ヘルプ!
Help!

(アルバム)


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ビートルズのサントラ№2!!古典調からC&Wまで含むビートルズの創造性の驚異

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プロデュース:ジョージ・マーティン

Parlophone Revel 1965.8.6


ヒストリー

65年になってもビートルズ旋風は衰えず、前人未到のシェイ・スタジアムの野外コンサートでは55,600人の観客を動員、イギリスでは外貨獲得の功績を評価されメンバーにMBE勲章が与えられた。

一方、音楽シーンにおいてはボブ・ディランやバーズを中心としたフォークロックが台頭し、ロック界の流れが変わりつつあった。 ブリティッシュ・インヴェイジョンにおいて押されっぱなしのアメリカ勢が盛り返す時期である。

さて、7月にビートルズの2作目の主演映画『ヘルプ!(邦題「4人はアイドル」)』(監督リチャード・レスター)が公開されるが、彼らの音楽にも“変化”が見え始める。 それは、映画のタイトル曲「ヘルプ!」におけるジョンの心の叫びともいえる内省的な歌詞と、ポールの「イエスタデイ」ではっきり示されたこれまでの音楽スタイルからの脱却である。


アルバム解説

65年8月6日にリリースされたビートルズ5枚目のオリジナル・アルバム。 彼らの2作目となる主演映画のサウンドトラックとされているが、映画使用曲はA面だけ。 前作『ビートルズ・フォー・セール』同様カントリー色が強く、フォークロックの影響も感じられるが、各曲はよりオリジナリティある作品に仕上がっている。 初めて登場するエレクトリック・ピアノが随所に使われているのが印象的だ。

タイトル曲の『ヘルプ!』では単なる恋愛をテーマにした従来の歌詞とは異なる、より深遠な世界観の萌芽がみられる。 また、「悲しみはぶっとばせ」では初めて外部ミュージシャンを起用、「イエスタデイ」では弦楽4重奏をバックにポール1人だけでレコーディングを行うなど、グループの音楽性において新たな局面を迎えつつあることを暗示する内容となった。

アルバムジャケットは、映画のシーンから転用されているが、手旗信号は「HELP」を表わしてはいない。 キャピトルレーベルから発売されたアメリカ編集版『ヘルプ!』は映画で使用されたインストナンバーも収録された完全なサントラであるが、シタールやタブラなどインド楽器が頻繁に使用されていて、後にジョージがインド音楽に傾倒する事を考えると非常に興味深い。 尚、当時日本におけるアルバムの邦題は『ヘルプ!4人はアイドル』である。

小生の好き度

★ ★ ★ ★ ★

彼ら2作目の主演映画の主題歌として65年7月23日にリリースされた10枚目のシングル曲。全英、全米1位を獲得。 ジョンの作品であるが、一部ポールも手伝って完成させている。

シャウトするリードボーカルはジョン、息の合ったバックコーラスはポールとジョージ。 スピード感溢れるビートルズのポップサウンドであるが、アコースティックギターの響きが当時台頭していたフォークロックを感じさせる。 サビの終わり際に聴こえるジョージのアルペジオのギターが面白い。

自分自身を振り返るような内省的な歌詞は、それまでの“男女の愛”のテーマとは明らかに異なるものである。 この歌詞の先鋭化はボブ・ディランの影響を受けているし、ジョンの鋭い嗅覚が時代の変化を感じた結果なのかも知れないが、この時点で彼らの“変化”に気づいたファンはいなかったであろう。 ジョンの意識改革は同年暮れのアルバム『ラバー・ソウル』ではっきりと顕在化することになる。 デビューからアイドルグループとして疾走してきた彼らが初めて“脱アイドル”を示唆した点は大きい。 解散後のインタビューでジョンはこの曲を再録音したいと言っていた。彼のお気に入りだったのだろう。

モノ・ミックスはリードボーカルが別テイクで少しエコーが掛かっている。テンポも少しスローだ。 因みにアメリカ編集版『ヘルプ!』には、冒頭にジェームズ・ボンドのテーマが挿入されたバージョンを聴く事ができる。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ポール自身が気持ちよさそうに歌っているアップテンポな彼の作品。 コーラスはジョンとジョージ。間奏の2本ギターソロはポール、ビートルズ作品としては始めて登場するエレクトリック・ピアノはジョンが演奏している。 ポールはこのアルバムで自分のスタイルをほぼ確立したようで、この作品でもオリジナリティ溢れる仕上がりを見せている。 映画では草原の中の演奏シーンとして登場する。

モノ・ミックスはボーカルがノン・エコーなので、かなり印象が違って聴こえる。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


明らかにボブ・ディランの影響を受けたフォークロック調のジョンの作品。ジョンの歌い方もディラン風である。 エンディングでは外部ミュージシャンによるフルートが挿入されているが、これは彼らの作品中、初めての使用された管楽器である。 「アイム・ア・ルーザー」同様、歌詞は自分の自信の無さを自虐的に吐露したもの。邦題とはかなりニュアンスが違う。

ジョンは当時ディランに心酔していたそうだが、ディランもビートルズの「抱きしめたい」に触発されフォーク・ギターからエレキ・ギターに持ち替えたとも言われている。 ディランは翌年にはビートルズ風メロディーを持つ「アイ・ウォント・ユー」を発表している。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


セカンドアルバム収録の「ドント・バザー・ミー」以来となるジョージの自作曲。 少し感傷的なフォーク調の曲で、ジョージが弾くギターはボリューム・ペダルを使用した“バイオリン奏法”である。

本アルバムではジョージの作品が2曲収録されているが、以後、彼の作品はビートルズ・ミュージックの一翼を担うように必ずアルバムに収録される事になる。

作者:G.Harrison

リード:George


ポールの作品で、リードボーカルも彼のダブルトラック。トレモロを効かせたギター・ソロもポールのプレイ。コーラスはジョンとジョージ。 サビでは独特の転調を聴かせるセンスの良い軽快なポップ・ロックとなっている。

映画ではバハマの海岸でこの曲を演奏している。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


ジョンの作品で、ダブルトラックのリードボーカルも彼。ポールとジョージの息の合った掛け合いのコーラスが軽快な作風に拍車を掛けている。 ポールのエレキ・ピアノとリンゴのボンゴがフィーチャーされた佳曲である。この曲もサビが絶妙に転調する。

映画ではEMIスタジオで4人がレコーディングしている印象的なシーンで演奏された。 しかしこの邦題、なんとかならなかったのかなぁ。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


65年4月9日に発表された「アイ・フィール・ファイン」に続く9枚目のシングル曲。全英、全米で1位を獲得。

ジョンが作ったリズム&ブルース調のロックンロール。 リードボーカルはジョン、終始歌われる高音のハーモニーはポール。 オープニングから繰り返される12弦ギターの独特のリフはジョージ、間奏とエンディングの粘っこいリードギターはポールによるもの。 微妙にアクセントが変化していくリンゴのドラムパターンが素晴らしいが、ポールのアイディアだという。当時ポールはこの曲にハマッていたそうだ。 映画『ヘルプ!』では印象的なスキー場のシーンで使われている。

69年にはカーペンターズが彼らのデビュー曲としてカバーしているが、しっとりとしたラヴソングにアレンジされたこちらの仕上がりも素晴らしい。

ドラムに隠れがちのジョージのギターはボリューム・ペダルを使ったヴァイオリン奏法。『ザ・ビートルズ1962-1966』通称“赤盤”の2023エディションのミックスで発見!(ビートルマニアの荒井さんに教えてもらいました)2024/3追記

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


オリジナルはポニー・モリソンとジョニー・ラッセルのC&W作品で、バック・オーウェンズが63年にヒットさせている曲。 リードボーカルはカントリー好きのリンゴ、途中から入るハイトーンのハーモニーはポールによるもの。

アメリカでは「イエスタデイ」のB面としてシングルカットされている。日本では逆にこの曲がA面であった。 リンゴは89年にオーウェンズのアルバムで本作を演奏している。

作者:V.Morrison - J.Russell

リード:Ringo


力強いリズムギターが印象的なジョンが作ったラテン調のラヴソング。 リードボーカルもジョンであるが、彼自身「ビートルズ時代の最も嫌いな曲」だそうで、「特に詞が最悪」と語っている。 サビの展開などサウンドは素晴らしいが、本人は気に入っていなかったようだ。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:John


ジョージの作品でリードボーカルとハーモニーも彼の多重録音。 ジョージにしては珍しいキーボードを中心としたサウンド構成がおもしろい。 ジョージ、ポール、ジョージ・マーティンが普通のピアノ、ジョンがエレクトリック・ピアノを弾いている。

作者:G.Harrison

リード:George


ポールの作品で、リードボーカルはジョンとポールのハーモニー。 ドラム、タンバリン、ウッドブロックなどのパーカッションが特徴的なミディアムテンポの曲。 こすったような音はジョンによるギロ、エレクトリック・ピアノはポールの演奏。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul,John


ビートルズの作品の中でも異色のこの曲は、ポールが作ったカントリー・フォーク調のバラード。 ジョージ、ポール、ジョンによる3本のアコースティックギターが印象的で、オープニングから息を呑むサウンドが展開される。

リードボーカルはポールで、サビでは彼の多重録音によるハーモニーを聴く事が出来る。 ポールお気に入りの曲らしく、解散後のライブでも度々演奏されている。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


ビートルズ初となるバロック・ポップの傑作。 おそらくビートルズ全作品中最も有名な曲であり、また最もカバーの多い曲として『ギネス』認定もされている。

最初ポールは夢でこの曲のメロディが自然に浮かんだため、「誰かの曲かと思いみんなに聞かせて回ったけど、誰もこのメロディを知らないので僕のオリジナル曲だと判ったんだ。作ろうと思って書けるメロディじゃないよ」と語っている。 まだ歌詞が出来ていない頃のこの曲のタイトルは「スクランブル・エッグ」。 完成した歌詞は失恋を想わせるが、亡き母メアリーへの想いを綴ったそうだ。

グループ初のストリングス・アレンジであるが、ポールは「マントヴァーニなんか嫌だ!」と大げさなオーケストレイションを拒否していた。「ではカルテットでどうか?」というジョージ・マーティンの提案で弦楽四重奏に落ち着いたという。 そのストリングのスコアはマーティンが書いたが、一部ポールのアイディアも採用されているそうだ。 僅か2テイクでOKとなったレコーディングは、ポールによるアコースティックギターの弾き語りで行われた。 他のメンバーは参加していないので、実質ポールのソロ作品といえるかも知れない。 1回目のサビの終わりだけボーカルにダブルトラック処理とエコーがかけられている。

アメリカでは「アクト・ナチュラリー」とのカップリングでシングルカットされ4週連続1位、ミリオンセラーを記録した。 今でもポールお気に入りの1曲で、コンサートでは定番。 66年の日本公演でもエレキギターをバックに演奏されている。 また、84年の自身の主演映画『ヤァ!ブロードストリート』でもブラス・アレンジの演奏シーンを見ることができる。 2000年に行われたローリングストーン誌とMTV共同のグレイテスト・ポップソング100選で堂々1位に選出された。

ポールの怪物的な才能を示す作品であると同時に、ビートルズの新たなファンを掴む事になった記念碑的な存在でもある。

作者:J.Lennon - P.McCartney

リード:Paul


シャウトするボーカルはジョンで、彼得意の激しいロックンロールである。 オリジナルはラリー・ウィリアムズの自作自演曲。 ジョンは69年のトロントにおけるソロのライブでもこの曲を取り上げている。

同じくラリー作の「バッド・ボーイ」もジョンのリードボーカルで同じ日にレコーディングされているが、こちらは選曲に漏れ、翌年のクリスマス用のベストアルバム『オールディーズ』(未CD化)に収録された。 現在「バット・ボーイ」は編集CD『パスト・マスターズVol.1』で聴く事が出来る。

作者:L.Williams

リード:John





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