オールディーズ
A Collection Of Beatles Oldies

(アルバム)


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63年~66年迄のビートルズのベスト・コレクション

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プロデュース:ジョージ・マーティン

Parlophone Revel 1966.12.10


ヒストリー

ビートルズは1966年6月末から日本公演を含むアジアツアーを敢行後、8月5日には7枚目となるアルバム『リボルバー』を発表。そして、8月29日のサンフランシスコ公演を最後にコンサート活動を停止する。

9月にはジョンが自身の主演映画の撮影のためドイツ、スペインへ向う。ジョージはインド音楽に入れ込みポンペイでラビ・シャンカールにシタールを教わった。リンゴは南スペイン旅行、ポールはサファリ旅行に行っている。同時期ポールは「The Family Way(邦題:ふたりだけの窓)」の映画音楽の主題歌を手がけている。

リフレッシュ休暇を満喫したメンバー4人は66年11月下旬、約5ヶ月ぶりにレコーディングスタジオに集結する。ジョンの新曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のセッションのために。


アルバム解説

ビートルズは毎年クリスマスシーズンにはニュー・アルバム、ニュー・シングルを発表していたが、66年はメンバーの長期休暇などスケジュール的に発表する曲が無かった。 そこでEMIとレコード会社のパーロフォンがベストアルバムを企画し、66年12月10日にイギリスでリリースされたのが本作である。 日本では英国オリジナルアルバムとして翌67年2月5日に発売されている。 オリジナル・アルバムだがCD化されていない。

63年から66年までのシングル曲を中心に、アルバム収録曲の「イエスタデイ」「ミッシェル」、イギリスでは未発表だった「バッド・ボーイ」も収められた。 それまでモノ・ミックスしか無かった「抱きしめたい」「デイ・トリッパー」「恋を抱きしめよう」「ペイパーバック・ライター」は新たにステレオ・ミックスが作成されているが、アルバム製作に4人のメンバーは関わっていない。

さて、改めて『オールディーズ』の曲目リストを眺めてみると、そこには初期から中期にかけた彼らの代表作がずらり並ぶ。ビートルズといえばその高い音楽性・芸術性が語られる昨今であるが、同時にアイドルであり稀代のヒットメーカーだった事を再確認できる実に素晴らしいコレクションである。 いかにも60年代風のジャケット・デザインはデイヴィッド・クリスチャンによるアート・タッチなイラスト。 裏ジャケットの写真は日本公演で来日した時、ヒルトン・ホテルの一室で撮られたもの。

タイトルの「オールディーズ」は新曲が入っていないので付けられたのだろう。裏ジャケには「BUT GOLDIES!」と表記されている。つまり「old days but good days」(古き良き日)の慣用句を文字って「oldies but goldies!」(古くさいもの、でも素晴らしいもの!)という造語にしたのかも知れない。 そしてこの「oldies but goldies!」というフレーズは今ではビートルズの全作品に言えるのではないだろうか。

小生の好き度

★ ★ ★ ★ ★


【アナログA面】

リンゴのドラム連打から始まるこの曲は、63年8月23日にリリースされた彼らの第4弾シングル。 イギリスでは7週連続1位を記録し166万枚以上を売り上げた。この売上記録は、77年のポールのソロ作品「夢の旅人」まで破られる事はなかった。

ジョンとポールの共作で、リードボーカルも2人のハーモニー。 ビートルズの人気を決定付けた初期の代表作である。 全編リンゴのシンバルがシャンシャン鳴り響いていて、今までのシングル曲の中で最もスピード感溢れるロック曲に仕上がっている。 特に印象的な“ヤァ!、ヤァ!、ヤァ!”はジョージも加わった3重唱で、彼らの代名詞的なフレーズとなった。

アメリカにおけるデビューシングルであったが、マイナー・レーベルから発売されたためにヒットには至らなかった。その後、キャピトル・レーベルから「抱きしめたい」の大ヒットを受け、再びシングルとして発表されて250万枚以上を売り上げる大ヒットを記録している。

ステレオ・ミックス化においてオリジナルのマルチトラックテープが紛失しているため、左右の音を低音と高音に処理したデュオ・フォニックという擬似ステレオでミックスされた。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Jphn,Paul


プリーズ・プリーズ・ミー」に続き63年4月12日に発表された3枚目のオリジナル・シングル曲。6週連続第1位を獲得。

ビートルズは当時イギリスで人気があった女性歌手のヘレン・シャピロとツアーを同行し前座を務めていた。その公演先でジョンとポールが作った作品。 ヘレンの為に書いた「ミズリー」も彼女のツアー中に作ったもので、本作によく似たコード進行だ。

初期トレードマークであるジョンのハーモニカがフィーチャーされた軽快なビートルズ・サウンドに仕上がっているが、ベース・ラインなどはかなりブルース調である。 リードボーカルもジョンとポールによる魅惑的なツイン・ボーカルで、時折見せるハーモニーは絶品である。 躍動感に満ちた親しみ易いメロディーは彼らの最大の魅力である。今でも色褪せない斬新さを持った素晴らしい曲、演奏を聴かせる。 ジョンとポールが自分達の成長をはっきりと自覚した曲であり、初めて自信を持って発表したシングル曲となったらしい。

ビートルズは当時イギリスBBCのラジオ番組『フロム・アス・トゥ・ユー(僕らから君へ)』に出演しており、この曲の歌詞を変えたテーマ曲が歌われていた。

ステレオ・ミックスとは異なり、モノ・ミックスではオープニングの「ダァララーララ、ドゥンドゥンダァーーー」の歌声のバックにユニゾンでハーモニカが入っている。

作者:P.McCartney - J.Lennon

リード:Jphn,Paul


「イエスタデイ」以来、その音楽的才能を発揮し始めたポールがメインテーマを書き、ジョンが哀愁漂うサビのフレーズを作った2人の共作曲。 サビの最後がワルツ調になるアレンジはジョージのアイデアで、リンゴのシンバルがドラマチックに響いている。

ポールは最初カントリー調の曲をイメージしていたというが、最終的に洗練されたビートルズ・ミュージックに仕上げている。 リードボーカルはポール、サビはジョンとポール2人のハーモニー。 アコーディオンのような音はジョンが弾くハーモニウム、優雅で気品ある作風を際立たせている。 情緒豊かなヨーロピアン・テイスト溢れる中期の傑作曲だ。 歌詞はポールが書いたAメロがあくまで前向きな内容に対し、ジョンが書いた中間部では「人生はとっても短いんだ。喧嘩している暇なんて無いのさ」というちょっと感傷的で意味深なフレーズになっている。この時期、詞にも2人の作風の違いがより明確になっていくのだが、実に興味深い事である。

「デイ・トリッパー」とのカップリングでビートルズのシングル初の両A面扱いとなり、全英1位、全米チャートでは4週連続1位、ミリオンセラーを記録した。

メンバー4人が演奏しているこの曲のビデオ・クリップを見ることが出来るが、これは世界初のプロモーション・ビデオと言われている。 それにしても何故この邦題なのか??

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


彼ら2作目の主演映画の主題歌として65年7月23日にリリースされた10枚目のシングル曲。全英、全米1位を獲得。タイトル・ナンバーとして5枚目のアルバム『ヘルプ!』にも収録されている。 ジョンの作品であるが、一部ポールも手伝って完成させている。

シャウトするリードボーカルはジョン、息の合ったバックコーラスはポールとジョージ。 スピード感溢れるビートルズのポップサウンドであるが、アコースティックギターの響きが当時台頭していたフォーク・ロックを感じさせる。 サビの終わり際に聴こえるジョージのアルペジオのギターが面白い。

自分自身を振り返るような内省的な歌詞は、それまでの“男女の愛”のテーマとは明らかに異なるものである。 この歌詞の先鋭化はボブ・ディランの影響を受けているし、ジョンの鋭い嗅覚が時代の変化を感じた結果なのかも知れないが、この時点で彼らの“変化”に気づいたファンはいなかったであろう。 ジョンの意識改革は同年暮れのアルバム『ラバー・ソウル』ではっきりと顕在化することになる。 デビューからアイドルグループとして疾走してきた彼らが初めて“脱アイドル”を示唆した点は大きい。 解散後のインタビューでジョンはこの曲を再録音したいと言っていた。彼のお気に入りだったのだろう。

モノ・ミックスはリードボーカルが別テイクで少しエコーが掛かっている。テンポも少しスローだ。 因みにアメリカ編集版のアルバム『ヘルプ!』には、冒頭にジェームズ・ボンドのテーマが挿入されたバージョンを聴く事ができる。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


6枚目のアルバム『ラバー・ソウル』に収録された、ポールが作った非常に美しいラヴ・バラード。 ジョンとジョージの淡々としたコーラスをバックにポールのリードボーカルも感情を抑え気味でとてもクールな印象を与えている。 詩の一部にフランス語が用いられ、曲調もシャンソン風だ。 ジョージが弾く中間部のギター・ソロもとてもお洒落である。

オープニングとサビに使われているアコースティックギターの半音づつ下降するフレーズはポールが演奏するクリシェ奏法。 ポールはビートルズ解散後の初のソロ・アルバム『マッカートニー』に収録された「ジャンク」という曲でもクリシェの名演を披露している。

シングル・カットはされていないが、「イエスタデイ」に匹敵する名曲であり、多くのアーティストにカバーされている。 66年度グラミー賞においてポールは最優秀楽曲賞を受賞している。

原田真二の「キャンディ」や荒井由美の「ベルベット・イースター」とかはこの曲に影響を受けたものではないか。←違うかな?

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


5枚目のアルバム『ヘルプ!』に収録された、ビートルズ初となるバロック・ポップの傑作。 おそらくビートルズ全作品中最も有名な曲であり、また最もカバーの多い曲として『ギネス』認定もされている。

最初ポールは夢でこの曲のメロディが自然に浮かんだため、「誰かの曲かと思いみんなに聞かせて回ったけど、誰もこのメロディを知らないので僕のオリジナル曲だと判ったんだ。作ろうと思って書けるメロディじゃないよ」と語っている。 まだ歌詞が出来ていない頃のこの曲のタイトルは「スクランブル・エッグ」。 完成した歌詞は失恋を想わせるが、亡き母メアリーへの想いを綴ったそうだ。

グループ初のストリングス・アレンジであるが、ポールは「マントヴァーニなんか嫌だ!」と大げさなオーケストレイションを拒否していた。「ではカルテットでどうか?」というジョージ・マーティンの提案で弦楽四重奏に落ち着いたという。 そのストリングのスコアはマーティンが書いたが、一部ポールのアイディアも採用されているそうだ。 僅か2テイクでOKとなったレコーディングは、ポールによるアコースティックギターの弾き語りで行われた。他のメンバーは参加していないので、実質ポールのソロ作品といえるかも知れない。 1回目のサビの終わりだけボーカルにダブルトラック処理とエコーがかけられている。

アメリカでは「アクト・ナチュラリー」とのカップリングでシングルカットされ4週連続1位、ミリオンセラーを記録した。 今でもポールお気に入りの1曲で、コンサートでは定番。66年の日本公演でもエレキギターをバックに演奏されている。 また、84年の自身の主演映画『ヤァ!ブロードストリート』でもブラス・アレンジの演奏シーンを見ることができる。 2000年に行われたローリングストーン誌とMTV共同のグレイテスト・ポップソング100選で堂々1位に選出された。

ポールの怪物的な才能を示す作品であると同時に、ビートルズの新たなファンを掴む事になった記念碑的な存在でもある。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


アルバム『ビートルズ・フォー・セール』に先行して、64年11月27日にリリースされた8枚目のシングル曲。 ジョンの作品で、5週連続1位を記録した。

オープニングのギターのフィードバックはスタジオで偶然発生したものを採用したと言われている。 66年の日本公演でもこの曲が演奏され、ジョンはフィードバック奏法を披露している。 「涙の乗車券」や「デイ・トリッパー」の萌芽ともいえる独特のギターリフがとても印象的である。 リズム&ブルースがサウンドの根底にあるが、サビのコーラスではビートルズ・ミュージックの真髄を聴かせる。 リンゴの巧みなドラムも黒っぽいフィーリングに溢れている。 力強いリードボーカルはジョン、コーラスはポールとジョージ。この圧倒的なボーカルがこの曲の最大の魅力である事は言うまでも無い。

No.1ヒットシングルのみで構成されたベストアルバム『1』の2015年版には、素晴らしいボーカルが堪能できる新たなリミックスが登場。

又、『ザ・ビートルズ1962-1966』通称“赤盤”の2023エディションには、軽快なシンバルと共に左からタムがはっきりと聴こえる。2024/3追記

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


13枚目のシングル曲として66年8月5日にアルバム『リボルバー』と同時にリリースされた。全英、全米共に第1位を記録。

ポールが子供の唄として作った遊び心満載の作品で、歌詞の一部を歌手のドノヴァンが手伝っている。 リードボーカルはリンゴが担当、コーラスはジョン、ポール、ジョージの3人による合唱。 英国ではリンゴのリードボーカルのシングル曲はビートルズ時代ではこの曲が唯一。 (但しアメリカでは「マッチ・ボックス」「アクト・ナチュラリー」「消えた恋」がシングル・カットされている)

水の入ったバケツを使って波の音を出したり、エンジン音や汽笛など様々な効果音を手作りで録音、イエロー・サブマリン号航海の様子を描写している。 コミカルな添乗員の掛け声はジョン、エンディングにおけるコーラスはスタジオに居合わせた全員による大合唱。 2年後の68年公開のアニメ映画『イエロー・サブマリン』のメイン・テーマソングとなった。

99年のリミックス・アルバム『イエロー・サブマリン~ソングトラック~』には臨場感が半端無いニュー・ステレオ・ミックスが聴ける。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Ringo



【アナログB面】

64年3月20日に発表されたポールが作った6枚目のシングル曲。3週連続全英1位を記録。 予約だけでも100万枚(アメリカでは210万枚)を越えたシングルとしてギネスブックに載った曲としても有名。 アメリカのチャートで上位5位を独占していた時のトップがこの曲であった。

イントロなしのポールのシャウトで始まるこの曲は、彼らには珍しいシャッフル・ビートの効いたハードな作品。 リズム&ブルース風のベース・ラインが黒っぽいロック曲に仕上げている。 ジョージが弾く非常にワイルドな間奏のギターはダブルトラックである。 レコーディングは64年1月のフランス公演中、パリのEMIスタジオで行われた。

3枚目のアルバム『ハード・デイズ・ナイト』にも収録され、同名の映画ではリハーサルが終わり外に飛び出したメンバー4人がはっちゃけて開放感を満喫する印象的なシーンで使用されている。

モノミックスには全編シンバルが鳴り響いているが、これはミキシング時にエンジニアのノーマン・スミスによって追加されたもの。 そのマルチトラックテープは残っていないため、ハイハットが入ったモノ・ミックスバージョンのリミックスは作る事が出来ない。 『ビートルズ・アンソロジー1』にはジョンとジョージのコーラスが入った初期テイクを聴く事が出来る。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


ジョンが敬愛するラリー・ウィリアムズが59年に発表した乗りのいいロックンロール。 激しくシャウトするリードボーカルはジョン。ドスの効いた迫力ある声はジョンの真骨頂といえる。演奏も非常にワイルドである。

アルバム『ヘルプ!』のセッション中の65年5月、アメリカのキャピトル・レコードが新曲を2曲要求してきたため、同じくラリーの曲「ディジー・ミス・リジー」と一緒にレコーディングされた。 アメリカでは65年6月に編集アルバム『ビートルズⅥ』に収録されたが、イギリスでは66年のクリスマス用アルバム『オールディーズ』で初めて発表された。

作者:L.Williams

リード:Johnl


ジョンの作品で、一部ポールが協力して完成させている。リードボーカルも2人によるものだが、ポールの声が目立っている。

アルバム『ラバー・ソウル』と同日、66年12月3日に発売された11枚目のシングル曲。全英ナンバー・ワンを記録。 ビートルズ初のドラッグ・ソングといわれ、タイトルの「デイ・トリッパー」には“ドラッグでトリップした人”という意味を含む。 非常に印象的なギターリフはジョージのプレイで、ポールのベースも同じフレーズをユニゾンでなぞっている。 ドライブ感抜群のリンゴのドラミングも当時としては斬新であった。 軽快なビートルズ・ミュージックであるのだが、それまでのヒット曲とは何か違うドライで大人の雰囲気が感じられる佳曲である。

メロディックで親しみやすい「恋を抱きしめよう」がシングルA面候補であったが、ジョンがこの曲をイチ押し!イギリスのレコード業界初の両A面という表記でリリースされた経緯がある。

65年11月末にこの曲のビデオ・クリップが制作されたが、「アイ・フィール・ファイン」、「涙の乗車券」、「ヘルプ!」、「恋を抱きしめよう」も同日に撮影されている。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John,Paul


同名映画の主題歌で、64年7月10日に7枚目のシングル曲としてリリースされた。3週連続1位を記録。同じ日に発売された同名アルバムにも収録。

ジョンの作品であるが、タイトルは忙しい映画の撮影中にリンゴが呟いた「なんて忙しい日なんだ…」から引用されている。つまり撮影当初はこの曲はまだ完成していなかったのだ。 リードボーカルはジョン、ハーモニーはポール。中間部のサビはポールがリードボーカルを歌っている。 ジョージが弾くオープニングの12弦ギターの響きが印象的であり、間奏のソロパートは早すぎるためにテープ速度を落として録音したと言われている。但し、後のコンサートではちゃんと弾いている。 ピアノはジョージ・マーティンの演奏。また非常に多くのパーカッションが使われているのも特徴で、これまでに無い音の厚みを感じさせる編曲である。 ビートルズ作品の中でも特に人気が高く、初期の代表作になっている。

『ビートルズ・アンソロジー1』にはポールとジョージのバック・コーラスが入った初期テイクを聴く事が出来る。

因みに邦題は「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」というダサいもの(汗)で、最近ではこの表記は見かけなくなった。 (これは映画評論家の水野晴郎氏が命名したといわれている)

個人的には笑福亭鶴瓶がMCを務めた80年代のバラエティ番組『突然ガバチョ!』のオープニング・ナンバーのイメージが強いです。

“赤盤”の2023エディションに素晴らしいリミックスを収録!衝撃のオープニング!バスドラの迫力、軽快なパーカッション(特にボンゴ)、未聴の方は是非!2024/3追記

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John,Paul


65年4月9日に発表された「アイ・フィール・ファイン」に続く9枚目のシングル曲。全英、全米で1位を獲得。

ジョンが作ったリズム&ブルース調のロックンロール。 リードボーカルはジョン、終始歌われる高音のハーモニーはポール。 オープニングから繰り返される12弦ギターの独特のリフはジョージ、間奏とエンディングの粘っこいリードギターはポールによるもの。 微妙にアクセントが変化していくリンゴのドラムパターンが素晴らしいが、ポールのアイディアだという。当時ポールはこの曲にハマッていたそうだ。 5枚目のアルバム『ヘルプ!』にも収録されていて、映画では印象的なスキー場のシーンで使われている。

69年にはカーペンターズが彼らのデビュー曲としてカバーしているが、しっとりとしたラヴ・ソングにアレンジされたこちらの仕上がりも素晴らしい。

ドラムに隠れがちのジョージのギターはボリューム・ペダルを使ったヴァイオリン奏法。“赤盤”2023エディションのミックスで発見!(ビートルマニアの荒井さんに教えてもらいました)2024/3追記

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


66年6月10日にリリースされたイギリスにおける12枚目のシングル曲。 2週連続ナンバーワンを記録した。

ポールが初めて“男女の愛”以外をテーマにした作品で、小説家になりたい主人公の手紙を綴った内容になっている。 デビュー前、小説家になる事がポール自身の夢であったという。 リードボーカルはポール、バックコーラスはポール、ジョン、ジョージの多重録音で、ビーチ・ボーイズ風にアレンジしているとの事。 ポールのベースはオクターブを使う独特な奏法で、リンゴのドラムとのコンビネーションがドライブ感を強調している。 また、「ポポポポーン」という高音のベース音も特徴的で、この作品以降も好んで演奏される事になる。

ポールのベース・ラインはこの時期から急速に変化していくのだが、彼は60年代のモータウン黄金期のベーシスト、ジェームス・ジェマーソンの影響を受けた事をドキュメンタリー作品『マッカートニー 3,2,1』で明かしている。

曲の途中で2度フェードアウトするのも当時としては斬新だった。ステレオとモノ・ミックスではこのフェードアウトの処理が違っている。

この曲が発売されて1ヶ月も経たない6月30日から始まった日本公演でも演奏されたがメンバーは歌うのに苦労していた(ポールはくるくる回るマイクにも苦戦していたが・・)。 当時の音響技術も問題があったが、この時期の作品は既にステージでの再現が困難だったのだろう。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


ポールが書いたバロック・ポップの名作。 13枚目のシングル「イエロー・サブマリン」と両A面扱いでリリースされ、全英チャート1位を獲得。7枚目のアルバム『リボルバー』にも収録。

リードボーカル、コーラスはポールによる多重録音、オープニングと後半の2箇所のコーラスでジョンとジョージが歌っている。ポールのBメロのボーカルに左右の音を電気的にずらしてダブルトラックの効果を得るADT(Artificial Double Tracking)を採用している。 レコーディングはポール、ジョン、ジョージがボーカルのみの参加。演奏はストリングスのみ、編成は「イエスタデイ」の倍の8重奏。リンゴはこのセッションには不参加である。 ポールはこの曲でグラミー賞最優秀歌唱賞を受賞している。

エリナー・リグビーやマッケンジー神父といった架空の人物が登場する抒情詩で、詩の一部をジョンが手伝っている。 後にリバプールのセント・ピーターズ教会のウールトン共同墓地にまったくの偶然であるが、同姓同名エリナー・リグビーの墓があることがわかった。現在はリバプールにエリナー・リグビーの銅像があるそうだ。

唐突なオープニングとエンディング、嵐の如く鬼気迫る秀逸なストリングス・アレンジ、この斬新さが際立つ作風はそれまでのロックの常識を打ち破る創意溢れるものだ。

『イエロー・サブマリン~ソングトラック~』ではボーカルのADT加工を追加したリミックスを収録。ちょっとやりすぎでしょう、さすがにこれは(汗;)。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


「シー・ラヴズ・ユー」に続く英国5枚目のシングル曲。3週連続1位をマーク。 ジョンとポール2人の共作で、アメリカ市場を狙ってゴスペルを意識して作られたといわれている。

ハンドクリップも入った軽快な曲調はオープニングからエネルギーがほとばしる。そしてジョンとポールの情熱的なツインボーカルが圧倒的な勢いで迫る。 サビは1回目はユニゾン、2回目はハーモニーを聴かせる。

イギリスでミリオンセラーになった事を受け、1ヶ月後の12月26日にアメリカでもリリースされ翌年には8週連続全米1位を記録、何と500万枚以上を売り上げた。 この勢いに乗じて初渡米したビートルズは、人気テレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」への出演やワシントン・コロシアム、カーネギー・ホールでの公演も行われ、いわゆる"ビートルズ旋風"が全米を席巻する事になるのだ! アメリカのファーストアルバム『ミート・ザ・ビートルズ』のオープニングにも収録されたこの曲は、直後に社会現象となる「ブリティッシュ・インヴェイジョン」の象徴となり、今なお偉大なマスターピースとして語り継がれる事になる。

ドラマチックさを持ったこの傑作ナンバーは、世界のハートを鷲掴みにしたビートルズ初期の代表作である。 日本においてもこの曲が鮮烈のデビュー曲になっていて、我が国のファーストアルバムにもA面1曲目に収録された。 初の4トラックレコーディングを導入した点も特筆すべき点である。

No.1ヒットシングルのみで構成されたベストアルバム『1』の2015年版には、リンゴのバスドラが鮮明になった新たなリミックスを聴く事ができる。 “赤盤”の2023エディションで更に迫力を増したミックスが登場しました‼2024/3追記

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Jphn,Paul





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