのは知り合ってすぐの事だった。

その後ローレンを通じロサンジェルスの進歩的な人々と知り合うことになる。 その中にはデイヴィッド・クロスビー、バーズのジム・マッギンとクリス・ヒルマン、スタジオ・ミュージシャンのヴァン・ダイク・パークス、広告代理店に勤めているトニー・アッシャーなどがいた。

ビーチ・ボーイズの人気と比例してブライアンに圧し掛かる負担も次第に増加していく。 新曲の制作、レコーディング・プロデュース、テレビ、ラジオ出演にコンサート出演のための公演ツアーなど多忙を極めたブライアン。 元来、人前に出る事が苦手なブライアンにとって、ステージでの演奏は苦痛なものであった。

圧迫された彼の精神はやがて限界を迎えようとしていた。


アルバム解説

1964年10月19日にリリースされたグループ初のライブ・アルバム。 64年8月1日のサクラメントでのコンサートの演奏を中心に、その頃のライブ音源が収録されていて、当時のビーチ・ボーイズ人気が窺い知れる。

それにしても、僅か2年の間に8枚のアルバム・リリースというのは驚異的なペースである。 ライブ・アルバムのリリースはキャピトルの新譜要求に対する対策であったが、ここでもブライアンはこだわりを見せ、納得のいかない演奏についてはスタジオ録音の追加も行っている。

そしてグループにとって初めてのアルバム・チャート第1位を記録した。

コンサート会場でメンバーが演奏しているジャケット写真には、ベース・ギターを弾いているブライアンの姿を確認することが出来る(今では貴重な!)。

小生の好き度

★ ★ ★ ★ ★

アルバムの冒頭を飾るのは同年2月に発表したシングルで、ビーチ・ボーイズのコンサートでは定番の1曲。 エンディングのブライアンのフォルセット・ボイスはこの曲一番の盛り上がりである。

ブライアンはこの曲のライブ演奏が不満で、スタジオ録音を追加したというが、オリジナル版よりテンポ・アップされ、デニスのドラムをはじめ迫力あるバッキングを聴かせる。

作者:B.Wilson - M.Love

リード:Mike


ジャン&ディーン、64年の全米3位の大ヒット曲。リード・ボーカルはマイク・ラヴ。 非常にテンポがいいホット・ロッド・ナンバー。

作者はドン・アルトフィールドとロジャー・クリスチャン。スピード狂のパサディナのおばあちゃんについて歌われている。

作者:D.Altfield - R.Christian

リード:Mike


63年7月発表のホット・ロッド・ナンバーの傑作曲。ブライアンとロジャー・クリスチャンの共作。

デニスのドラム、アルのサイド・ギター、カールのリード・ギター、ブライアンのベースを次々重ねていき、最後にマイクのボーカルをミックスさせる、という冒頭のくだりはなかなかの演出である。

エンディングのブライアンのフォルセットはシャウト気味だ。

作者:B.Wilson - R.Christian

リード:Mike


63年のマリー・ケラムのヒット曲。やけに乗り乗りのリード・ボーカルはマイク。

テキサスから白馬に乗ってやってきたのっぽのカウ・ボーイについて歌われるロカビリー調の曲。エンディングのサックスもマイクが吹いている。

作者:H.Strezlecki

リード:Mike


イントロのアルペジオが聴こえたとたん会場から大歓声が巻き起こる、コンサートのハイライト。ムーディーな雰囲気に包まれ、ステージは盛り上がっていく。 ブライアンとゲイリー・アッシャーの共作で、見事にレコードの“音”を再現している。

ブライアンのフォルセット・ボイスとメンバーのコーラスが素晴らしい。

作者:B.Wilson - G.Usher

リード:Brian


62年のボビー“ポリス”ビスケット&ザ・クリプト・キッカーズによる全米1位の大ヒット曲。 ステージでは奇抜なアクションと共にDJ風のリード・ボーカルで歌うマイク・ラヴ。マイクのパフォーマーとしての才能の成せる技だ。

研究室でモンスターが現れて踊りだす、といったコミカルな内容の歌。しかしアメリカ人はホントにゾンビが大好きですねー。

作者:B.Pickett - L.Capizzi

リード:Mike


サーフィン・ソングの王様、ディック・デイルの代表作。 アルバム『サーフィン・U.S.A.』でも取り上げられたインストゥルメンタル・ナンバーであるが、ここでの演奏は更にパワー・アップした感じだ。

カールのフェンダー・ジャガーが冴え渡る。

作者:D.Dale


リード・ボーカルのブライアンのはっちゃけぶりは半端無いが、それ以上にマイクのバス・コーラスの乗りの良さが際立ったアップ・テンポな曲。

62年のリヴィングトンズのヒット曲で、作者はカール・ライト、アル・フレイジャー、ソニー・ハリス、タナー・ウィルソンJr.。

アルバム『ビーチ・ボーイズ・パーティ』でも取り上げられた。 又、コーラスの一部が未発表曲「オール・ドレスド・アップ・フォー・スクール」に使わている。

作者:C.White - A.Frazier - S.Harris - T.Wilson.Jr.

リード:Brian


アーニー・マレスカの作品で、62年にディオンによりヒットしたロカビリー調の曲。

リード・ボーカルはビーチ・ボーイズの人気者、ドラマーのデニス・ウィルソン。 デニスに対するファンの声援は絶叫である。

作者:E.Maresca

リード:Dennis


アルバム『サーファー・ガール』に収録のアップ・テンポ・ナンバー。 リード・ボーカルはブライアンとマイク。

スタジオ版にくらべ随分テンポが速いが、デニスのドラムが曲をグイグイ引っ張っている。

作者:B.Wilson (M.Love)

リード:Brian, Mike


イントロの伴奏に合わせたマイクの曲紹介の演出が小粋な、フォー・フレッシュメン56年のヒット曲。

ステージにおけるコーラスや演奏に“さすが”と思わせるパフォーマンスを見せる。 エンディングの「Day!」フライングはデニス・ウィルソン。 未発表だったスタジオ録音はアルバム『サマー・デイズ』のボーナス・トラックで聴く事ができる。

作者:J.Sherman - N.Sherman

リード:Group


この年の5月に発表したビーチ・ボーイズ初のナンバー・ワン・ヒット曲。

リード・ボーカルはマイクとブライアン。 ファンの声援が大きいが、この曲も「ファン・ファン・ファン」同様にスタジオ録音が追加(入れ替え?)されているらしい。

作者:B.Wilson (M.Love)

リード:Mike, Brian


コンサートのアンコール曲。

ご存知チャック・ベリーのスタンダード・ナンバー。リード・ボーカルはマイクとブライアン。アップ・テンポで一気に走り抜けていくような演奏である。

このアルバムの収録曲の中では一番ボーカルが小さめのミックスになっているような。。?

作者:C.Berry

リード:Brian, Mike



ボーナストラック

ブライアンとロジャー・クリスチャン共作の名曲。間奏のカールのギターのカッティングは力強く、会場を沸かせている。

ブライアンのリード・ボーカルはスタジオ録音と同様に美しく澄みわたっている。彼はこの年の暮れの西部ツアーを最後にステージから退くため、このアルバムで聴けるフォルセット・ボイスは貴重なライブ音源となった。

作者:B.Wilson - R.Christian

リード:Brian




ファン・ファン・ファン

作曲:ブライアン・ウィルソン、作詞:マイク・ラヴ


彼女が親父さんの車に乗って
ハンバーガー・ショップに到着さ
車を借りる口実の
図書館の事などすっかり忘れ
カー・ラジオを鳴らしながら
猛スピードでぶっ飛ばす
彼女はすっかりお楽しみ
サンダーバードを取り上げられるまでは

女の子たちは彼女を良く思わない
なぜって、歩き方もルックスも運転も
まるで女王様気取りだから
彼女にとってはインディ500も
ローマの戦車競争と同じなのさ
男たちは競って彼女を追いかけるけど
彼女にとってはガチョウのレース
彼女はすっかりお楽しみ
サンダーバードを取り上げられるまでは

そろそろ
親父さんも気づき始め
ついにキーを取り上げられた
ようやく君も悟ったね
お楽しみの時間が終わったことを
でも僕について来なよ
面白くなるのはこれからさ
僕ら一緒に楽しもうよ
サンダーバードを取り上げられたら
僕ら一緒に楽しもうよ
サンダーバードを取り上げられたら

ふぅー
(僕ら一緒に楽しもうよ)
(サンダーバードを取り上げられちまった)

対訳:管理人





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