ペット・サウンズ
Pet Sounds
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66年5月にリリースされたビーチ・ボーイズの傑作アルバム。
「スループ・ジョン・B」、「素敵じゃないか」、「神のみぞ知る」、「キャロライン・ノー」収録。
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プロデュース:ブライアン・ウィルソン
Capitol Revel 1966.5.16
曲目リスト
ヒストリー
65年の暮れに厄介な仕事(クリスマス用の『ビーチ・ボーイズ・パーティ!』リリース)を終えたブライアン・ウィルソンは、年が明けた66年の初頭にビートルズの新しいアルバム『ラバー・ソウル』に感銘を受け、完璧な作品を作る事を決意する。
アルバム『オール・サマー・ロング』から彼一人で作詞作曲を行っていたが、新しいアルバム制作には作詞家が必要だと考えた。 マイク・ラブでは自分の望む歌詞が書けないと感じていたブライアンは、友人であるローレン・シュワルツを介して知り合ったコピー・ライターのトニー・アッシャーを新パートナーとして迎える。 2人の共同作業はブライアンの作ったメロディにトニーが歌詞を付けるというスタイルで行われたが、詩の内容は完全にブライアンのコンセプトに基づいていたという。
ビーチ・ボーイズのメンバーが日本やハワイを含む大規模なアジア・ツアーを行っている間、ブライアンはウェスタンやゴールド・スターのスタジオで、ハル・ブレイン、フランク・カップ、ライル・リッチ、グレン・キャンベル、アル・デ・ローリー、キャロル・ケイなどのロサンジェルスの腕利きセッション・メン“レッキング・クルー”を従えてレコーディングを進行させる。 2月にメンバーが長い極東ツアーから戻ってくると、半数近い曲のバッキング・トラックが完成していた。 ところが、歌入れの段階でそのサウンドと歌詞が余りにも従来のビーチ・ボーイズのイメージから懸け離れている事を知ってメンバーは当惑する。 特にステージで歌う事が前提のマイクは猛烈に反発し、その音楽をブライアンのエゴと見なした。 しかし、ブライアンも譲らず、ある曲は歌詞を書き換え、残りの曲作りとレコーディングは続けられたという。
4月13日の最終レコーディングを終え、遂にアルバムが完成。 作品の出来に不安を感じていたブライアンはアセテート盤を自宅のベットのヘッドフォンでマリリンと一緒に聴いたという。 「あの汽車の背後に僕が感じられるかい?」「ええ、でも消えていくわ」、アルバムの最後の曲「キャロライン・ノー」を聴きながら2人とも泣いていた。
キャピトル・レコードは完成した『ペット・サウンズ』を気に入らなかった。 会社が望む「夏」「海」「車」は登場せず、ヒットしそうなキャッチーな曲が入っていなかったからだ。 ブライアンのソロ名義のシングル曲「キャロライン・ノー」が不発に終わり、キャピトルは更に態度を硬化させる。 2枚目のシングル「スループ・ジョン・B」が大ヒットすると、ようやく会社も納得し、66年5月16日にアルバム『ペット・サウンズ』はリリースされる事になるのだ。
ところがレコード会社は『ペット・サウンズ』のプロモートに力を入れず、アルバム発表の8週間後に初期のヒット・ソングを集めた『ベスト・オブ・ザ・ビーチ・ボーイズ』をリリースする。 『ベスト・オブ・ザ・ビーチ・ボーイズ』は4位まで上昇しゴールド・ディスクを獲得、この件はブライアンを酷く傷つける事になるのだ。
本国アメリカでは10位止まりだった『ペット・サウンズ』であったが、イギリスでは熱狂的に支持され、UKアルバム部門で2位を記録。 英国におけるビーチ・ボーイズ人気が爆発するきっかけとなった。
アルバムの出来に満足したブライアンであったが、彼の鋭い感性は更なる時代の変化を敏感に感じ、新たなプロジェクトに突き進んでいく。 神に捧げるティーンエイジのシンフォニーを作るために。
アルバム解説
1966年5月16日に発表したビーチ・ボーイズの通算12枚目のオリジナル・アルバム。 ブライアンがビートルズの『ラバー・ソウル』の素晴らしさに触発されて制作されたと言われ、ビーチ・ボーイズの全作品中ひときわ評価が高く、最高傑作と位置づけられている。
ブライアンの心情を反映したトニー・アッシャーによる歌詞は純真でメランコリックな趣を持っていて、アルバム全体がブライアンの極めて個人的な内容になっている。 ロサンゼルスの腕利きセッション・メン“レッキング・クルー”による重厚なバッキング・トラックに、ビーチ・ボーイズの洗練されたボーカル・コーラスが美しい。
アルバム・ジャケットはサンディエゴ動物公園で撮影されたメンバーが鹿に餌を与えているショット。何故かブルース・ジョンストンは写っていない。音楽の内容とは無関係な写真で、この辺が彼らの無頓着なところである("ペット"=動物園、という発想なのだろうか?)。
発売当時から傑作アルバムと言われていたが、特に90年代に入ってから更に評価が高まり、95年のミュージシャンと音楽評論家が選ぶオールタイムのベスト・アルバム(イギリスMOJO誌)では堂々の1位に選出された。
なお、本作はビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に多大な影響を与えた作品だと言われていて、ポール・マッカートニーやプロデューサーのジョージ・マーティンらがいかに刺激を受けたかを証言しているのは有名な話。
イントロのギターの奇妙な響き、1発のスネア・ドラムを合図にブライアン・ウィルソンの溌剌とした歌声とコーラスが爆発する希望に満ちたラブ・ソング。 ブライアンとトニー・アッシャーの共作で、66年7月11日にシングル・カットされ全米8位を記録した。
大人になって結婚してずっと2人一緒にいられたらどんなに素敵だろう、という若いカップルの応援歌のようなこの曲はブライアンの無垢で純真な気持ちが表現された最高の1曲だ。 アコーディオンやマンドリン、ティンパニーなどの色彩感溢れるサウンドは、フィル・スペクターのホーム・スタジオであるゴールド・スター・スタジオで録音された。 ボーカルとハーモニーの歌入れはコロンビア・スタジオでの8トラック・レコーディングで行われている。 曲の終盤、スロー・テンポになりバンジョーをバックに歌われる「ドゥ・ドォ・ダァ」の低音はデニス・ウィルソン。
このアルバムに収められた全ての曲(「キャロライン・ノー」を除く)には通常のフェンダー・ベースとストリング・ベース(ウッド・ベース)が使用されている。
目が眩む程に衝撃的なステレオ・ミックスは97年にリリースされた『ペット・サウンズ・セッションズ』で初登場。中間部のマイク・ラヴのボーカルがブライアンに置き換わっているが、2001年の改訂版では(モノラルから抽出した)マイクのボーカル版を聴く事が出来る。
この曲は2013年の映画『陽だまりの彼女』(主演:松本潤、上野樹里)の重要なテーマ・ソングに使用された(劇中に"ブライアン"や"カール"などの金魚も登場!)。
ブライアンとトニーの共作。ハープシコードとピアノをバックに、ブライアンの繊細さが際立つフォルセット・ボイスが歌われる美しい佳曲。 エンディングの壮麗なコーラスが圧倒的だ。 もともとは「イン・マイ・チャイルドフッド(僕の幼年時代)」という曲を改編したもので、自転車のベルやラッパ音はその名残だろう。
イントロのハープシコードのような音は、ブライアンが鍵盤を押さえた状態でトニーが直接弦を弾いたピアノの音だそうだ。 クラリネットのような音はテナー・サックスとアルト・サックスだと思われる。 ブライアンが妻マリリンへの想いを吐露した内容で、彼女に悲しい思いをさせていることを後悔している気持ちが歌われている。
97年の『ペット・サウンズ・セッションズ』の初ステレオ・ミックスではブライアンのボーカルがシングルトラックだったが、2012年の『モノ&ステレオ』ではダブルトラックで登場する。
オルガンとベース・ギターの響きが幻想的な雰囲気を醸し出す、少し不思議な感じの曲。 印象的な12弦ギターはグレン・キャンベルによるもの。 このアルバム中、唯一メンバーが演奏に参加している(カールがギター、デニスがドラム、ブライアンはオルガン)。
一人頑張っているけど本当の僕じゃない、というブライアン自身の事を歌った内省的な詩。 ブライアンとトニーの共作。 リード・ボーカルはマイク・ラヴ、途中のキーの高いパートからブライアンが歌っている。
曲に独特の表情を与えるタンバリンなどの多用なパーカッションは、このアルバムの特徴の一つでもある。
ブライアンとトニーが作った壮大なラヴ・ソング。 ブライアンの悲痛なまでに繊細なボーカルは聴く者の心に訴え掛けてくる。
バッハみたいなオルガンの響きが教会音楽をイメージするような厳格な雰囲気だが、後半のストリングスが全体を優しく包み込んでくれる。 このストリングスのアレンジは控えめだが実に絶妙である。 「君の胸の鼓動を聞かせて」の箇所は下降するベース音がまるで心臓の鼓動を表現しているかのようで、アルバムの中でも見せ場の1つになっている。 副題は「僕の肩に君の頭を乗せるだけでいい」という意味。
バック・コーラスがない歌で「キャロライン・ノー」同様にブライアンの個人的な想いが強い曲なのかも知れない。
80年代のCDでは「Unreleased Backgrounds」というボーナス・トラックがあり、この曲のリハーサル時のアカペラによるバック・コーラスを聴く事が出来る。 97年の『ペット・サウンズ・セッションズ』では何とも繊細なストリングスのみのバッキング・トラックが収録されている。
威勢のいいティンパニーとドラムで勇ましく始まるこの曲は、本アルバム中唯一ブライアンとマイク2人の共作曲。 リード・ボーカルはブライアンであるが、彼はこの曲の自分の声が嫌いだそうだ。 もともとは64年の『シャット・ダウン ヴォリューム2』のセッション中に作られたそうだが、マイクが新たに詞を手直しして収録された。
どことなく沖縄民謡を想わすメロディが登場するが、全体にフルートやストリングスなどが使われたシンフォニックなサウンドを持つ。 曲の終盤、チェロやヴァイオリンの弦楽合奏からティンパニーとフルートが奏でる怒涛のエンディングが利き所。
97年の『ペット・サウンズ・セッションズ』にステレオ・ミックスとバッキング・トラックが収録されており、迫力のミニオーケストラを聴くことが出来る。
アルバム全体に言える事だが、使用されている楽器は意外とシンプルな小規模編成で作られた"音"である点がブライアンのずば抜けたセンスを感じずにはいられない。
ブライアンの作ったバート・バカラックを意識したようなインストゥルメンタル・ナンバー。 ヴィブラフォンをフューチャーした複雑なコード・チェンジを持つ幻想的な曲で、徐々にギターやピアノ、サックス、トランペット、ストリングスなど多彩な楽器が加わっていく。 後半のスチール・ギターのような音は、弦をコーラの瓶で挟んでに弾いているそうだ。 ここでもドラムとパーカッションがサウンドに独特の表情を与えており、リズムも途中から3拍子に変わる。エンディングのベース・ギターも注目。
ブライアン自身、これまでの作品の中で最も満足のいく曲だと、後に語っている。 歌詞があったとの噂があるがトニー・アッシャーは書いていないと言っている。 「世界は自由で平和なんだ」という思いが込められているようで、元々のタイトルは「ジ・オールド・マン・アンド・ザ・ベイビー(おじいちゃんと赤ちゃん)」であった。
58年にキングストン・トリオが「ジョンB号の難破」としてヒットさせたフォーク・ソングで、西インド諸島の民謡が元歌。 65年の『サマー・デイズ』のレコーディングの頃、フォーク好きのアル・ジャーディンがキングストン・トリオのこの曲をやりたがっていたという。
見事なロック曲に仕立て上げられたこの曲のバッキングは"ペット・サウンズ・セッション"が本格的に始まる5ヶ月前の65年7月12日にレコーディングされており、当初ブライアンはこの曲をアルバムに入れるつもりはなかった。 確かに他の作品とはやや趣が異なるのも事実。
オープニングにフルートを使い、全篇に渡りグロッケンシュピール(鉄琴)が彩りを添えた素晴らしいアレンジである。 力強いスネア・ドラムとバリトン・サックスのリズムもいいが、何と言ってもベース・ギターの特異なフレーズは特筆すべきもの。 リード・ボーカルはブライアンとマイクが交互に担当。何故か発案者アルはリードを取らせてもらえなかった。 曲の終盤のアカペラで歌われるところが見せ場であるが、これはミキシング時に編集されたものである。
66年3月21日にアルバムに先行してシングル・リリースされ、全米3位のヒットを記録した。
ビーチ・ボーイズの作品の中でも特に人気の高い美しいバラード。
ブライアンとトニーの共作であるが、ブライアンはタイトルと歌詞に「神」を入れることに相当悩んだようだ。 又、「永遠に君を愛さないかも知れない」という出だしのネガティブなフレーズにブライアンが躊躇したが、結局トニーの主張が通ったという。
オーケストラにはサックス、アコーディオン、ピアノ、ハープシコード、フルート、ストリングスなどが使用されたが、特にフレンチ・ホルンの響きが印象的だ。 そりの鈴が加わったパーカッションとドラムのリズムがユニークで、ここでもベース・ラインがサウンドに独特の表情を与えている。 ウェスタン・スタジオで行われたバッキング・トラックのレコーディングは苦労したようだが、ようやくブライアンの欲しかったスピリチュアルなサウンドが得られ、演奏に参加したミュージシャンたちは感動的なセッションだったと回想している。
リード・ボーカルは天使の歌声のようなカール・ウィルソン。 夢見るようなエンディングはブライアンとブルース・ジョンストンの掛け合い。 この素晴らしいラヴ・ソングは、ビートルズのポール・マッカートニーに多大な影響を与えたといわれている。
97年の『ペット・サウンズ・セッションズ』ではステレオ・ミックスの他に、ブライアンがリード・ボーカルのものや間奏にサックスのソロが入るジャズ風のバージョン、エンディングがメンバーのスキャットをバックにアカペラで歌われるテイクなど、興味深いトラックが数多く収録されている。
ブライアンとトニーの共作曲「ハング・オン・トゥ・ユア・エゴ」の歌詞が気に入らないとして、マイクと当時のロード・マネージャーのテリー・サッカンがタイトルと一部の歌詞を書き換えたもの。 リード・ボーカルは出だしの1節がマイク、それ以外はアル、サビはブライアン。
元の歌詞は「自分のエゴを信じるんだ、結局争いに敗れるけど」であったが、「ちゃんとした答があるんだ、それを見つけなくちゃ」と少し前向きになっている。 オルガンとピアノの慌しいリフが面白い。間奏でも聴けるバリトン・サックスのような音はバス・ハーモニカ。
昔のCDでは元歌の「ハング・オン・トゥ・ユア・エゴ」をボーナス・トラックで聴く事が出来た。
ブライアンとトニー・アッシャーの共作。 ラヴ・ソングであるが、愛について慎重になるべきと忠告しているような内容が歌われている。 リード・ボーカルはマイク・ラヴ。
高音のベース・ラインが縦横無尽の旋律を奏でる脅威的なサウンドが展開されており、エキセントリックなドラム・パターン、リズミカルなホーン、特にトロンボーンの響きが素晴らしく、バッキング・トラックの出来映えはこのアルバムの中でも最高の1曲と言える。 間奏のオルガンとギターの音色は何とも言い難い不思議な風情を感じさせるものがある。
97年の『ペット・サウンズ・セッションズ』収録のステレオ・ミックスとバッキング・トラックではブライアンの魔法のサウンドを楽しむことが出来る。
タイトルは「僕はこの時代にそぐわない」という意味で、ブライアンの自信の無さ、疎外感、サウンド探求しようとする自分の気持ちを誰も理解してくれない、という心の叫びを具現化したような内省的なもの。 ブライアンとトニーの共作。
リード・ボーカルはブライアンで、バック・コーラスも彼による多重録音。 後半の絡み合うハーモニーがこの上なく素晴らしい。 このボーカル・パートはコロンビア・スタジオでの録音。 バッキング・トラックはゴールド・スター・スタジオでレコーディングされた。
エコーのかかったパーカッションやティンパニーが響く中、ハープシコードとアコースティック・ギターの繊細さが際立つ、今にも壊れそうなアンバランスなサウンドを作り上げている。 ここでもフェンダー・ベースのフレーズがとても秀逸だ。 ブライアン本人もこの作品の出来映えには大変満足しているという。 後半の間奏に登場するフォルセット・ボイスのような哀愁漂う高音のメロディは、怪奇映画などに使用されるテルミンという電子楽器を使ったもの。 後に発表される「グッド・ヴァイブレーション」と「ワイルド・ハニー」でもこのエレクトリック・テルミンが効果的に使われる事になる。
尚、この曲のタイトル「駄目な僕」は、95年のドン・ウォズ監督のブライアンを追ったドキュメンタリー映画のタイトルにもなっている。
サックスとトランペットがダイナミックなサウンドを展開するインストゥルメンタル・ナンバー。ドラムとパーカッションがアフリカンなムードを醸し出す。
"ペット・サウンズ・セッション"が本格化する前の65年11月中旬にレコーディングは完了している。 セッション当初、「ラン・ジェームズ・ラン」というタイトルで呼ばれていた。 イントロのギロのリズムとギターのフレーズが"007"の雰囲気に似ていたからか?
これまでのビーチ・ボーイズのスタイルに拘っていたマイク・ラヴであったが、あまりにも従来のイメージと懸け離れた音楽に戸惑い、「こんなもん、誰に聴かせるんだ?犬か?」とブライアンに食って掛かったそうだ。 そんなマイクが皮肉を込めて「ペット・サウンズ」というタイトルを付けた、といわれているが諸説あり真相は不明。
ブライアンの高校時代の失恋相手キャロル・マウンテンについて歌われた、彼とトニー・アッシャーの作品。 妻マリリンはその頃髪を切った自分の事を歌ったものだと思っていたらしい。 美しいブライアンのリード・ボーカルは、CのキーでレコーディングしたものをDで再生している。これは若い声にしたほうがいい、という父マリー・ウィルソンのアドバイスであった。 また、トニーは当初、「Carol, I Know(キャロルを僕は知っている)」と書いていたが、ブライアンが聞き間違い「Caroline, No」になったそうだ。
ビーチ・ボーイズが公演旅行中だったため、66年1月31日にメンバー抜きで演奏とボーカルをレコーディングして完成させている。 ブライアンしか関わっていない曲だったために彼のソロ名義として66年3月7日にシングルとしてリリースされた(B面は『サマー・デイズ』収録の「恋の夏」)。 最高位32位とやや低調だったが、ブライアンはこのキャピトルの対応がうれしかったそうだ。 このアルバムの中でも彼の1番のお気に入りだという。
エキゾチックなパーカッションと繊細なハープシコード、ウクレレなどが悲しくも美しいサウンドに仕上げている。 フルートとサックスがムーディな雰囲気を醸し出しているが、ここでも巧妙なベース・ギターが特徴的。 ドラマチックなドラムから始まるコーダ部分は「(ジャズ・ミュージシャンの)グレン・ミラー的で1944年のレコードのようだ」とブライアンは語っている。
エンディングでは、踏み切りの警報音が鳴る中、警笛を鳴らしながら通過する電車に向って犬が吠えている効果音が挿入されており、荒涼とした情景が連想される実に洒落た演出になっている。犬は"バナナ"と"ルーイ"という名前のブライアンの「ペット」である。
裏ジャケット写真。
神のみぞ知る
作曲:ブライアン・ウィルソン、作詞:トニー・アッシャー
永遠に君を愛し続けないかも知れない
でも頭上に星が輝く限り
決して君を悲しませはしないと
確信しているんだ
君なしの僕がどうなるかなんて
神様だけがご存知さ
もし君が去ってしまったら ※
人生はずっと続くけど
僕にとってこの世界は
本当に意味が無くなるんだ
君なしの僕がどうなるかなんて
神様だけがご存知さ
(※ 繰り返し)
対訳:管理人
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