基本データ
脚本
金城 哲夫
監督
樋口 祐三
技術監督
高野 宏一
放送日
昭和41年11月27日
視聴率
39.0%
ナレーター
浦野 光
ロケ地
静岡県伊豆シャボテン公園
東京都世田谷区の保育園
静岡県大室山
登場怪獣
ヒドラ
キャスト
ムラマツ隊長
小林 昭二
ハヤタ隊員
黒部 進
アラシ隊員
石井 伊吉
イデ隊員
二瓶 正也
フジ・アキコ隊員
桜井 浩子
大室山公園の警備員
金井 大
ムトウ・アキラ少年
榊原 秀春
飼育員
鈴木 治夫
ホームの保母
北川 恭子
トラックの運転手
中島 元
制作№
20
ストーリー
伊豆、深夜の大室山公園。
突如、公園の動物たちが暴れだすと、大室山の山頂が怪しく光った。
異変の連絡を受けた科学特捜隊、ムラマツ、ハヤタ、アラシが現場へ向かった。
「まるで山全体が電気を浴びているように光った」という警備員の証言を聞いた隊員たちは、山腹を調査したが異常は見られなかった。 しかし、大室山は半年前から急に木が枯れはじめ、動物たちの様子もおかしいという。
その頃、本部指令室のフジの元に少年が現れた。
「ぼうや何処から来たの?」
「大室公園の高源竜ヒドラが暴れるよ。早くしないと大変な事になるよ」
そう言って少年は立ち去った。
少年と入れ違いに入ってきたイデだが、誰ともすれ違ってないという。
守衛室にも確認したが誰一人出入りする者はいなかった。
ヒドラは少年が書いた絵だった
フジから高原竜ヒドラの話を聞いたムラマツらは、大室公園にある高源竜ヒドラの像を見ていた。
この石像は公園の設立を記念して全国の子供たちからデザインを募集して作った架空の怪獣だという。
当選したのは東京の小学生。
調べてもらうと2年前、当時小学3年生のムトウ・アキラ君だという事が判った。
ムトウ君がいる曙少年ホームに向かったフジとイデ。
2人はそこで少年が半年前に交通事故で亡くなった事を知った。
「山鳥の好きなあの子は夏休み一人で山に行って、その帰り国道87号線でトラックにぶつかって…」
それはひき逃げで、未だに犯人はわからないままだと保母は話した。
ヒドラは本当に居ると話していたムトウ少年は、ヒドラの絵が当選して石像が完成したときはそれは大変な喜びようだったらしい。
「あっ! この子だわ。本部に現れたのはこの子なの!」
ムトウ少年の遺影を見たフジは驚いた。
ウルトラマン現る
夜の大室山公園、警備をするムラマツら3人。
すると山頂が光輝き、地響きと共に山から翼を持った怪獣が現れた!?
高源竜ヒドラだ。
3人はスーパーガンで攻撃するが、ヒドラはそのまま空に飛び去って行った。
翌日、警視庁よりヒドラが国道87号線に現れ車を襲いながら東京に接近中との緊急通報が入った。 2機のビートルで出動、現場へ向かう中、ハヤタはヒドラが車を襲う理由について、少年の魂がヒドラに乗り移ったんだと考えていた。 そしてヒドラを発見、「ウルトラ作成第2号!」ムラマツの掛け声で攻撃を開始するビートル。 しかし、ハヤタとアラシが乗るビートルはヒドラと激突し、不時着してしまった。
腕を負傷したハヤタは避難所で手当てを受け、アラシは囮のトラックに乗ってヒドラを迎え撃つ。
予想通りアラシのトラックに襲い掛かるヒドラ、アラシのスパイダーショットがヒドラの胸に命中した。
怒ったヒドラはトラックを執拗に追いかけた。アラシが危ない!!
その時ハヤタはベータカプセルを点火した。
ヒドラの前に現れたウルトラマン。
ヒドラの背に少年の姿が!?
空へ飛び立つヒドラにスペシューム光線を発しようとしたその時、ヒドラの背中に少年の姿が!?
「ウルトラマン、ヒドラを殺してはいけないわ!」フジは叫んだ。
攻撃をやめたウルトラマンはそのまま空の彼方へ立ち去っていった。
ヒドラ像の前に集まる科学特捜隊員たち。
引き逃げ犯は自首して警察に捕まったそうだ。
「白鷺は乙女の化身だという伝説があるが、このヒドラも自動車事故で不幸な死を遂げた多くの少年たちの化身なのかも知れない」
ムラマツの言葉にイデが同調する。
「ヒドラは子供たちの守り神だったんですね。遠い、遠い昔から」
深夜、怪しく光る大室山