イエロー・サブマリン
Yellow Submarine
(アルバム)
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ビートルズ風メルヘンとサイケデリアの世界。ロック初の本格的アニメ・フィルムのサントラ盤
前のアルバム 次のアルバムプロデュース:ジョージ・マーティン
Apple Revel 1969.1.17
曲目リスト
1. | イエロー・サブマリン | Yellow Submarine |
2. | オンリー・ア・ノーザン・ソング | Only A Northern Song |
3. | オール・トゥゲザー・ナウ | All Together Now |
4. | ヘイ・ブルドッグ | Hey Bulldog |
5. | イッツ・オール・トゥ・マッチ | It's All Too Much |
6. | 愛こそはすべて | All You Need Is Love |
7. | ペパーランド | Pepperland |
8. | シー・オブ・タイム | Sea of Time |
9. | シー・オブ・ホールズ | Sea of Holes |
10. | シー・オブ・モンスターズ | Sea of Monsters |
11. | マーチ・オブ・ミーニーズ | March of the Meanies |
12. | ペパーランド・レイド・ウエイスト | Pepperland Laid Waste |
13. | イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド | Yellow Submarine in Pepperland |
ヒストリー
ビートルズを題材にしたアニメーション映画は、ブライアン・エプスタインのマネーシャー時代から企画検討されていた案件であった。 当初アニメ制作に興味を示さなかったメンバー達も、ポップ・アートに彩られた芸術性の高い作品の内容を知った後は態度を改め協力的になったという。
68年7月17日に公開された映画『イエロー・サブマリン』は興行的にはいまいちだったものの、ビートルズ・ミュージックの本質を描いた芸術性はマスコミから高く評価された。 しかし、ビジネス面での混乱は増すばかり、アップル・コアの経営は悪化の一途をたどる事に。 (アップルで成功した分野は唯一レコード部門だけである)
情況を案じたポールは、もう一度昔のようにグループが一体となるためライブのアルバム制作を唱える。 そして“ゲット・バック・セッション”と呼ばれるレコーディングと撮影が始まるのであった。
アルバム解説
68年7月17日に公開された同名アニメーション映画のサウンド・トラック。 映画公開から半年後の69年1月17日にリリースされた10枚目のオリジナル・アルバムである。
映画のタイトルになった「イエロー・サブマリン」、「愛こそはすべて」の既発曲と映画用の4曲を加えたビートルズの楽曲6曲、映画で使用されたジョージ・マーティン作曲・編曲のインストルメンタル7曲という構成。
映画の企画・製作は67年頃から進められていたが、企画を同意していたマネージャーのブライアン・エプスタインが8月に急逝した事で、ビートルズのサウンド・トラック制作の意欲は低いものだった。 当時、グループのメンバーはアニメについてまったく関心が無く、曲の出来が悪いと「これはアニメ映画にくれてやろう」とジョークを飛ばしていたそうだが、新曲4曲は別アルバムのセッションの合間にレコーディングされている。 しかし、インドから戻り作成途中の映画の試写を見たメンバー達は内容が単なる子供向けではなくビートルズ・ミュージックの本質を見事に描いた優れた芸術作品だと知り、映画のラスト・シーンに登場したり、映画のプレミアム・ショウに出演している。
99年には映画で使用されたビートルズの曲をリミックスした『イエロー・サブマリン ~ソングトラック~』がリリースされたので、こちらも是非チェックしてください。
ビートルズが主人公のアニメーション映画『イエロー・サブマリン』のテーマ曲。 元々は映画公開の2年前、13枚目のシングル曲として66年8月5日にアルバム『リボルバー』と同時にリリースされたもの。全英、全米共に第1位を記録。
ポールが子供の唄として作った ジョンがヴァース、ポールがサビを書き、子供の唄として作った 遊び心満載の作品で、歌詞の一部を歌手のドノヴァンが手伝っている。 リードボーカルはリンゴが担当、コーラスはジョン、ポール、ジョージの3人による合唱。 英国ではリンゴのリードボーカルのシングル曲はビートルズ時代ではこの曲が唯一。 (但しアメリカでは「マッチ・ボックス」「アクト・ナチュラリー」「消えた恋」がシングル・カットされている)
水の入ったバケツを使って波の音を出したり、エンジン音や汽笛など様々な効果音を手作りで録音、イエロー・サブマリン号航海の様子を描写している。 コミカルな添乗員の掛け声はジョン、エンディングにおけるコーラスはスタジオに居合わせた全員による大合唱。
99年のリミックス・アルバム『イエロー・サブマリン~ソングトラック~』には臨場感が半端無いニュー・ステレオ・ミックスが聴ける。
不協和音やテープループが多用されたジョージが作ったサイケデリック・ソング。 アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のセッション中にレコーディングされたが、ボツになっていたもの。
リード・ボーカルはジョージ。 「ノーザン・ソング」とはビートルズの楽曲の版権を管理している会社の名前。ジョージ自身が株主でない事を皮肉っているとも言われている。 様々な効果音がきらびやかで幻想的な雰囲気を醸しだしている。映画ではシュールな「科学の海」のシーンで使用された。
それまでは擬似ステレオであったが、『イエロー・サブマリン ~ソングトラック~』ではリアル・ステレオ・ミックスでサウンド・トリップを楽しめる。
手拍子やハーモニカが楽しげな雰囲気を持つポールが作った童謡風の曲。リード・ボーカルはポール、中間部ではジョンのリード・ボーカルも聴こえる。 ビートルズ初期の作品にも通じる軽快なポップ曲である。 テレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』用のセッション期間中にレコーディングされている。
アニメ映画『イエロー・サブマリン』ではエンディングに使用され、「All Together Now」の各国の言語がスクリーンに映し出される(日本語は「それでは皆さん御一緒に」)。
ジョンが作った重金属のようにヘビーでタイトなロック曲。
シングル「レディ・マドンナ」用のビデオクリップ用の撮影日に一気にレコーディングされている。 なのでプロモ「レディ・マドンナ」の演奏シーンはこの曲のセッション風景である。 ビートルズはこの曲を仕上げた4日後にインドのリシケシュへ発った。
鋭くシャウトするリード・ボーカルはジョン、コーラスはポール。ピアノ、ギター、ベースが独特のリフを繰り返し、ドラムがグイグイ引っ張る素晴らしい仕上がりだ。 映画では4匹がくっついたブルドックが登場するシーンで使われたが、奇形を嫌うアメリカに配慮して、劇場ではこの曲のシーンはカットされて上映された。
『イエロー・サブマリン ~ソングトラック~』ではジョンのボーカルとリンゴのドラムが迫力を増したミックスを聴く事ができる。
ジョージが作ったアニメ映画用の曲。リードボーカルもジョージ。
パーカッションが多用された華やかなサウンドであるが、インド音楽に影響を受けたメロディ・ラインと歌い方だ。 冒頭のジミー・ヘンドリックスを意識したフィード・バックのギターはポールが弾いているといわれているが、真相は不明。 「ペニー・レイン」でソロを演奏したデビッド・メイソンがトランペットで参加している。 不思議な反響音はリンゴのスネアドラムと手拍子か?
この曲もテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』用のセッション期間中にレコーディングされている。
67年7月7日にリリースされた15枚目のシングル曲。
この年の6月25日に31ヶ国で同時生放送された衛星放送「アワ・ワールド」でこの曲のレコーディング風景が披露された。 日本ではNHK総合テレビで「われらの世界」というタイトルで放送されている。 その時の録音テープに幾つか追加して2週間後にシングル・レコードとして発表、全英、全米ともにナンバーワンヒットを記録した。
ジョンの作品で、リードボーカルも彼のダブルトラック。普遍的な愛をテーマにした歌詞で、4拍子と3拍子を組み合わせた変拍子が特徴的である。 珍しくジョンがハープシコードを、ポールはウッド・ベース、ジョージはヴァイオリンを演奏している。 イントロにフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を引用し、エンディングにバッハの「インヴェンション8番」、グレン・ミラー楽団の「イン・ザ・ムード」のイントロ部分、イングランド民謡「グリーンスリーブス」、ビートルズの「シー・ラヴズ・ユー」、「イエスタデイ」などの1節が挿入されている。
祝福ムード漂う最後の大合唱にはエリック・クラプトンやミック・ジャガー、キース・リチャーズ、マリアンヌ・フェイスフル、パティ・ボイド、ジェーン・アッシャー、キース・ムーンらが参加している。
曲の内容がアニメ『イエロー・サブマリン』のテーマにピッタリだったため、「イッツ・オール・トゥ・マッチ」と共に映画のクライマックスに使われている。
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