基本データ
脚本
南川 竜
金城 哲夫
監督
野長瀬 三摩地
技術監督
高野 宏一
放送日
昭和41年11月13日
視聴率
39.8%
ナレーター
石坂 浩二
ロケ地
神奈川県長沢浄水場
東京都島根会館
東京都東宝スタジオ
登場怪獣
ザラブ星人
にせウルトラマン
キャスト
ムラマツ隊長
小林 昭二
ハヤタ隊員
黒部 進
アラシ隊員
石井 伊吉
イデ隊員
二瓶 正也
フジ・アキコ隊員
桜井 浩子
ホシノ・イサム少年
津沢 彰秀
森田博士
土屋 嘉男
防衛庁長官
高田 稔
村木博士
森山 周一郎
宇宙局職員
勝部 義夫
住𠮷 正博
警察長官
土屋 詩朗
政府役人
山田 圭介
制作№
19
ストーリー
突然東京の街を地獄と化した恐ろしい霧。 この異変は直ちに科学センターに報告され、森田博士のグループが調査に乗り出した。 科学特捜隊のアラシとイデは市街のパトロール、ハヤタは東京一帯を上空から調査する事になった。 霧の中から400レントゲンという致死量の放射能が含まれるとのフジから報告があったため、ホシノ君はフジの助手を任される。
森田博士によると、この放射能を含む霧は宇宙由来のものだという。 「単なる自然現象ではない。このままだと東京は数時間で死の街になるだろう」
濃霧が立ち込めサイレンが鳴り響き騒然とする市街では、放射能防御バリアを装備したアラシとイデが警備を始めた。
すると黒い帽子とマントを被った怪しい人影が通る。
「おい、そんな恰好で外出すると放射能にやられるぞ」イデが肩を掴むと振り返ったその顔は人間ではなかった!?
恐れおののくイデはアラシと共に怪人を捕まえようとしたが、忍者のようにビルの壁に這いつくばった!
アラシがスパイダーを放つと、宇宙人のような姿の怪人はそのまま姿を消してしまった。
アラシが本部に報告すると「消えた!?アラシ何撃ってるんだ!!」とムラマツ。 するとアラシ達の背後に突如怪人が再び姿を現した。 「その男を責めるな。私が悪かったのだ」
本部のモニターにその宇宙人の姿が映し出された。
第8銀河系の中にあるザラブ星人だと名乗る宇宙人。
ザラブとは彼らの言葉で兄弟を意味するという。
日本で唯一宇宙語を翻訳できる本部の電子頭脳にテレパシーで話かけているザラブ星人。
「仲良く平和に暮らしていくことが我々のモットーだ。だから地球の諸君とも兄弟同士というわけだ。もっとも私たちが兄で君たちは幼い弟だが…」
地球に来た目的はそのうち判ると言う宇宙人に対し、「こいつが霧を降らせているんだ」とホシノ君は疑った。
一方、ビートルで東京上空を調査していたハヤタは、ひと月前に出発したはずの土星探検ロケットを成層圏で発見。
指令室に現れたザラブ星人!
「私が地球まで誘導してきたのだ」突如ザラブ星人が指令室に入ってきた!?
身構える隊員たちを制したムラマツは理由を尋ねた。 「軌道をどう間違えたのか、木星の回りを廻っていたんだ。もし私が発見しなかったらロケットは宇宙の藻屑と消えていたさ」 馴れ馴れしいザラブ星人を前に「嘘っぱちを並べやがって」と入れ込むアラシ。
どうすれば信用してくれるのかと言うザラブ星人に、「我々を苦しめているこの霧を消せるか」とムラマツは尋ねた。 「それが出来たら信用してもらえるかね」「信用しよう」
ムラマツ、アラシ、イデの3人はザラブ星人と共に深い霧が立ち込める市街地へ赴いた。
ザラブ星人が腕を横に伸ばすと、霧がみるみる晴れていくではないか!?
ザラブ星人は科特隊のお客として一室を与えられた。
翌日、ムラマツ、ハヤタ、イデも参加した宇宙局の対策会議が開かれ、進んだ科学を持つザラブ星人の処遇が話し合われていた。
同時刻、科学特捜隊本部ではフジが入れたコーヒーを飲んだアラシが気を失ってしまった。
実は本部の無線を使って秘密会議の会話を盗み聞きするためにフジに化けたザラブ星人の仕業だったのだ。
会議中にもかかわらず無線のアンテナを立て続けるイデも、ザラブ星人に洗脳されていたのである!
にせウルトラマンの前に
ムラマツたちが本部に戻ると、ザラブ星人を引き渡してほしいと宇宙局から職員が来ていた。
科学の中心グループの身に万が一の事があってはならない、そして彼は科特隊本部の電子頭脳が無いと会話できないため、ムラマツはザラブ星人の引き渡しを拒否。
そこにザラブ星人が現れると、ショートする電子頭脳!!
「私は宇宙局に行く」そう話すザラブ星人。「話せるのか!?」ザラブ星人は携帯用電子頭脳を持っていた!?
この携帯用電子頭脳の強い出力のせいで本部の電子頭脳がショートしたのだった。
「行こう、宇宙局へ」ザラブ星人は職員と共に宇宙局へ向かった。
不審感を持ったハヤタはザラブ星人の行動を追った。
アラシとフジは宇宙局のビル屋上から上空を飛び立つザラブ星人を確認。
その連絡を受けたハヤタはビートルで尾行した。
土星探検ロケットに乗り込んだザラブ星人は、そこで乗組員たちを洗脳していたのだ…!?
ザラブ星人の正体を知ったハヤタが地球へ帰還しようとした時、突然ビートル機内にザラブ星人が現れた。
「私の狙った星は皆互いに戦い滅んでいった。それが私の仕事なのだ。
ハヤタ君、君は多くの事を知りすぎたようだ。君は私のものだ。ウルトラマン!」そう言うとザラブ星人はハヤタを拉致してしまった。
科学特捜隊本部にウルトラマンが街を破壊しているという連絡が入った!? 「そんなバカな!?」
宇宙局の対策会議室。ザラブ星人が現れてこう告げた。 「ウルトラマンが暴れているそうですね。いつも怪獣が現れれば真っ先に出動する科学特捜隊が出動しないのは何故でしょうか?」
宇宙局のとある一室でハヤタは拘束ベルトを付けられていた。
ザラブ星人はハヤタがベータカプセルを持っていない事を確認すると、「地球は私が頂く」そう言ってその場から去った。
そこにベータカプセルを持って助けに来たホシノ君。
ホシノ君の涙が、絶対切れない拘束ベルトを外す奇跡を起こす!!
犯人はザラブ星人だった
再び市街に現れたウルトラマンがビルの破壊を開始した。
ハヤタはベータカプセルを点火!
本物のウルトラマンがスペシューム光線を放つと、ニセウルトラマンはザラブ星人の姿に!?
「やっぱり奴の仕業だったのか!」
ウルトラマンはスペシューム光線でザラブ星人にとどめを刺した。
「やっぱりウルトラマンは正義の味方だったんだ」ウルトラマンの勝利を見たホシノ君は胸をなでおろした。
振り向くと人間ではなかった!?