小生のビートルズ思い出話




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ビートルズとの出会い

 小学校5年生の頃だったと思う。「音楽を聴きたい」という小生の“思いつき発言”がきっかけとなり、我が家に大きなステレオがやってきた。 最初に買ったレコードは…確か「およげ!たいやきくん」。 その頃聴いていたのは、ピンク・レディーの「UFO」や吉幾三の「俺はぜったい!プレスリー」など歌謡曲のシングル盤で、洋楽とは無縁だった。

“ずーとるび”は知っていたがビートルズについてはまったくの無知だった少年時代、唯一の接点は年上でお兄さん的存在だった従兄弟の“裕ちゃん”がビートルズの熱狂的ファン、という事ぐらいだったと思う。 “とっつきにくい芸術家”、漠然とだがそれがビートルズに抱く小生のイメージだった。 裕ちゃんの影響でビートルズはずっと気になる存在だったものの、少しハードルが高いと感じていたのだ。 小学6年生の時、FMラジオで偶然聴いた「イエスタデイ」がたぶん最初のビートルズ体験。DJのおねえさんが『次の曲は、えっ!?ビートルズの「イエスタデイ」です!』と驚いていたのが印象的だった。そして、めちゃくちゃ大人ですごい曲だと圧倒されたのを今でもはっきり覚えている。

ちゃんとビートルズのレコードを聴き始めたのは高校生になってから。 同級生にコアなビートルズ・ファン“馬場勇次君”の影響だったと思う。1983年ある春の日、新潟の大和デパートへ出かけたのだった。 レコード売場でビートルズを探すと、ありました!“ビートルズLP”コーナー! 予備知識なんか無く、まずはデビューアルバムを探した。 曲目や簡単な紹介文が書かれた“紙の帯”を頼りに物色を開始。

色々あるな…

しかしすぐに問題発生! “イギリス編集盤”、“アメリカ編集盤”、“日本編集盤”っていうのもある。

あれ!?何を買えばいいのか? 現在CDではビートルズの楽曲はきれいに整備されているが、当時は各国の独自編集盤が乱立!?   今みたいにネットが無い時代、当時ビートルズのレコードジャングルに迷い込んだ人は多かったのでは!?

手に取ったのは“アメリカ編集盤”。 何故“アメリカ編集盤”にしたかというと、外国のものはとりあえずアメリカでしょっ、という安易な選択であった。 ビートルズがイギリス出身のグループという事すらその時の小生は知らなかった。 どうせなら1枚目から買い揃えたいと思ったのだが、あいにくその店にはアメリカ編集盤のファースト・アルバムが見つからなかった。 店員さんに聞くとか別のレコード店で捜すとかすれば良いのだが、そこにあるもので済ませてしまった。 (昔から後先考えずに行動していたのだ。そーゆーところは今も変わらない)

とにかく『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』2,500円 が最初に買ったビートルズのレコードだった。

『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』 (米国発売1964年4月10日)

セカンド・アルバム [A面]
  1. ロール・オーヴァー・ベートーヴェン
  2. サンキュー・ガール
  3. ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー
  4. デヴィル・イン・ハー・ハート
  5. マネー
  6. ユー・キャント・ドゥ・ザット
[B面]
  1. ロング・トール・サリー
  2. アイ・コール・ユア・ネーム
  3. プリーズ・ミスター・ポストマン
  4. アイル・ゲット・ユー
  5. シー・ラヴズ・ユー

アメリカにおける2枚目のアルバム。英国アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』から5曲(A面1,3,4,5,B面3)、英国シングル盤から4曲(A面2,6,B面4,5)、英国EP盤から2曲(B面1,2)という選曲。 全11曲中5曲がオリジナル作品。カバー6曲も秀作揃い。

想像してたのと違ってロックンロール色の強いグループだと思った。 実際この『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』にはハードなR&Rが多数収録されていた。 そして、アルバム各曲に深いエコーが掛かっていて、まるでステージでのライブ演奏のような音だった。(後に英国オリジナル盤を聴いた時、このアルバムの尋常でないリバーブに気が付くのであった) このアルバムの1押しがヒットシングル「シー・ラヴズ・ユー」らしい。 「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」や「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」など各曲どれもそんなに悪くない。いや、魅力的な曲ばかりだ。11曲全ての曲が好きになった。 中でもA面2曲目の「サンキュー・ガール」に不思議と惹かれた。 初めて買ったビートルズのレコード、我が家のターン・テーブルには暫く『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』が鎮座する事に。

約1ヶ月後、念願の米国ファースト・アルバム『ミート・ザ・ビートルズ』を購入。 ジャケット写真はあの超有名なモノクロのやつ。

『ミート・ザ・ビートルズ』 (米国発売1964年1月20日)

ミート・ザ・ビートルズ [A面]
  1. 抱きしめたい
  2. アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア
  3. ジス・ボーイ
  4. イット・ウォント・ビー・ロング
  5. オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ
  6. オール・マイ・ラヴィング
[B面]
  1. ドント・バザー・ミー
  2. リトル・チャイルド
  3. ティル・ゼア・ウォズ・ユー
  4. ホールド・ミー・タイト
  5. アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン
  6. ナット・ア・セカンド・タイム

アメリカにおけるビートルズのデビュー・アルバム。 英国アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』から9曲(A面4-6,B面1-6)、英国シングル盤から2曲(A面1,3)、英国ファースト・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』から1曲(A面2)という構成。 B面3以外、すべてオリジナル作品。

冒頭「抱きしめたい」で稲妻が走った!!

「シー・ラヴズ・ユー」は特別素晴らしい曲だとは思わなかったが「抱きしめたい」は別格であった。 「何だこの曲!!」魂の叫びのような超名曲、世間でビートルズが支持されている理由がわかった気がした。 A面はいずれも名曲揃い。 しかしB面は「ナット・ア・セカンド・タイム」以外ぱっとしなかったので、アルバムとしては『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』の方が好きだな。 それでも「抱きしめたい」のインパクトは絶大だった。 『セカンド・アルバム』同様、『ミート・ザ・ビートルズ』のA面は何度も何度も繰り返し聴いていた。

(ps.今では「ドント・バザー・ミー」や「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」などなど大好きです)

そろそろ「米国編集盤を購入した事は失敗だった」と気づき始めてはいたものの、次に購入したアルバムも米国編集アルバム『ジ・アーリー・ビートルズ』。 「プリーズ・プリーズ・ミー」を聴いた瞬間「あっ!!この曲知ってる!!」初めて知ってる曲が入ったレコードだった。

どの曲も個性的で魅力たっぷり、特に佳曲揃いのB面が素晴らしい!! 感傷的でエモい「ベイビー・イッツ・ユー」、今でも大好きな「P.S.アイ・ラヴ・ユー」の魅惑的なメロディに心が惹かれた。

『ジ・アーリー・ビートルズ』 (米国発売1965年3月22日)

アーリー・ビートルズ [A面]
  1. ラヴ・ミー・ドゥ
  2. ツイスト・アンド・シャウト
  3. アンナ
  4. チェインズ
  5. ボーイズ
  6. アスク・ミー・ホワイ
[B面]
  1. プリーズ・プリーズ・ミー
  2. P.S.アイ・ラヴ・ユー
  3. ベイビー・イッツ・ユー
  4. 蜜の味(ア・テイスト・オブ・ハニー)
  5. ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット

英国ファースト・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』から抜粋。 “ビートルズ初期傑作集”って…!?

このアルバムでビートルズにハマりました。。。 『ジ・アーリー・ビートルズ』は小生1番の“お気に入り”となった。 このアルバムは初夏の晴れた日が似合っている。休日は朝から晩までずっと聴いていたなぁ。

ただ、後から知ったのだがこのアルバム、イギリスのデビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』から11曲を抜粋したものだと判明!? それだったら同じ値段で14曲も入っているイギリスの『プリーズ・プリーズ・ミー』にすれば良かった…(汗)
何となく感じていた「米国編集盤を購入した事は失敗だった」という疑念が確信に変わった瞬間である。!!  ちょっぴりブルーになったのを覚えている。。(涙)



『ラバー・ソウル』と『オールディーズ』

何故英国オリジナルアルバムから聴き始めなかったのだろう、と後悔・自嘲・憤慨しつつ、「毒を食らわば皿まで」と半分意地になっていたのか、その後も米国編集アルバム『ビートルズ VI』と『ヘルプ!(四人はアイドル)』を続けて購入。

『ビートルズ VI』 (米国発売1965年6月14日)

ビートルズ VI [A面]
  1. カンサス・シティ
  2. エイト・デイズ・ア・ウィーク
  3. ユー・ライク・ミー・トゥ・マッチ
  4. バッド・ボーイ
  5. パーティーはそのままに
  6. ワーズ・オブ・ラヴ
[B面]
  1. ホワット・ユー・アー・ドゥーイング
  2. イエス・イット・イズ
  3. ディジー・ミス・リジー
  4. テル・ミー・ホワット・ユー・シー
  5. エヴリー・リトル・シング

米国編集盤、アルバム『ビートルズ・フォー・セール』から6曲(A面1,2,5,6,B面1,5)、アルバム『ヘルプ!』のB面から3曲(A面3,B面2,4)、シングルB面から1曲(B面2)、英国未発表1曲(A面4)という構成。
非常にじみーな1枚。

『ビートルズ VI』は内容が薄い印象。後から知ったが英国オリジナルアルバムの「ビートルズ・フォー・セール」と「ヘルプ!」からあまり目立たない曲が収録されたものだった。 帯には“「イエス・イット・イズ」を含む貴重盤!!”」と記載があったが、「イエス・イット・イズ」はヒスノイズが強くめっちゃ音がこもっていた。 (後日、シングル「涙の乗車券」のB面を聴いた時、そのクリアなサウンドに驚きました)

『ビートルズ VI』はビートルズのアルバムの中で最もターンテーブルに乗らなかったレコードだったような気がする。

『ヘルプ!(四人はアイドル)』は英国オリジナル盤に同名のアルバムがあるがこのアメリカ編集盤は中身が違う。オリジナル『ヘルプ!』のA面と映画で使用されたインスト曲で構成されたものだった。つまり完全なサントラ・アルバムだったのだ。

タイトル曲の「ヘルプ!」には冒頭に007ジェームス・ボンド風のイントロが付いた珍しいものだが、当時は知らなかったのでイントロ込みで「ヘルプ!」だと思っていた (ビートルズ好きの寛おじさんが家に遊びに来た時、この「ヘルプ!」を聴かせたところ、「なんじゃこりゃ???」ってなったのをよく覚えている・・)。

『ヘルプ!(四人はアイドル)』 (米国発売1965年8月13日)

ヘルプ! [A面]
  1. ヘルプ!
  2. ザ・ナイト・ビフォア
  3. フロム・ミー・トゥ・ユー・ファンタジー
  4. 悲しみはぶっとばせ
  5. アイ・ニード・ユー
  6. イン・ザ・チロル
[B面]
  1. アナザー・ガール
  2. アナザー・ハード・デイズ・ナイト
  3. 涙の乗車券
  4. ザ・ビター・エンド / ユー・キャント・ドゥ・ザット
  5. 恋のアドバイス
  6. ザ・チェイス

米国編集サントラ盤、アルバム『ヘルプ!』のA面から7曲(A面1,2,4,5,B面1,3,5)、映画挿入曲の5曲(A面3,6,B面2,4,6)という構成。 映画挿入曲にはインド楽器を使った興味深い編曲、A面冒頭のタイトル曲には007のジェームズ・ボンド風のイントロがつけられている珍品!

映画挿入曲のインストはシタールやタブラなどのインド楽器で演奏される風変わりな曲が多く、「アナザー・ハード・デイズ・ナイト」のメロディは「ああ、あの曲かぁ・・」と原曲が想像できるものの、完全にインド音楽だ。 この「アナザー・ハード・デイズ・ナイト」には「ハード・デイズ・ナイト」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「恋する2人」がメドレーで演奏されている。 (メドレーの曲名は大分後で判った事)
「フロム・ミー・トゥ・ユー・ファンタジー」はその名の通り幻想的なオーケストラの演奏曲で、不思議な魅力を持ったもの。当時は原曲の「フロム・ミー・トゥ・ユー」を知らなかったので後に衝撃を受ける事に。。 このアメリカ盤『ヘルプ!(四人はアイドル)』はどうゆう訳か好きなLPであった。 今でも「ザ・ナイト・ビフォア」や「アイ・ニード・ユー」を聴くと、あの蒸し暑い夏の日を思い出す。

そう、この年の夏は『ジ・アーリー・ビートルズ』を筆頭に米国編集アルバムを無心に聴き続けていたシーズンだった。

 秋風が吹く頃、ビートルズを聴き始めて半年程が過ぎただろうか。それまで米国編集アルバムしか聴いていなかったが、さすがに英国オリジナルアルバムが気になりだしていた。 何かの音楽雑誌を読んでいたらビートルズの傑作アルバムとして『アビイ・ロード』と『ラバー・ソウル』が紹介されていた。 そして遂に『アビイ・ロード』を購入!
『アビイ・ロード』はビートルズの最後の作品と言われているが、何故唐突に最終作品を選んだのだろうか?   “傑作”という言葉の魔力に血迷ったとしか言いようが無い。

案の定、『アビイ・ロード』を聴いて狼狽するのであった。 初期のビートルズしか知らない小生にとって『アビイ・ロード』の"音"はまるで別世界???、クリアで洗練されたサウンドだったが親しみやすさは無く圧迫感を覚えた。 全然ビートルズっぽくないと思い、まったく馴染めなかった。

さて、アビイ・ロードにショックを受けたものの、めげずもう1枚の噂の傑作『ラバー・ソウル』を恐る恐る購入。 不安を覚えながら聴いてみた。

結果は果たして。

それはまさに最高のアルバムだった!!   ドライで爽快感溢れる「ドライヴ・マイ・カー」、透明感がありしっとりとした「ノルウェーの森」、アルバムを支配する不思議な統一感!  作品に込められた作者の意欲が1曲1曲ひしひしと伝わってくる。 全曲ビートルズのメンバーが書いたオリジナル作品。 ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの個性の違いが今まで以上に明確になっている事にも気が付いた。 大人っぽいが、それでいてメロディーとサウンドは親しみやすい! 『ジ・アーリー・ビートルズ』を超えて文句なく1番のお気に入りになった。

『ラバー・ソウル』に魅了された小生は、次にベストアルバムの『オールディーズ』を入手する。

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このアルバムがまた素晴らしかった!

初期から中期にかけたビートルズのヒット・シングルがぎっしり詰まったこのアルバムに圧倒されました!!   胸躍る「フロム・ミー・トゥ・ユー」「恋を抱きしめよう」に感動!!   初めて聴く「エリナー・リグビー」の斬新なサウンド!!   6年ぶりの再会となった「イエスタデイ」に完全KOされてしまった。やはりこの曲は別格だと。 「ミッシェル」→「イエスタデイ」という最強の曲順、この珠玉のアルバムは、『ラバー・ソウル』、『ジ・アーリー・ビートルズ』と共に小生の愛聴盤になった。

秋から冬にかけて『ラバー・ソウル』と『オールディーズ』をずっと聴いていたと思う。



そして入信…

米国編集アルバム中心であったものの初期から中期のビートルズ作品を網羅した気になった小生、ぼちぼち後期ビートルズを聴くことに。。 でも「アビイ・ロード・ショック」の影響もあり、後期作品は代表作だけ押さえる事にした。

そして購入したのが『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』、通称“青盤”である。

『ザ・ビートルズ 1967年〜1970年』 (英国発売1974年4月10日)

[A面]
  1. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
  2. ペニー・レイン
  3. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
  4. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
  5. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
  6. ア・デイ・イン・ザ・ライフ
  7. 愛こそはすべて
青盤 [B面]
  1. アイ・アム・ザ・ウォルラス
  2. ハロー・グッドバイ
  3. フール・オン・ザ・ヒル
  4. マジカル・ミステリー・ツアー
  5. レディ・マドンナ
  6. ヘイ・ジュード
  7. レヴォリューション
[C面]
  1. バック・イン・ザ・U.S.S.R.
  2. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
  3. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
  4. ゲット・バック
  5. ドント・レット・ミー・ダウン
  6. ジョンとヨーコのバラード
  7. オールド・ブラウン・シュー
[D面]
  1. ヒア・カムズ・ザ・サン
  2. カム・トゥゲザー
  3. サムシング
  4. オクトパス・ガーデン
  5. レット・イット・ビー
  6. アクロス・ザ・ユニバース
  7. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

中期から後期の代表作を網羅した2枚組ベスト・アルバム。通称“青盤”。充実の28曲収録!!

初めて買った2枚組み、豪華見開きジャケットにポスター付き! 4,600円は高校生にとって高額な買い物だったが、この“青盤”がまた素晴らしいLPだった。 まずA面1曲目から完全に放心状態!! 「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の摩訶不思議なサウンド、美しいメロディに後頭部を殴られたような衝撃を受けた!!

アイ・アム・ザ・ウォルラス」「ヘイ・ジュード」「レット・イット・ビー」「アクロス・ザ・ユニバース」・・・ 『ラバー・ソウル』や『オールディーズ』の作品群とはまったく異質な風格、ゴージャズ感!! それでいて『アビイ・ロード』で感じた“違和感”は無く、ビートルズ・サウンドとして楽しめる内容だった。

『アビイ・ロード』であれだけ高圧的だった「カム・トゥゲザー」は“青盤”では不思議と馴染んでいた。

この“青盤”、ホントに良いです。ジョージ・ハリスンの選曲も完璧!!

後期ビートルズのサウンドの変化に大変感銘を受けた小生は、代表作だけでは駄目だと悟り、まだ聴いていないアルバム『リボルバー』、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』、『ザ・ビートルズ』(2枚組み通称“ホワイトアルバム”)を立て続けに購入、この重要3作品のサウンドの変化を知る事で『アビイ・ロード』に繋がることを“発見”するのだった。

因みにこの時期購入した米編集アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』は、実はおとうとの隆くんへの誕生日プレゼントだった。 収録曲があまりに素晴らしく、まるで自分の物のように聴いていたっけなぁ。懐かしい思い出です。

そして、気が付けば完全なビートルズ信者になっていたのだった(爆笑)。

 高校を卒業して蕎麦屋に就職した頃は後期ビートルズの英国オリジナル・アルバムをすべて買い揃えていた。 そんなある日、ビートルズ・レア音源集の『レアリティーズ Vol.2』を買ってみた。 確か、入手困難なシングルB面曲「ジ・インナー・ライト」と「ユー・ノウ・マイ・ネーム」を揃えるためだったと思う。 (当時アナログ盤のレア音源集は英国編集盤『レアリティーズ』と米国編集盤『レアリティーズ Vol.2』があって、どちらでも良かったのだがジャケットのかっこいい方を購入した記憶がある)

『レアリティーズ Vol.2』 (米国発売1980年3月24日)

レアリティーズ [A面]
  1. ラヴ・ミー・ドゥ
  2. ミズリー
  3. ゼアズ・ア・プレイス
  4. シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)
  5. アンド・アイ・ラヴ・ハー
  6. ヘルプ!
  7. アイム・オンリー・スリーピング
  8. アイ・アム・ザ・ウォルラス
[B面]
  1. ペニー・レイン
  2. ヘルター・スケルター
  3. ドント・パス・ミー・バイ
  4. ジ・インナー・ライト
  5. アクロス・ザ・ユニヴァース
  6. ユー・ノウ・マイ・ネーム
  7. サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ

英国盤『レアリティーズ』に続きアメリカで編集されたコンピレーション・アルバム。米国LP盤未収録曲を中心に、レア音源を収録。

実は『レアリティーズ Vol.2』は盲点だった。 このLPで「ミズリー」と「ゼアズ・ア・プレイス」を初めて聴いたのであるが、ちょっとした衝撃だった。いや、“超”衝撃だった。 この2曲はイギリスのデビュー・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』に収録されているのだが、アメリカ編集盤のアルバム『ジ・アーリー・ビートルズ』には未収録だったのだ。 「サンキュー・ガール」や「フロム・ミー・トゥ・ユー」に感じたワクワク感がここにある!!  

特に「ゼアズ・ア・プレイス」の清々しいサウンド、何とも言えないペーソス感と疾走感、凄い!  レノン・マッカートニー作品の原点がここに詰まっている!、とその時思った。今でも大好きな1曲である。

ビートルズの作品は1曲も聴き逃すことが出来ないと改めて悟り、未購入の英国オリジナルアルバムを買い直す羽目に。。   初期オリジナルアルバム5枚をわりと短期間で購入した記憶がある。“おとな買い”だった。
(初めて聴いたLP『ハード・デイズ・ナイト』は本当に素晴らしかった!!  『HELP!』のB面もとても良かったです!)



ビートルズは実家に住んでいた20歳位まで毎日のように聴いていた。その頃一生分聴いたと思う。 実家を離れ、仕事が忙しくなると次第にビートルズとは無縁の生活に。

時は平成に変わり、『ビートルズ・ライブ!! アット・ザ・BBC』(1994年)や『アンソロジー』(1995年〜1996年)、『レット・イット・ビー...ネイキッド』(2003年)など定期的にリリースされるマニア心をくすぐる“ビートルズ関連”も殆ど聴いていなかった。 再び聴くようになったのは、2009年のステレオとモノ最新デジタル・リマスター盤のビートルズ・ボックスが出た頃だっただろうか?   近年、様々な形態で発売される中高年の財布をターゲットにした豪華版ボックス・セット。今では毎年楽しみにしています。
令和になっても新たな魅力を発散し続けるビートルズ。。

やっぱビートルズ、最高でーす!!

P.S.『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』発売50周年の「記念エディション」は凄かった!!





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