ペイパーバック・ライター/レイン
Paperback Writer/Rain

(シングル)


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プロデュース:ジョージ・マーティン

Parlophone Revel 1966.6.10


シングル解説

デイ・トリッパー/恋を抱きしめよう」から約半年振りとなる1966年6月10日にリリースされた英国における12枚目のシングル曲。 半年以上ビートルズの新作発表が無かったのは今回が初めての事。 全英、全米共に2週連続1位を獲得。また、プロモーション・ビデオが制作された初めてのシングル曲でもある。 A面以上に注目はB面である。歌詞・演奏・サウンド構成はそれまでの常識を打ち破るもので、実験的な作品をシングルとして発表するところが興味深い。 このシングル発表の2ヵ月後に革新的なアルバム『リボルバー』がリリースされるのである。

2曲ともオリジナル・アルバム未収録。現在CDでは編集アルバム『パスト・マスターズVol.2』で聴く事が出来る。但し、「ペイパーバック・ライター」は66年暮れにリリースされた英国編集のベストアルバム『オールディーズ』(未CD化)に収録されている。 また、70年に発表された米国編集アルバム『ヘイ・ジュード』には2曲とも収録されている。


NME(英):2週連続1位
ビルボード(米):1位
キャッシュボックス(米):2週連続1位

小生の好き度

★ ★ ★ ★ ★

66年6月10日にリリースされたイギリスにおける12枚目のシングル曲。 2週連続ナンバーワンを記録した。

ポールが初めて“男女の愛”以外をテーマにした作品で、小説家になりたい主人公の手紙を綴った内容になっている。 デビュー前、小説家になる事がポール自身の夢であったという。 リードボーカルはポール、バックコーラスはポール、ジョン、ジョージの多重録音で、ビーチ・ボーイズ風にアレンジしているとの事。 ポールのベースはオクターブを使う独特な奏法で、リンゴのドラムとのコンビネーションがドライブ感を強調している。 また、「ポポポポーン」という高音のベース音も特徴的で、この作品以降も好んで演奏される事になる。

ポールのベース・ラインはこの時期から急速に変化していくのだが、彼は60年代のモータウン黄金期のベーシスト、ジェームス・ジェマーソンの影響を受けた事をドキュメンタリー作品『マッカートニー 3,2,1』で明かしている。

曲の途中で2度フェードアウトするのも当時としては斬新だった。ステレオとモノ・ミックスではこのフェードアウトの処理がかなり違っている。

この曲が発売されて1ヶ月も経たない6月30日から始まった日本公演でも演奏されたがメンバーは歌うのに苦労していた(ポールはくるくる回るマイクにも苦戦していたが・・)。 当時の音響技術も問題があったが、この時期の作品は既にステージでの再現が困難だったのだろう。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


「ペイパーバック・ライター」のB面として発表された、インド音楽のエッセンスが香る異色作。 様々な実験的要素を取り入れたジョンの作品で、中間部をポールが手伝っている。

リードボーカルはジョン、バックコーラスはポールとジョージ、サビはジョンとポールのハーモニー。 フィルインを多用したエキセントリックなドラムは圧巻! リンゴ自身ベスト・プレイだったと回想している。 また、縦横無尽に駆け回るポールのベースも見事。 ここでもオクターブを多用している。ドラムとベースが曲に独特の表情を与えている。

エンディングにおけるジョンのボーカルの一部はビートルズ初のテープの逆再生で「れぇぇぇーーーいぃぃぃん」と聴こえる。 これについてジョンは「俺のアイデア。逆再生したら偶然出来た」と語っているが、実際はプロデューサーのジョージ・マーティンが非常に苦労して組み込んだものだった。 B面であるがアメリカでは最高位23位をマークしている。

韻を多用した歌詞は、言葉をメロディに融合したような趣がある。 数あるビートルズ作品の中でも重要な1曲であり、スタジオを駆使した実験的な試みはこの曲から始まったとも言える。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John





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